「尊敬する人」を就活の面接で聞かれたらどう答える?有名人やスポーツ選手の例も紹介

就活の面接では「あなたの尊敬する人は誰ですか?」という質問をされることが多いでしょう。普段考えることがあまりないため、「尊敬する人なんていない」と回答に困るものです。

・歴史上の人物にすべき?
・有名人や芸能人でもいいの?
・父や母と答えるのはあり?

上記のような疑問を抱える就活生は多いはずです。前もって考えておかないと、なかなかとっさに答えられる質問ではないですよね。 ここでは面接官が「尊敬する人」を聞く質問の意図に加え、好印象な答え方をパターン別の例文つきで解説します。また、「尊敬する人がいない!」という人のために、尊敬する人の見つけ方や尊敬する人の例一覧も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

面接で「尊敬する人」を聞く意図とは? まずは、なぜ就活の面接で「尊敬する人」を聞くのか、採用担当者の意図を理解しておきましょう。

尊敬する人から「あなたがどんな人か」を知ろうとしている

面接ではさまざまな質問をされると思いますが、面接官が質問を通して知りたいのはあなたの価値観や考え方、人柄です。

そこから会社や仕事とあなたの相性を見ようとしているのです。そして入社後に会社でどんな活躍ができるかを推測しようとしています。

尊敬する人からあなたの「価値観」を知ろうとしている

「尊敬する人」を聞くことで、面接官はあなたがどんな価値観を持っているのか、どんな考え方をしているのかをイメージしやすくなります。

ここで大切なのは「誰を選んだか」ではなく、「尊敬している理由」です。「尊敬する人は誰ですか?」という質問に答えるときは、その理由がポイントになるということを覚えておいてください。

論理的に説明する能力を見ようとしている

「尊敬する人は誰か」という問いに対して、論理的な回答ができるかどうかも見られています。明確な答えが存在しない質問に対して、何をどのような順番で答えるか、納得感のある説明になっているかといった観点で、学生の対応力を見ているのです。

会社員になれば、さまざまな場面で想定外の質問に答える必要が出てきます。ポイントを絞ったうえで論理的な説明ができれば、面接官からの評価も高まるでしょう。

面接で「尊敬する人」を答えるときにおすすめの文章構成

「尊敬する人」の質問に答えるときに意識したいのは、「主張に一貫性があるか」「尊敬している人の魅力を正しく伝えられているか」「自分の価値観につなげられているか」です。そのためには、以下の3つのポイントを盛り込むようにしましょう。

【尊敬する人の質問に答えるときに必要な3つの要素】
尊敬している人は誰か
どんなところが尊敬できるのか
尊敬する人からどんな影響を受けたのか

①尊敬している人は誰か

「尊敬する人」の質問に答えるときには、まずはじめに誰を尊敬しているのか答えます。最初に結論を伝え、そのあとに理由を話すことでわかりやすい説明になるからです。

尊敬する人は、身近な人でも、過去の偉人でも、現在活躍している人でも構いません。

誰でも知っている著名人だと伝わりやすいという利点があります。織田信長やウィリアム=シェイクスピアなどであれば、知っているレベル感に差があったとしても、何をした人なのか、どんなところがすごいのかが多くの人に知られているでしょう。

②どんなところが尊敬できるのか

次に、尊敬できる人のどんな点が尊敬できるのか答えます。業績や功績をひたすら述べるのではなく、その人がどうして結果を残せたのかという強みや資質を中心に話すようにしましょう。

面接官は、あなたが著名人についてどれだけ知っているのかを聞きたいわけではありません。「スティーブ・ジョブズの既存の枠にとらわれない発想ができ、自らの追い求めるものに妥協しなかった姿勢を尊敬している」というように具体的な理由を簡潔に述べましょう。

【どんなところが尊敬できるのかの回答例】

・尊敬する人物の資質
・尊敬する人物が成し遂げたこと
・尊敬する人物が社会に与えた影響

③尊敬する人からどんな影響を受けたのか

最後に尊敬する人物から受けた影響を述べましょう。尊敬する人に影響を受けて起こした行動や、尊敬する人に近づくためにしている努力などを盛り込むといいでしょう。

【どんな影響を受けたかの回答例】

①私は○○を尊敬しています。

○○はこんな人です。その人のこんなところを尊敬しています。

将来自分もこのような人になれるようこんな努力をしています。


②私は○○を尊敬しています。

○○はこんな人です。○○は私にこんなことを教えてくれました。

そして、実際にこう変われました。この変化がなければ今の自分はないと考えており、○○には感謝していると同時に尊敬しています。

面接で「尊敬する人」について答えるときに注意すべきポイント

「尊敬する人」と「好きな人」を混同しないよう注意

「尊敬する人」と「好きな人」は違うことを覚えておいてください。「ファンのような気持ちでただ好きな人」と「尊敬する人」を混同してしまうと、面接官が知りたいこととズレてしまいます。

