面接で度々聞かれる「今までで一番嬉しかったこと」。「嬉しかったことがない」と「どう答えればいいかわからない」と答え方に迷ってしまう就活生も多いです。
就活生が何に喜びを感じるのか、そこから何を学んだかを知ることができるので、聞かれる機会は少なくありません。今回は嬉しかったことを聞かれた時の回答例とNG回答例、話の組み立て方など解説します。
- ・「今までで一番嬉しかったこと」を聞く意図
- ├人柄や価値観
- ├これまでにどんな体験をしてきたか
- └面接に適したエピソードを選べるか
- ・「今までで一番嬉しかったこと」のエピソードの選び方
- ├主体的な経験であること
- └仕事につながりやすい経験であること
- ・「今までで一番嬉しかったこと」の回答はこうして組み立てる
- ├結論
- ├エピソード
- └学び
- ・「今までで一番嬉しかったこと」の回答例
- ├チームで達成した経験
- └苦手なことを克服した経験
- ・今までで一番嬉しかったこと」のNG回答
- ├「とくにないです」
- └偶然の出来事
- ・最後に
「今までで一番嬉しかったこと」を聞く意図
面接やES(エントリーシート)でよく聞かれる質問ですが、企業側がこの質問をするのは次の3つが知りたいからです。
・人柄や価値観
・これまでにどんな体験をしてきたか
・面接に適したエピソードを選べるか
人柄や価値観
企業が選考で重視しているのは、企業と学生の相性です。どんなことを嬉しいと感じるのかにはその人の価値観や人柄がよくあらわれるので、多くの企業がこの質問をします。
例えば接客のある企業ならば、人に感謝されたことに喜びを感じる学生に共感する可能性が高いです。ここまで直接的でなくても、この質問からその学生のモチベーションの要因や価値観を読み取ろうとしているのです。
エピソードを選ぶときは、企業文化や職業の適性などを考慮すると、より効果的なアピールができる回答になるでしょう。
これまでにどんな体験をしてきたか
学生がこれまでにどんな体験をしてきたかを知りたい、という意図もあります。特に力を注いだことや努力した経験を知ることで、その人のポテンシャルや仕事への適性を見極めやすくなるからです。
今までで一番嬉しかったことを自己PRにつなげるには、ただ楽しかった、嬉しかったで終わってしまっていては不十分です。その経験からどんなことを学んで次に活かしたのかを伝えるようにしましょう。
面接に適したエピソードを選べるか
普段の友達との会話であれば、嬉しかったことはどんなことを言っても良いですが面接となると別です。例えば、宝くじで当たったことや家族旅行に連れて行ってもらったことは就活でのこの質問の答えとして適しているとは言えません。
就活の面接やESでは、どんな回答も自己PRにつなげることが大切です。どんな質問でも就活の選考であることを意識して回答を考えてみましょう。
「今までで一番嬉しかったこと」のエピソードの選び方
ここではエピソードを選ぶときに意識すべきポイントを見ていきましょう。
主体的な経験であること
「今までで一番嬉しかったこと」の回答を自己PRにつなげるには、何かを学んだエピソードが必要です。人に流されてやったことや偶然起きた嬉しかったことから何かを学ぶことは難しいです。そのため自分が主体的に行ったエピソードを選ぶようにしましょう。
仕事につながりやすい経験であること
面接はあくまで一緒に働きたい人を見つける場です。話すエピソードがどうその仕事につながるのかイメージしてもらうことが重要になります。チーム経験やコツコツ努力した経験、困難を工夫して乗り越えた経験などは仕事の場面でも応用しやすい例となります。
「今までで一番嬉しかったこと」の回答はこうして組み立てる
今までで一番嬉しかったことを答えるときは、次のような構成で組み立てるとスムーズです。
結論
エピソード
学び
結論
まずはじめに「一番嬉しかったことは〇〇です」と結論を述べましょう。結論はできれば1文で、なるべく簡潔に分かりやすくまとめるのがポイントです。
エピソード
次に具体的なエピソードを話します。どんな体験をしたのか、どうして嬉しかったのか、どれだけ嬉しかったのか、気持ちが伝わるように詳細に話すことが大切です。
学び
最後にその体験からどんなことを学んだのかで締めくくります。学んだことを仕事でどういかせるかや、いかしたいかまで語れるとなおいいでしょう。
「今までで一番嬉しかったこと」の回答例
今までで一番嬉しかったこと回答のポイントは「主体的であること」「仕事につながること」でした。ここからは実際に回答例を見ていきましょう。
チームで達成した経験
チームで活動した経験は人間関係を学べることや仕事につながることから良い例となります。ここでも単にチームにいた経験ではなく主体的に動いたことを取り入れるようにしましょう。
<例文>
ゼミで出場した小論分コンテストで優秀賞を受賞したことです。
金融に関する提言を行うという名目で、ゼミ生5人のグループで出場しました。システム提案からアンケート実施、結果の分析、資料作りという流れで進めたのですが、メンバーと意見が合わなかったり、アンケートが予想より時間がかかってしまったりと苦労の連続でした。
締め切りの前日に完成して提出できたときは達成感を感じました。優秀賞という結果を聞いてときの喜びは今でも覚えています。この体験を通じてチームで1つのものを作り上げる難しさや、コミュニケーションの重要性を学ぶことができました。
苦手なことを克服した経験
苦手だったことを努力して克服した経験は仕事につながりやすい経験です。苦手なことにどう取り組んできたのができるだけ具体的に伝えましょう。
<例文>
それまで苦手だった英語を勉強してTOEFLの目標点を取得できたことです。
私は中学生の頃からずっと英語に苦手意識があって、大学に入学したときもTOEICは400点ほどしか取れていませんでした。しかし海外文化に興味があって在学中に留学に行きたいという目標があったため、2年生の夏期休暇に一念発起してTOEFLの勉強をはじめました。
はじめは全く読めずにほとんど勘で解くしかなかったのですが、毎日少なくとも1時間はやると決めて勉強したところ3年生の5月に目標点数を取得して留学に申し込むことができました。結果がわかった時はとても嬉しくて何度も確認してしまいました。この経験を通してコツコツやる難しさや、苦手なことに向き合う重要性を感じました。
今までで一番嬉しかったこと」のNG回答
「とくにないです」
「嬉しかったことなんてない!」「嬉しいかったことが就活と何の関係があるの?」という方もいるかもしれません。しかし「嬉しかったことは特にないです」などの回答はNGです。
「やる気がない」「志望度が低い」といった印象を与えてしまうので、仕事とは無関係と思えるような質問でも真剣に答えましょう。
偶然の出来事
偶然の出来事、努力していないこと、受動的であることなどは、適切な回答になりにくいです。宝くじで当たった経験や旅行に連れて行ってもらった経験がこれに当たります。宝くじは運によるものですし、家族旅行は人にやってもらったことだからです。
バイトが台風で休みになったや賭け事に勝ったことなど、世間的に見る目が厳しいことも避けておくべきでしょう。そこから何を学んだかが大事なので、自分から行動したエピソードを選びましょう。
最後に
「今までで一番嬉しかったことは?」という質問には、学生の価値観や人柄を知り、会社との相性や仕事への適性を見極めたいなどの意図があります。企業研究をしっかりと行って、その企業の文化や仕事についての理解を深め、自己PRにつながるようなエピソードを選択するようにしましょう。
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