【就活生必見】自己PRエピソードの選び方、書き方と例文

就職活動における自己PRは、企業に自分を売り込むための大切な項目です。しかし、日常生活ではなかなか自分をPRする機会がないため、「エピソードが思い浮かばない」と悩む就活生も少なくありません。
また、「バイトや趣味のエピソードでは自己PRとして弱いのでは?」と感じたり、すごいエピソードを話す学生と自分を比較して落ち込んだりする方も多いでしょう。
そこで今回は、自己PRに使えるエピソードを選ぶ方法と書き方を例文とともにご紹介します。

目次

企業が自己PRを求める目的とは

的外れなアピールにならないよう、まず何のために自己PRを行うのか明確にしましょう。企業が学生に自己PRを求めるのは、主に以下2つの目的があるからです。

・学生の人柄を知るため
・会社にどう貢献できるかを見極めるため

学生の人柄を知るため

就職みらい研究所の調査によれば、企業が採用において最も重視するのが「学生の人柄」です。価値観が自社にマッチするかどうかを見極めるには、過去の体験をもとにした自己PRが最適なのです。

どれだけ優秀な学生でも、先輩社員とのコミュニケーションや会社理念への共感という面で合わない部分があれば、長期的な活躍はむずかしいでしょう。希望する企業の風土や求める人材像などを踏まえ、具体的なエピソードで自分の人柄を伝えましょう。

会社にどう貢献できるかを見極めるため

また自己PRのエピソードを通じて、具体的にどのような活躍ができそうかを見極めることも重要な目的です。人柄のよさが伝わるエピソードだったとしても、業務の貢献につながるような要素がなければ意味がありません。

自社の役に立つ人材だと感じてもらうためには、以下のようなポイントを盛り込みましょう。

・どのような課題があったのか
・課題をどのように解決したのか
・上記の経験をどのようにいかせるのか

入社後に活躍するイメージが湧く自己PRを作成できれば、内定が大きく近づきます。

どんなエピソードが自己PRに使える?

具体的に自己PRに使えるエピソードを探すなら、以下3つの軸で過去を振り返ってみてください。

主体的に活動したエピソード
変化を起こしたエピソード
成長したエピソード

主体的に活動したエピソード

自己PRは、企業に対して「あなたの持つ魅力や強み」を伝えることが目的です。そのため、あなた自身が主体的に活動したエピソードであることが必要です。
とにかくインパクトを与えるため珍しい体験をアピールする方もいますが、自分自身の努力によるものでなければ自己PRとしては相応しくありません。
小さなことでもいいので、自分自身で考え、主体的に行動したエピソードを選ぶようにしましょう。

変化を起こしたエピソード

あなた自身の行動によって「変化」を起こしたエピソードも、自己PRとしては最適です。なぜなら、企業は「今より良いもの」を生み出せる人材を求めているからです。
所属しているサークルで起きたトラブルを解決したり、バイト先や研究室の環境を改善したりと、自分自身が他者や環境に良い影響を及ぼした体験を思い出してみましょう。
問題に気付いて自ら働きかける行動力は、社会人としても大きく評価されます。

成長したエピソード

自己PRのエピソードとして、あなた自身が「成長」した体験もおすすめです。企業は、新入社員に即戦力を求めているわけではありません。「入社後に成長を重ね、将来的に大きな貢献をすること」が求められているのです。
あなたが成長したエピソードを聞くことで、採用担当者はあなたの「学ぶ力」や「成長への可能性」を評価するでしょう。失敗した経験があっても、それを糧に大きな飛躍ができる人材であれば採用したいと考えるはずです。

自己PRに使えるエピソードを見つける方法

自己PRに使えるエピソードを見つけるには、以下3つのステップで過去を振り返りましょう。

大学時代に取り組んだ活動をカードに書き出す
「主体性」「変化」「成長」の3グループに分類してみる
カードの多いグループから共通する「強み」を見つける

大学時代に取り組んだ活動をカードに書き出す

自己PRに使えるエピソードを見つけるために、まずは大学時代に取り組んだ活動を一つひとつカードに書き出してみましょう。
研究・サークル活動といった学内での活動もあれば、アルバイト・ボランティア・インターンシップなど学外の活動もあるでしょう。他者から強要されたものではなく、自ら進んで参加した活動に目を向けてみてください。