「好きだから」「憧れの人だから」といった理由しか伝えられないと、稚拙で未熟な学生という印象を与えてしまう恐れがあるので注意しましょう。以下のように、スポーツ選手やアイドルなどを尊敬する人として挙げるときによく見られます。

【ダメな回答例】 クリスティアーノ・ロナウドを尊敬しています。尊敬するポイントとして彼のプレースタイルやテクニックがすごいことです。

この場合、価値観について言及していないのでいい答え方とは言えません。面接官からすると「クリロナ?すごいよね、FWとして完成されてるもんね。でも、それって尊敬してる人じゃなくて好きな人じゃない?」と思ってしまうわけです。スポーツ選手や芸能人を挙げる場合は、彼らの哲学やマインドセットを盛り込むようにしましょう。

「尊敬する人がいない」という回答はNG

「尊敬する人がいない」「考えたことがない」という人も多いと思いますが、「尊敬する人は特にいません」と答えるのはNGです。

具体的な回答をしないと、面接に対してやる気がない、その企業への熱意がないとみなされる可能性が高いからです。

両親、先輩、友人などの身近な人でもいいので、必ず誰か答えて、具体的な理由も述べるようにしましょう。

人物紹介に終始しないよう注意

面接で尊敬する人を答えるときには、自分の価値観につなげることが重要です。その人物の魅力や功績を挙げることに終始しても、あなた自身のアピールにはつながらないため注意しましょう。

また、説明が長すぎる場合も「ビジネスに必要な説明能力がない」とみなされてしまいます。ポイントを絞って尊敬する人物の魅力や功績を伝え、それを踏まえたうえで自分の価値観や行動にどうつながったのかを説明しましょう。

物議を醸すような人物は避ける

尊敬する人物としてはさまざまな候補が思い浮かびますが、世間的に賛否が分かれるような人はできるだけ避けましょう。物議を醸すような行動でニュースに載った人物などを挙げると、「入社後にトラブルを起こしそう」などと余計な不安を抱かせます。

奇をてらった回答で注目を浴びる必要はありません。よく名前の挙がる人物であっても、自分なりの説明やエピソードを加えられれば、面接官に好印象を与えられます。

企業が求める人物像を意識する

尊敬する人物はあなたの価値観を表現することになるので、正直に答えるのが一番です。しかし、企業の求める人物像と一致していれば、より効果的なアピールができるでしょう。

高評価を狙うためだけに印象が良さそうな人物を挙げるのはよくありませんが、自身の価値観とマッチしていれば問題ありません。尊敬する人物や尊敬する理由を考えるときに、その企業で活躍している人をイメージしてみるとヒントが見つかるかもしれません。

尊敬する人の回答例を5つのパターン別に紹介!

「尊敬する人は?」という質問に対して、具体的にどう答えればよいのか、回答例を以下5つのパターンで紹介します。

・家族(父・母・兄・姉)
・恩師
・歴史上の人物
・ビジネス・経済界の有名人
・スポーツ選手

家族(父・母・兄・姉)

私の尊敬する人は父です。

父は仕事・プライベートにかかわらず「とにかくベストを尽くすこと」を大切にしています。仕事では、経営する飲食店でよりお客様に喜んでいただけるよう、店内のレイアウトやメニュー、接客方法などを常に見直してきました。趣味の釣りでは、釣り方や釣り具へのこだわりはもちろん、調理方法も徹底的に調べて改善を繰り返しています。

私も父のように、現状に満足することなく常にベストを尽くせる人間になりたいと意識してきました。たとえば大学時代に打ち込んだサッカー部での活動では、試合映像の分析を率先して行い、メンバーに働きかけて改善を繰り返してきました。

社会に出てからも、父から受け継いだ姿勢をいかして常にベストを追い求める人間でありたいと思っています。

私の尊敬する人は母です。

母は、どれだけ忙しくても家族全体のことを考えて行動し、常に明るく振る舞っています。父が単身赴任で離れて暮らしていたとき、子ども3人の育児と仕事を両立させるのはとてもたいへんだったはずです。しかし、嫌な顔は一切見せず、常に笑いの絶えない家庭を築き上げてくれました。

私自身もそんな母を見習いたいと思い、行動してきました。アルバイトやゼミ活動では、苦しいときこそ明るく振舞ってきた結果、「○○がいたから乗り切れた」と言ってもらえることが増えました。

