就活に英語力は必要?TOEICで何点取れば有利になるか

グローバル化で英語力が重視される世の中になってきており、新卒の就活でも英語力を評価基準にする企業は増えています。
2013年の「上場企業における英語活用実態調査」によると、上場企業の約7割が採用時にTOEICスコアを「参考にしている」もしくは「参考にすることがある」と回答しています。

参考リンク…TOEICが就活にどう役立つのかを知ろう!|就活サポート特集|TOEIC Program|IIBC

「TOEIC」の点数をエントリー時に記入させる企業も増えていますが、果たしてどれほど重要なのか、必ず取らなければならないのかと気になるところでしょう。
就活生はTOEICを必ず取らなければならないのか?何点取れば有利になるのか?といった疑問にお答えします。

英語を使う会議
目次

TOEICとはどんなテストか

TOEICとは何なのか、一度おさらいします。
TOEICは、世界中で用いられている英語力テストです。リスニング100問、リーディング100問で計200問のマークシート選択式問題によって構成されており、990点満点、試験時間は2時間です。内容はビジネスシーンが中心となっており、日本では新卒や中途の採用時の参考情報として用いられたり、企業内での昇進の条件として用いられることがしばしばあります。

スコアの目安は、以下の通りです。

600点以上…ゆっくり話してもらえば日常会話ができるレベル
700点以上…簡単な仕事上のやり取りも可能なレベル
800点以上…高度な仕事上のやり取りも可能なレベル
900点以上…専門書を読んだり議論を行うことも可能なレベル

もちろんこれはあくまで目安で、実際はTOEICに特化した勉強をして700点以上を取ったからといって実際に仕事上のやり取りができるとは限りません。

テストは全国約80都市で年に10回実施され、申し込み締切は意外と早く試験日の1ヶ月半ほど前に設定されているので早めの申し込みが必要です。

TOEIC以外にも英検やTOEFLという有名な英語力テストがありますが、就活で最もよく用いられるのはTOEICであり企業の採用担当者もTOEICの点数を基準にすることが多いので、就活のために英語力テストを受験するならTOEICがおすすめです。

TOEICスコアは就活に必須なの?

TOEICスコアは就活に必須ではありませんが、持っている方が有利になるといえます。

企業によっても異なりますが、多くの日本企業では英語を本格的に用いる仕事をするのは一部の社員だけであり、「英語の得意な社員居た方が嬉しいが全員にそれを求めるわけではない」というくらいの考えの企業も多いでしょう。
また、内定が決まってから勉強してくれれば良いと考えている企業もありますし、入社後に英語が必要な場面がくれば嫌でも身に付く、という考え方の企業もあります。特に偏差値の高い大学の学生であるなら、基本的な学力は身に付いているはずなので、「後から勉強すればすぐに伸びるだろう」という期待もあります。
したがって、TOEICスコアは就活生全員にとって必須だというのは言い過ぎです。

しかし、多くの企業はできれば英語の得意な社員に入社して欲しいと考えているので、高いTOEICスコアがあれば大きなアピールポイントになるというのは確かです。ある程度勉強が必要なスコアを持っていれば、勤勉な姿勢やグローバルな仕事への意欲をアピールすることにもなります。

また、総合商社や外資系企業、業界トップクラスのメーカーなどでは、海外拠点への出張や転勤、外国企業とのコミュニケーションが必要な場面などごく普通にあるので、そういった企業の就活ではTOEICスコアでの足切りを行っていたり、ほとんど必須に近いような場合もあります。

【学歴別】TOEICで何点取れば就活で有利になる?

TOEICスコアを就活で履歴書やエントリーシートに書く場合、何点以上取れば新卒の就職活動で有利になるのでしょうか。
他の学生と差をつけられるかどうかは大学のレベルによって異なるので、ここでは参考として首都圏の大学レベルごとに説明します。

一般的な学生レベル

留学経験なし、英語を長所として売りにいくつもりがない一般的な学生であれば、600点取得していると高評価を頂けます。というのも、多くの企業で昇進要件にしている最低の水準が600点だからです。そのため、就活で少しでも有利になる何かが欲しいということであれば、とりあえず600点を目指しましょう。
留学経験がある方や外国語系の学科などで英語をアピールポイントの1つにしたい場合は、700点以上あると望ましいです。もし留学経験があるのにTOEICスコアを取得できていない場合は、英語以外で留学中に学んだことをアピールすることが必要となります。

マーチ(MARCH)レベル

こちらも600点以上あれば評価の対象になります。しかし、MARCHレベルの大学に入学できる学生なら600点くらい取れて当然、という考えからあまり高評価に繋がらない場合もあります。高評価を狙うなら700点以上を目指しましょう。留学経験者であれば700点は必須だと言えます。
※MARCH…明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の略称。

早慶レベル

600点以上から一応評価の対象にはなりますが、600点台では周りの学生と差をつけることはほとんどできないと考えて良いでしょう。700点以上の学生もたくさんいるので、800点を取ってようやく英語をアピールポイントの1つにできるというところです。
早慶レベルの学生に人気がある総合商社や外資系金融、外資系コンサルティング企業等を受ける場合は、最低730点は取っておくべきと言われています。TOEIC730未満でこういった企業に内定をもらう学生もいますが、何か別の大きな強みがある場合が多いです。