「主体性」「変化」「成長」の3グループに分類してみる

カードに書き出した大学時代の活動について、それぞれ「主体性」「変化」「成長」の3グループに分類してみてください。 1枚のカードが2つ以上のグループにまたがる場合には、どちらのグループにも入っているものと考えましょう。
どのグループにも当てはまらないカードは自己PRに適さないため、取り除いておいてください。

カードの多いグループから共通する「強み」を見つける

カードの分類が終わったら、それぞれのグループに属するカードの枚数を確認してみましょう。カードの枚数が多いグループが、あなたの強みの方向性を示しています。
たとえば、「主体性」グループが多い場合は「積極性」「リーダーシップ」「行動力」などが強みだと考えられます。「変化」グループが多ければ「問題解決能力」「コミュニケーション能力」、「成長」グループが多ければ「観察力」「学習能力」「自己統制力」などが強みだといえるでしょう。
強みを裏付けるものとしてエピソードを分かりやすくまとめれば、魅力的な自己PRが完成するはずです。

自己PRエピソードの書き方

実際に自己PRを書き始める際には、以下3つのポイントを意識しましょう。多忙な採用担当者に読み込んでもらうためには、いずれも重要なポイントです。

結論を最初に書く
根拠となるエピソードを書く
仕事でどういかすかを伝える

結論を最初に書く

自己PRとは、「あなたのアピールポイントはなんですか?」という企業からの問いかけです。そのため、最初にその答えを書く必要があります。最初に結論が書かれていないと、読み手は話の方向性がわからないまま読み続けることになります。
たとえば、「私の強みは、諦めずに粘り強く取り組めるところです」など、結論を最初に書きましょう。読み手は「ここから先は『粘り強さ』の話なんだな」と理解して読み進められるため、余計な負担がかからずに済みます。

根拠となるエピソードを書く

アピールポイントとしての強みや長所を書いたら、次にその根拠となるエピソードを書きます。
アピールポイントを伝えるだけでは、自分自身の主観的な考えにすぎません。実際にその強みをいかして行動したエピソードを示すことで強みの裏付けとなり、採用担当者の印象に残る自己PRとなります。

仕事でどういかすかを伝える

最後に、アピールした自身の強み・長所を仕事でどのようにいかすのかを説明しましょう。
企業が欲しいのは「入社後に活躍できる人材」です。どれだけすぐれたスキルでも、入社後の業務に役立たないのであれば意味がありません。
企業分析を重ね、求める人材像を十分に理解したうえで、自身の強みを最大限アピールしましょう。

自己PRエピソードの例文を3つ紹介!

うまく自己PRができている事例を、アルバイト・サークル・ゼミの3パターンで紹介します。

アルバイトの自己PRエピソード例

自己 PR(400 字)(デンソー 2019卒)
私の強みは周りを巻き込む行動力です。その強みを最も発揮したのがアパレル販売員としてのアルバイト経験です。私が勤めた店舗では、興味のない商品の説明が長いという苦情がお客様から多数寄せられていたため、商品の説明を取捨選択することで苦情をゼロにする業務改善に取り組みました。まず、改善意識をスタッフ間で共有するために、月例会議でお客様の好みをヒアリングすることを主体的に提案しました。しかし、実際に実践したものの、身についた接客トークでは好みを聞き出すことに限界がありました。そこで、ヒアリング能力を高めるために、ロールプレイング接客を行う時間を設けることを提案したり、実際にお客様とした会話内容を LINE で共有するシステムを作ったりすることで現場での実践能力を効率的に向上させることに努めました。その結果、苦情の改善だけでなく、モール内の覆面調査において接客態度で 200 店舗中 10 位に入賞しました。

サークルの自己PRエピソード例

【強み】あなたの強みを教えてください。また、その強みを発揮したと思われるエピソードや経験も教えてください。(伊藤忠テクノソリューションズ 2019卒)
私は自発的に考え動く人間である。私はフットサルサークルにおいてメンバー集めに奔走した。私の入会時の会員の人数は 9 人であり、5vs5 の試合がチーム内で行えない状態であった。私はサークルのメンバー不足の原因は 2 点あると考えていた。1点目にフットサルサークルが学内で乱立しており差異を生み出せていない事である。2点目に、広報に力を入れていない事だと考えた。そこで私は前者の課題に対しては、会員と話し合いを行った上で、「学内一敷居の低いフットサルサークル」というコンセプトにして他サークルよりも入りやすい雰囲気を出して差異を出すようにした。後者の課題に対しては、サークルの Twitter アカウントを作成し定期的な会員の呟きを知人に拡散してもらうよう協力を仰ぎ、一人でも多くの人の目にとまるようにした。また、「2 年生以上も大歓迎」と書き出し、学内掲示板にカラフルな宣伝紙を作った。これら奔走が実り、3 年生になる前には 17 人までメンバーを増やす事が出来、より活気のあるサークルにする事が出来た。この経験を活かして貴社でも自発的に課題や解決策を考え、それに対する行動を起こすことで貴社に貢献したい。