社会に出てからも、苦しいときこそ笑顔を忘れず、挑戦を楽しんでいきたいと思います。

私の尊敬する人は兄です。

兄は常に新しいチャレンジをしています。高校時代にはプロになるためのサッカー留学、大学時代には友人と起業をし、現在も経営者として事業を営んでいます。

前例のないことでも積極的にチャレンジする兄の姿勢を見習うべく、私自身も行動に移してきました。大学時代には長期インターンに参加し、ベンチャー企業で新規事業の立ち上げに尽力しました。

社会に出てからも、常に新しいチャレンジをし続ける人間でありたいと思っています。

私の尊敬する人は姉です。

姉は常に計画性を持って行動ができる人物です。長女として弟・妹の面倒をみる機会が多かった姉は、家事や育児においてやるべきことを先回りして片付け、母を助けていました。また資格試験に挑戦した際にも、大学の授業とアルバイトを続けながら効率的に勉強し、見事合格しました。

私自身も姉の姿勢を見習いたいと思い、行動に移しています。ゼミの研究においては、教授やゼミメンバーとのスケジュール調整や役割分担を率先して決め、常に前倒しで進行するよう働きかけてきました。

社会に出てからも、姉のように計画性を持って行動できるよう心がけていきたいと思います。

恩師

私は高校時代の部活の顧問を尊敬しています。

ねじ曲がっていた高校時代の私に、全力で物事に取り組むことの素晴らしさを教えてくれたからです。全力でやる人間がダサいと思い、スカした態度をとっていた私に対して、1年半も根気強く向き合い続けてくれました。

そのおかげで私は、自分が失敗しないため、プライドを守るため、そして言い訳をするためにスカした態度を取っているのだと気づくことができました。私はそれ以降、物事に対して全力で取り組めるようになりました。

歴史上の人物

私が尊敬するのは、初代内閣総理大臣の伊藤博文です。伊藤博文の「新たな道を切り拓く姿勢」を見習いたいと思っています。

伊藤博文は、22歳という年齢で4ヶ月もの期間をかけてイギリスに渡り、留学をしました。そして明治新政府の一員としてヨーロッパを再訪問した際には、各国の憲法を研究し、のちに日本の憲法草案を作成します。

前例がないなかでも率先して道を切り拓き、新たな時代を作っていった伊藤博文の姿勢を、私も見習いたいと思っています。大学3年時に参加した長期インターンでは、新規プロジェクトを提案し、メンバーと協力しながら市場開拓を進めました。

社会に出てからも、新たな道を切り拓く姿勢を大切にし、挑戦し続けたいと思っています。

ビジネス・経済界の有名人

私が尊敬するのは、現在のパナソニックを創業した松下幸之助です。アイデアは口先だけではなく熱心さから生まれる、という彼の言葉に非常に感銘を受けたからです。

サークルに新入部員があまり入らなかったとき、アイデアを話し合ってもなかなかよい意見が出ませんでした。そこで、私は「新入生が5人以上入らなかったら、サークルを解散しよう」と思い切った提案をしました。

危機意識の低かったメンバーですが、この一言によって本気で考えるようになり、さまざまなアイデアが出た結果、無事に5人以上の新入生が入ってくれることになりました。

社会に出てからもアイデアを出すための「熱心さ」を大切にして、日々の仕事にチャレンジしていきたいと思っています。

スポーツ選手

私はクリスティアーノ・ロナウドというサッカー選手を尊敬しています。彼はサッカー選手として一流であるだけでなく、人間としても優れていると思うからです。

例えば、試合を観戦していて興奮のあまりコートに乱入してきた熱狂的なファンに対しても、紳士的な対応を取りその場を収めました。無視したり逃げたりするのではなく、全体が丸く収まる方法を瞬時に見出し、行動したのだと思います。

社会に出たら、彼のようにプロとして一流の結果を残すことはもちろん、人間的に優れていると周囲に感じてもらえるような存在でありたいと考えています。

尊敬する人がいないときの探し方

尊敬する人がいなくても、正直に「尊敬できる人はいません」と答えるのは好ましくありません。質問に答えられるよう、事前に尊敬できる人を探しておきましょう。

尊敬する人の探し方は、次の4つの方法がおすすめです。

・既に読んだ本や知っている人から絞り込んでみる
・OB訪問などで実際に社会人に会ってみる
・インターンシップに参加してみる
・本を読んで自分のなりたい姿を想像してみる

既に読んだ本や知っている人から絞り込んでみる

「もう時間がない」という人は、すでに読んだことがある本や自分が知っている人をできる限り多く思い浮かべてみましょう。その中で少なくとも一人は気になった人や登場人物が出てくるはずです。