東大・一橋・東工大レベル

600点台であればむしろ書かない方が良いと思います。700点以上で評価され、800点でやっと英語が得意という評価になります。学校名で学力の高さを証明できているので、TOEIC対策をする時間がなく700点以上を取れる自信がなければTOEICを受けないという作戦も検討しましょう。
もしこれらの大学の学生でTOEICスコアが無かったりあまり高くない場合は、「(他に力を入れていたことがあったため)英語はこれまで勉強していなかったが、御社への入社が決まったら勉強するつもりだ」といった前向きな説明をすれば、信じてもらえるはずです。

以上が学歴レベル別の目指すべき点数です。

もちろん、大学のレベルにかかわらず、自分が何をアピールしたいかということや、英語力をどの程度重視している企業を受けるかによっても目標点数は変わってきます。
一般的には大手総合商社や外資系企業等は高い英語力を要求するので、700点以上が当たり前、また800点以上取っている学生がほとんど、という企業もあります。英語力をどの程度求めている企業なのか採用ページや説明会で確認し、それでも実態がわからなければOB・OG訪問などで質問してみてもよいでしょう。

説明会や採用ページでは「グローバル人材」を求めていることを全面に押し出していても、先輩に聞いてみたらTOEIC無しで内定をもらえている学生がたくさんいたりすることもあります。どの企業もできることならTOEICで高得点を持っている学生が欲しいはずですが、それでも他の評価基準と比べてそれほど優先していない場合もあります。それはやはり、先述の通り英語は内定後や入社後に鍛えることもできるので、性格や論理的思考力などその他の基準を重視しているのではないかと考えられます。外資系企業などでは、TOEICのスコア以上にインターンでの成績を重視していることもあるので、自分の行きたい企業が何を重視しているかを調べておきましょう。

就活でTOEICをアピールするにはいつまでに受けるべきか

TOEICの結果が出るのには1ヶ月程度かかるため、就活のエントリーが始まる時期(2019卒であれば3年生の3月)の1ヶ月前までに受けるのが望ましいといえます。
TOEICは試験日の約1ヶ月半前に申し込みが締め切られるので、TOEIC受験を検討しているなら早めにTOEICの公式サイトでスケジュールを確認することをおすすめします。
どれくらい勉強が必要かは人それぞれですが、目安としては、3ヶ月くらい集中して取り組めばスコアを100点くらい上げられることが多いです。
また、TOEICのテストそのものへの慣れで試験を受けるごとに点数が上がっていく傾向にありますので、時間に余裕がある方は就活までに2~3回は受験されることをお勧めします。

以上のことから、大学3年生の夏〜秋頃には対策を始めるべきです。もちろん余裕を持って始めるに越したことはありませんので、時間があればなるべくもっと早くから対策を始めましょう。

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おすすめのTOEIC勉強法

就活のためにTOEICスコアが欲しいのであれば、根本的に英語力を高めるというよりも、TOEIC対策用の問題集を解いてTOEICに特化した対策をするのが一番の近道です。TOEICに良く出る単語や構文というものもありますし、TOEICの問題形式に慣れることが得点アップに直接繋がるからです。TOEICの本番と同じ形式の問題集を、なるべく毎日30分~2時間くらいかけて解くようにしましょう。

リーディング、リスニングのどちらか一方が特に苦手という学生は、苦手な方を重点的に練習することで効率よく点数アップできます。受験勉強で英語が得意だった学生の場合はリーディングが高得点でリスニングの点数が低いケースが多く、このような学生はリスニングを毎日練習をするだけで点数が飛躍的に伸びます。

TOEICの問題の中で自分は何が苦手なのか、また何点アップすれば良いのかを知るために、対策せずに1度受けてみることや、模擬テスト問題を解いて採点してみることもおすすめです。

TOEIC以外で就活に役立つこと

サークルやアルバイト、ゼミの活動を頑張る

就活では、必ずと言っていいほど「学生時代に頑張ったこと」を聞かれます。学生の物事への取り組み方を見るためにこのような質問がされるのです。
ここで学生話すエピソードの王道は、「サークル」、「アルバイト」、「ゼミ」です。何か大きなことを成し遂げればアピールがしやすいのはもちろんですが、「何を成し遂げたか」よりも「どんな風に取り組んだか」をきちんと伝えることが重要です。なんとなくやっていたこれらの活動を、はっきりとした目標意識を持って取り組んでみることで、就活の自己PRに繋がる経験が積めるでしょう。

海外に行ってみる

現代では多くの企業が海外展開を重視しており、海外で活躍したいという意欲を持った学生を歓迎しています。「海外に行ったことがない」という学生は、それが原因で落とされることはなくても、少し頼りない印象を持たれてしまう可能性があります。時間があれば留学をしてみるのもおすすめですし、近場の海外旅行に行って視野を広げてみるのはいかがでしょうか。

インターンに行く

インターンといっても、長期でアルバイトのようにしっかり実務を経験できるようなものもあれば、説明会の延長のような1日だけのものもあります。時間があって仕事を実際に味わいたいなら長期のインターンに参加するのがおすすめですし、限られた時間で多くの企業の雰囲気を掴みたければ短期インターンに参加してみるのがおすすめです。

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最後に

TOEICは就活生全員に必須というわけではありませんが、就活を有利に進めるための道具になり、大学3年生からでも十分対策可能ということがおわかりいただけましたか。

また、TOEICは新卒での就活だけに役立つものではなく、転職活動や社内での昇進など自らの可能性を高めるツールとして使うことが出来ます。
もちろんそれだけでなく、英語が得意になれば海外旅行ももっと楽しくなりますし、世界中の情報に触れることができれば人生が豊かになります。とはいってもきっかけがないとなかなか勉強するのは難しいので、就活という絶好の機会にTOEIC高得点を目指して勉強してみてはいかがでしょうか。


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