ゼミの自己PRエピソード例

自由に自己 PR をおこなってください 400 字以内(NTT西日本 2019卒)
私は反省から学び、次に活かせる人間である。大学 3 年生時の学部ゼミナール大会で予選突破にチャレンジした。大会 2 ヶ月前に行ったゼミ合宿で、指揮を執った私は作業の進捗のみを考えてメンバーがどういうものにしたいのか、どの仕事をやりたいか、という視点が欠けていた。結果、メンバーのやる気を下げ、成果物の質は低かった。そのため、ゼミナール大会でこの悔いを晴らすと意気込んだ。大会までの私の行動は2点ある。1 点目に参加メンバー全員と個別の時間を設けた上で面談をし、個人の欲求と目標をヒアリングした。メンバー各々が何をしたいか、どうしたいかを明確にし、可能な限りそれらに応えられるタスクの割り振りを行った。2 点目に「全体としての目標」と「個人の欲求・目標」のすり合わせである。個人の欲求を満たせない事もあったがその際も面談を行い、全体の目標を話した上で説得をした。これら奔走が実り、ゼミナール大会予選を突破した

上記以外にも、当サイトでは豊富なES例文集を用意しています。ぜひ以下リンクからダウンロードして、魅力的なエピソードの作成に役立ててみてください。

自己PRエピソードが思いつかない・弱い時の対策

「自己PR用のエピソードがなかなか思いつかない」「エピソードの内容が弱い気がする」という場合は、以下3つの対策を試してみてください。

・自己分析をやり直す
・周囲の人に聞いてみる
・インターンシップに参加する

自己分析をやり直す

なんとなく考えるだけでは、自己PRのエピソードはなかなか思いつかないでしょう。次のポイントに絞って、自己分析をやり直してみてください。
【振り返る経験】
・勉強
・趣味
・習い事
・部活やサークル
・アルバイト
【思い出す項目】
・成果をあげたこと
・達成したこと
・褒められたこと
・嬉しかったこと
・楽しかったこと
アルバイトをしていたなら、アルバイトでの経験を振り返ってみましょう。上司や仲間に褒められたことや嬉しかったことが、誰にでも一つや二つはあるはずです。そこで気づいた自分の強みや身につけたスキルを、仕事にいかせないか考えてみてください。

周囲の人に聞いてみる

自分で思いつかないなら、家族や友人などに相談してみるのもいいでしょう。自分にとっては当たり前のことでも、実は周囲の人からは称賛されている・尊敬されているというポイントが見つかるかもしれません。
周囲の人と話す中で、自分の強みや長所、自慢できるような経験に気付くことも多いです。ひとりで悩まず、身近な人に積極的に相談しましょう。

インターンシップに参加する

「どれだけ考えてもエピソードが出てこない!」という方もいるでしょう。就活本番まで時間がある方は、自己PRのエピソードに使えるような経験をするためにアルバイトやインターンシップを始めてみるのがおすすめです。
とくにインターンシップなら、就活の準備も兼ねられます。企業研究や業界把握が進むうえ、自分の得意なことや将来やりたいことが明確になるため、志望動機や自己PRの作成にも役立ちます。

インターンでの経験は仕事に結びつけてアピールしやすいので、自己PRのエピソードに最適です。短期間のインターンプログラムもたくさんあるので、積極的に参加してみましょう。

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自己PRエピソードが思いつかなくてもこんな行動はNG

自己PRのエピソードが思いつかなくても、以下3つの行動は避けてください。うまく取り繕えたと思っていても、採用担当者には気付かれるものです。

ウソのエピソードを語る
人の自己PRエピソードをコピーする
同じ自己PR文を複数の企業で使い回す

ウソのエピソードを語る

周囲の就活生が留学や海外でのボランティア経験、起業したエピソードなどを語っていれば、自分の自己PRが弱いと感じるかもしれません。しかし自慢できるような実績や経験がないからといって、ウソのエピソードを語るのはNGです。
企業が自己PRで知りたいのは「どれほど素晴らしい実績があるか」「どんな変わった経験をしているか」ではありません。企業の担当者が知りたいのは「あなた自身がどんな考え方をし、どんな努力や工夫ができるか」です。
エピソードの大小や珍しさよりも、あなたの長所をどれだけうまく伝えられるかにフォーカスしてみてください。