気になった人物がどうして気になったのかを深堀りして考えてみると、いくつかポイントが挙げられるはずです。それが気づかないうちに自分が影響を受けた要素です。その要素を中心に、尊敬する人物とその理由を書いていきましょう。

OB訪問などで実際に社会人に会ってみる

「時間があまりないけど締切まで、まだ2週間くらい時間がある」という人は、OB訪問などで実際に社会人に会って話をしてみましょう。仕事内容などを聞いて志望動機の強化が図れるうえ、その人が就活生のときにどんな人を尊敬していたのか聞くことも可能です。

就活を終えた人が誰を尊敬していたのか聞くことで、どんな価値観がその企業で評価されるのかといったヒントが得られます。もしかしたら、そのときに出会った社会人を尊敬することもあるかもしれません。

自分の志望する企業であれば、積極的にOB訪問をすることで就活上の悩みを解決するだけでなく、OB訪問をしたという事実が選考において評価されることもあります。

インターンシップに参加してみる

まだ社会経験の少ない大学生は、尊敬する人に出会えていないのも仕方ありません。尊敬する人に出会うには、たくさんの人と関わる機会を増やすことです。

そこで会社で働きながらたくさんの社会人と知り合える、インターンシップへの参加をおすすめします。インターンシップを通して多くの社会人と出会い一緒に仕事をすることで、尊敬できる人に出会う可能性も高まるでしょう。

本を読んで自分のなりたい姿を想像してみる

多くの本を読んで情報量を蓄えていくと、何となく自分がなりたい姿ややってみたいことがわかるようになってきます。

そして自分がやってみたいことにはたいていの場合、先人がいます。その人の背景について調べていくうちに「なぜその先人はそれをするに至ったか」が理解できるようになります。理解が深まれば、自然と尊敬できるようになるはずです。

先人のようになるため、超えるために自分が何をすべきかもわかるようになるでしょう。尊敬する人物とその理由、これからすべきことを述べれば、充実した回答内容になるはずです。

ただし、多くの本を読む必要があるため、最も時間がかかる方法です。まだ就活をしていない1〜3年生はぜひチャレンジしてみてください。

有名人やスポーツ選手など「尊敬する人」の例一覧

尊敬する人がなかなか見つからない場合は、よく出てくる例を一覧で紹介するのでぜひ参考にしてください。

身近な人から見つける

・父・母・兄弟・姉妹
・祖父・祖母
・友人・同級生
・恩師
・バイト先の上司・同僚
・サークルの先輩・仲間
・大学のゼミの先輩・仲間
・インターン先の先輩・社長

身近な人を選ぶ利点は、具体的なエピソードがたくさんある点です。アルバイトやインターンでのエピソードは仕事に関連させやすいため、職場や仕事でいかせる価値観として自己PRにつなげやすいでしょう。

歴史上の人物から見つける

・織田信長
・徳川家康
・上杉謙信
・坂本龍馬
・西郷隆盛
・ネルソン・マンデラ
・ヘレン・ケラー
・エジソン
・マザー・テレサ

誰もが知っている歴史上の有名な人物なら、面接官もイメージがしやすいです。ただし、企業のイメージや社風とかけ離れた人は選ばないほうがいいかもしれません。

著名な創業者・経営者から見つける

・松下幸之助
・本田宗一郎
・ビル・ゲイツ
・ジェフ・ベゾス
・スティーブ・ジョブズ

好きな商品・メーカー・サービスの創業者などについて調べてみるといいでしょう。競合している企業の経営者は避けた方が無難です。

スポーツ選手から見つける

・ウサイン・ボルト
・リオネル・メッシ
・イチロー
・吉田沙保里
・浅田真央
・大坂なおみ

スポーツ選手から選ぶときは「好き」「ファン」というだけにならないよう注意してください。一流のスポーツ選手が練習に取り組む姿勢や、成果をあげるために努力していることに注目しましょう。

まとめ

今回は面接で「尊敬する人」を質問されたときの答え方について解説してきました。大切なのは、あなたの考えや価値観を面接官にしっかりと伝えることです。

あなたのことをよく知らない人でも、あなたがどんな価値観の持ち主かわかるよう、自分の考えをしっかりと持ち「なぜ」「どのような点を」尊敬しているのか自分の言葉で説明しましょう。

就活本番まで時間に余裕がある人は、インターンシップに参加するなど積極的に人と交流するのがおすすめです。「尊敬する人物」のヒントが得られるほか、自己PRや志望動機のブラッシュアップにもつながるはずです。


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