就職活動では採用選考の履歴書やES(エントリーシート)、面接で「弱み」を聞かれることがあります。しかし自分の弱みを正しく自覚し、うまく言葉にできている人は少ないのではないでしょうか?
企業が「弱み」を聞く意図とは?ここでは、自分自身の「弱み」を客観的に理解し、採用選考での効果的なアピールにつなげるためのポイントやコツをご紹介します。
- ・企業が弱みを聞く意図は?
- ├企業に合う人材かどうか
- ├自己分析ができているかどうか
- └短所を前向きに捉えられているかどうか
- ・弱みを答えるときのポイント
- ├弱みと強みが表裏一体になっているか
- ├具体的なエピソードが入っているか
- └弱み・短所を克服するために工夫しているか
- ・弱み一覧
- ・「弱み」を聞かれた時の回答例
- ├例文①一つのことに没頭しすぎてしまう
- ├例文②楽観的過ぎる
- └例文③引っ込み思案
- ・「弱み」のよくない書き方・答え方
- ├「弱みはありません」はNG
- ├常識がないと思われるような答えは避ける
- └仕事と関連がない弱みや短所もダメ
- ・「弱み」を効果的なアピールをするには
- ├「企業の求める人材」を理解すること
- └ 企業を理解するにはインターンシップがおすすめ
- ・最後に
企業が弱みを聞く意図は?
企業が短い面接や少ないエントリーシートの質問の中でわざわざ「弱み」を聞いてくることには、しっかりと理由があります。企業側の意図を理解して、自分自身をアピールしましょう。
企業に合う人材かどうか
まず、企業に合う人材かどうかを判断するための質問です。例えば、まだ設立したばかりで挑戦的なベンチャー企業に「リスクを負えない」という弱みを持つ人が入社したら、企業の社風には合っていないですよね。こういった企業側と新卒社員のミスマッチを防ごうという意図が見られます。
また、自分では弱みと感じている部分も企業から見たら必要としている能力かもしれません。そういった点では無理に自分の弱みを隠す必要はないのです。
自己分析ができているかどうか
自己分析ができているかどうかを見ています。学生側が自己分析をしっかりできていること、それを元に企業を志望していることが就職後のミスマッチを防ぐからです。
自己分析の中でも「弱み」は目を背けたくなるものであるため、そこに答えられる学生は自己分析ができているとみなされると同時に、信頼感をもってもらえるでしょう。
短所を前向きに捉えられているかどうか
企業は弱みを前向きに捉えられる人材かどうかを判断しています。弱みを前向きに捉えるのは案外難しいものですよね。しかし、弱みの分析ができていても、それを悲観的に捉えていたら業務に支障が出るかもしれません。
入社後、新たな弱みにぶつかっても改善できそうな人を見つける指標になります。人間だれしも弱みがあるものですが、そこから目を背けず向き合える人を企業は求めているのです。
弱みを答えるときのポイント
意図を理解した後は、それを上手く答えられるようにポイントをおさえましょう。
弱みと強みが表裏一体になっているか
弱みと強みは裏返しになることが多いです。面接官は数多く面接をして就活生を見ているため、自分を良く見せようとして取り繕った嘘はバレてしまいます。そのため弱みを問われたときに強みとの整合性が取れていない場合、面接官は違和感を感じるでしょう。
質問の背景には「どんな人材か知りたい」という想いがあり、悪いところを探しているわけではありません。ありのままの自分を見てもらいましょう。
具体的なエピソードが入っているか
具体的なエピソードが入ることで話に説得力が増します。自分の弱みを探す際に、出来事や経験が思い浮かんだ人も多いのではないでしょうか?