人の自己PRエピソードをコピーする

自己PRエピソードが思いつかないからといって、人の経験やサイトに書かれている自己PR例文をコピペして利用するのはやめましょう。どこかで聞いたことのあるような自己PRでは、面接官の印象に残ることはありません。
誰かのエピソードをコピーしても、面接で深く突っ込まれたときにバレる可能性が高いです。しどろもどろになったり答えに矛盾が生じたりすれば、面接官は「自分の経験ではないのかな?」とすぐに感付くでしょう。大切なのはオリジナリティだということを忘れないでください。

同じ自己PR文を複数の企業で使い回す

自己PR文を考えるのは手間も時間もかかりますが、だからといってまったく同じ自己PR文を複数の企業で使い回すのはよくありません。
企業への熱意を伝えるには、企業の特徴や求める人材を理解したうえで、それに合わせた自己PR文を作成することが大切です。使い回したときは時間の節約になっても、選考を通過できなければ応募企業数が増え、結局手間がかかってしまいます。
面倒だと感じても、自己PRは企業ごとに書き直すようにしましょう。

面接での自己PRを成功させる3つのポイント

書類選考と面接では、自己PRのエピソードは同じものが使えるでしょう。しかし、面接時には以下3つのポイントに気を付けることで、より魅力的なアピールになります。
熱意を持って話す
できるだけ具体的に話す
深掘り質問に備える

熱意を持って話す

1つ目は、エピソード当時の状況を思い出しながら熱意を持って話すことです。

書類に記載する自己PRエピソードは、忙しい採用担当者に最後まで読んでもらえるよう、簡潔にわかりやすくまとめる必要があります。一方、面接での話し方まで簡潔にしてしまっては、魅力的なエピソードを持っていたとしても面接官の印象に残りません。

「結論から話す」などわかりやすさへの配慮は必要ですが、エピソード当時に自分は何を考えていたのか、どんな努力の末に壁を乗り越えたのか、感情を込めて伝えることを大切にしましょう。

企業が学生に自己PRを求める目的の一つは、人柄を見極めることです。熱意を持ってエピソードを語れば、魅力ある人柄も印象づけられるでしょう。

できるだけ具体的に語る

2つ目は、エピソードの内容をできるだけ具体的に語ることです。
面接官は「本当に自分で体験したことなのか」「事実を大げさに盛っていないか」といった視点で学生を見極めています。内容に嘘や偽りがなく、自分自身が成し遂げた成果なのであれば、それが伝わるよう当事者だからこそわかる具体的な内容を語りましょう。

話が長くなりすぎないように注意は必要ですが、実際に起きたトラブルなどもまじえながら話して面接官の信頼を勝ち取ることが大切です。

深掘り質問に備える

3つ目は、自己PR後に面接官から投げられる深掘り質問に備えておくことです。魅力的なエピソードを語ったとしても、その後の受け答えがちぐはぐであれば「本当に自分で体験したのかな?」と面接官を不安にさせます。 具体的には、以下のような質問を想定しておくとよいでしょう。
・そもそもなぜその目標を立てたのか
・挫折せずに目標を達成できた最大の要因はなにか
・当時の経験はその後の人生にどのようにいきているか
家族や友人など、身近な人に自己PRエピソードを読んでもらったうえで、気になる点を質問してもらうのも効果的です。

魅力的な自己PRエピソードを書いて内定を勝ち取ろう!

自己PRでは、インパクトのあるエピソードよりも「あなた自身が体験し、学び、考えたこと」が大切です。主体性・変化・成長という3つの観点で過去の経験を振り返ったり、家族や友人などに聞いてみたりしましょう。なかなか良いエピソードが出てこない場合は、企業や業界の研究を兼ねてインターンシップに参加してみるのもおすすめです。

当サイトでは、実際に作成された魅力的な自己PRエピソードの例文集も作成しています。就活の先輩たちがどのようなエピソードで自分をアピールしていたのか、ぜひ参考にしてみてください。


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