就活では、「やっとの思いで内定をもらったのに、単位を落として留年してしまった」というケースがあります。
留年した場合内定は取り消されてしまうの?なんとか留年を回避する方法はある?企業にはどうやってお詫びすればいい?
ここでは、留年が決まった場合内定はどうなるのか、留年を回避する方法や留年を防ぐための対策などについて解説します。
- ・内定後に留年が決まるとどうなる?
- ├留年は企業に隠し切れない
- ├留年した場合、企業は内定を取り消すことができる
- └内定取り消しにはならないケースも
- ・留年してしまったら?
- ├まずは電話で報告
- ├謝罪は直接会って
- └入社の意志を示して相談
- ・留年を取り消すための努力
- ├追加レポートを提出
- ├再度採点制度を利用
- └所持している資格を確認
- ・内定後に留年にならないための予防策
- ├単位を取得しておく
- ├資格を取得しておく
- └授業を多めに入れておく
- ・最後に
内定後に留年が決まるとどうなる?
内定をもらった後に留年が決まると、どうなってしまうのでしょう?
留年は企業に隠し切れない
留年が決まると、「なんとかして留年の事実を内定先に隠し切れないだろうか……」という思いが頭をよぎります。ただし、これはほとんど不可能でしょう。というのも、入社前に卒業証明書の提出が求められるからです。これは卒業を証明するものですから、もちろん留年した人は発行できません。
ちなみに、卒業証明書を偽造すると刑法の私文書偽造罪にあたり、罰金や懲役などが科せられます。また、大学を卒業したと偽って入社すると、懲戒免職の対象にもなるので絶対にやめましょう。
留年した場合、企業は内定を取り消すことができる
企業の新卒採用では、学生が3月に大学を卒業するという前提での採用となるので、学生が留年してしまった場合、企業は内定を取り消すことが可能です。企業側の内定取り消しというのは大きな理由がないと不当となりますが、留年して卒業できないとなると学生側に大きな過失があるので、甘んじて受け入れるしかありません。
企業側の都合により内定が取り消された場合は、労働裁判を行い和解金をもらうこともあります。しかし、留年の場合は企業側の違法性が認められないので、そのようなお金をもらうこともほぼ不可能でしょう。
内定取り消しにはならないケースも
留年が決定しても、内定が取り消されないパターンもあります。学生側から採用担当者に正直に事情を説明すれば、9月の卒業まで待ってもらえることがあるのです。企業としてもかなりのコストをかけて学生を採用しているので、そのお金と労力を完全に無駄にしてしまうよりは、半年待った方がよいと考えることがあります。
その場合、9月まではアルバイトやインターンとして働くケースがあります。例えば、あと1授業だけ足りないのであれば、その授業の曜日以外の週4日出勤するなどです。
留年してしまったら?
留年が確定してしまったらすべきことを確認しておきましょう。
まずは電話で報告
留年が確定したら、なるべく早く企業に報告する必要があります。別の人材を探すにしても、卒業まで待つにしても、企業として対策が必要になるからです。
言いにくいことではありますが、留年がわかった時点でなるべく早く採用担当者に連絡をしましょう。連絡方法はメールではなく、電話にします。
謝罪は直接会って
留年が決まったことを電話で報告したら、「直接会って謝罪をしたい」ということを伝えましょう。企業へのお詫びは電話やメールで済ませるのではなく、会社を訪問して誠心誠意説明する方が誠意が伝わります。状況の詳細な説明や今後の対応についても、直接会って相話し合うのが賢明です。
入社の意志を示して相談
直接会ってお詫びをしたら、企業の判断を待ちます。おもむろに「卒業まで待って欲しい」「内定を取り消さないで欲しい」とお願いするのはあまり良い印象を与えません。
まず「御社で働きたいという気持ちに変わりはありません」と、入社の意志があることを伝えます。そして「再度御社を受験させていただくことは可能でしょうか?」と聞いてみるのがいいでしょう。
留年を取り消すための努力
単位さえ取れれば、留年を回避できます。ダメで元々の気持ちで、単位取得のために努力してみましょう。
追加レポートを提出
教授によっては、「追加レポートの提出」などの救済策を提示してくれることもあります。落としてしまった授業の教授にアポを取り、お願いしてみましょう。レポートの他、追試を行ってくれることもあります。その際は、今度こそ必ずクリアできるよう、入念な準備をしてください。
こうした救済をしてくれるかどうかは、ひとえに教授の考えによっています。厳しい教授であれば、そもそもレポートや追試のお願いをする機会すら与えられません。いくつかの授業を落としてしまった場合は、どの教授がこうした提案に応じてもらえそうか、同じ学部の友人にリサーチをかけるのも一手です。
再度採点制度を利用
大学によって、再度採点制度を設けていることがあります。これは、学生が「この採点はおかしい」と思ったときに、採点しなおしてもらうというもの。「テストがよくできたはずなのに、単位がもらえなかった」「全授業出席してレポートもきちんと書いたのに、不可だった」。そんな方は採点を見直してもらいましょう。
「どうせ再度採点しても結果は変わらない」、と思う方は多いでしょう。しかし人間が採点作業をしている以上、ミスは生まれます。お金がかかるものでもないので、ダメで元々という気持ちで利用してみてください。
所持している資格を確認
所属する学部によっては、自分が持っている資格を単位としてカウントしてもらえることがあります。
例えば外国語学部であれば、TOEICの点数や中国語検定、フランス語検定などの級に応じて、外国語系授業の単位として認められるんです。自分の学部・学科のHPを見たり、学生課などに行って確認してみてください。
内定後に留年にならないための予防策
そもそも、内定後に留年をしなければなんの苦労もいりませんよね。ここでは留年しないための予防策をご紹介します。
単位を取得しておく
卒業間際まで必要単位が大量に残っていることが、そもそも留年の大きな原因の一つ。1年次からなるべく多く授業を入れ、4年目にはほとんど授業を取らなくていいような計画を立てておきましょう。
資格を取得しておく
どの資格をとるとどれだけの単位として認められるかを確認し、夏休みなどを利用して資格を取得しておくのもおすすめ。
TOEICや簿記などの資格は、就活でも役立つ武器となります。留年の防止だけでなく、就活にも役立つので資格取得をしておくといいでしょう。
授業を多めに入れておく
「履修している授業のすべての単位をとらないと卒業できない」という状況は、非常に留年しやすいです。単位を一つも落とせないというのは、精神的にもプレッシャーになりよくありません。
あらかじめ多めに授業を入れておいて、いくつか単位を落としても卒業できるようにしておくと、心の余裕も生まれて留年の確率も下がります。
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最後に
せっかく勝ち取った内定を、取り消されるのはもったいありません。それに、企業側にも大きな迷惑をかけてしまいます。まずは留年しないように万全の準備を整え、もし留年が確定してしまってもすぐに諦めず色々なチャレンジをしてみてください。
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