面接官は質問を通して自己分析ができているか、客観的に自分を見られているか、といった点を評価しています。弱みに具体的なエピソードが裏付けられていることで、自己分析ができている学生だと印象付けることができます。
弱み・短所を克服するために工夫しているか
面接官は弱みそのものと同時に、弱みに対処しようとしているかを見ています。弱みをそのままにしている人より改善しようとする姿勢がある人の方が印象は良いですよね。
弱みの認識・分析まではできているのに、どのようにその弱みに対処してきたか、克服しようとしてきたかを答えられないのは勿体ないです。自分のこれまでの行動を振り返り、どのように向き合ってきたのかアピールしましょう。
弱み一覧
自分の弱みがどうしてもわからないという人は、表裏一体となる強みとセットで記載した以下の一覧を参考にしてみてください。長所を短所と捉えることもできるので、強みを分析できている人はそこから弱みを見つけてみるのも一つの手です。
弱み―強み
・楽観的―リスクを恐れない
・当事者意識がない―全体を俯瞰して見れる
・独りよがり―決断力がある
・主体性がない―協調性がある
・慎重すぎる―計画立てる
・飽き性―好奇心が強い
・業務に時間がかかる―仕事が丁寧
・我が強い―リーダーシップがある
・考えすぎる―思考耐久性がある
・優柔不断―あらゆる可能性を考慮できる
・心配性―慎重で丁寧な仕事ができる
・頑固―自己主張ができる
「弱み」を聞かれた時の回答例
ここでは3つの回答例をご紹介します。①具体的なエピソードが入っているか、②どのように克服しようとしたかというポイントをおさえて回答していきます。
例文①一つのことに没頭しすぎてしまう
私の弱みは一つのことに没頭しすぎて周りが見えなくなるところです。
私は大学時代カフェでアルバイトをしており、ホールスタッフとして働いていました。注文に応じて料理やドリンクを提供する基本業務の合間にお皿洗いがあったのですが、集中しすぎて注文のコールを聞き逃すことがありスタッフやお客様に迷惑をかけてしまうことがありました。
その時に先輩から「タイマーをかけると目の前のことだけじゃなく時間にも意識が分散されるよ」とアドバイスをいただいたことをきっかけに、周りが見えるようになりました。今では没頭しそうなときは時間を意識しています。
例文②楽観的過ぎる
私の弱みは楽観的過ぎるところです。
学生時代、ゼミの合宿長を務めており、夏季休暇中のゼミ合宿で宿泊する旅館を予約する役割にありました。ゼミのメンバーの意見を取りまとめ、合宿地を決めたのですが、予約は埋まらないだろうと高を括っていたところ第一志望の旅館が取れず第二志望の所となってしまいました。
この経験から、困難に立ち向かう時の「楽観」は良い方向に働くが、業務に関する「楽観」は違うと学びました。今では締切りや申し込みに対して三日前には終わらせることを徹底しており、一週間単位でスケジュール管理を行うようになりました。
例文③引っ込み思案
私の弱みは引っ込み思案なところです。
舞台が好きで学生時代は演劇サークルに所属していました。1年生の頃、本当のところは演者として表舞台に立つことを望んでいたのですが、他の人を優先して照明係を務めていました。そのせいで、公演で舞台の裏からステージを見るたび悔しい思いをしました。
この経験から、待っていては機会はやってこないことを学びました。1年間の悔しさをばねに、2年生からは小さな役に立候補するようになり、少しずつ積極的になれたと感じています。
「弱み」のよくない書き方・答え方
「弱みはありません」はNG
「弱みや短所を答えると不利になるかもしれない」「面接官の印象を悪くしたくない」という思いから、「弱みはありません」と答えたくなる人もいると思います。しかしこの答え方はNGです。
採用担当者は弱みを聞くことで、「自己分析能力」や「短所を改善する力」と見ているのです。短所があることは問題ではありません。それを客観的に分析できていること、改善しようと努力していることをアピールしましょう。
常識がないと思われるような答えは避ける
「時間にルーズ」「約束を守れない」など、社会人として当たり前のことができないと思わせるような弱みや短所はあげない方がいいです。
「コミュニケーションが苦手」「集中力がない」「短気である」など、どんな仕事にも直接影響するような弱みもできれば避けた方がいいですね。
仕事と関連がない弱みや短所もダメ
「太っている」「身長が低い」など身体的なことは仕事に関連がないので 、就活のESや面接での答えとしてはふさわしくありません。
仕事に関連があり、改善のために努力していることをアピールできるような短所を選ぶようにします。
「弱み」を効果的なアピールをするには
「企業の求める人材」を理解すること
弱みや短所を答える際には、企業の求める人物像を理解しておく必要があります。どんなにいいアピール内容でも、企業の求める人物像とマッチしていなければ採用にはつながりません。
効果的なアピールをするためには、業界研究・企業研究が欠かせません。会社説明会やOB・OG訪問などを積極的に行って企業理解を深めるようにします。
企業を理解するにはインターンシップがおすすめ
企業の社風や求める人材を理解するには、インターンシップに参加してみるのがおすすめです。ホームページの情報や会社説明会で話を聞くだけでは、表面的なことしかわかりません。
インターンシップに参加すると、実際に企業の雰囲気を体感することができますし、どんな人がその企業で活躍しているかも見ることができます。
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最後に
自分のことはわかっているつもりでも、いざ「弱み」を問われると戸惑う人も多いでしょう。具体的な出来事を思い浮かべたり、強みから考えてみたりすることで見つかりやすくなります。紹介した企業の意図を念頭に、悲観的にならず自分の「弱み」に向き合いましょう!
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