就活の選考のひとつに、グループディスカッションがあります。グループディスカッションでは、司会や書記などさまざまな役割がありますよね。
グループディスカッションでは司会をやった方がリーダーシップがあるとみてもらえたり、面接官の印象にも残りやすいというイメージがあるかもしれません。しかし、司会としてその場のグループディスカッションをうまくまとめることができなければ逆効果になることも。
そこで今回は、グループディスカッションで司会をうまく務めるためのコツをご紹介します。司会の役割や議論の進め方をしっかりと理解して、選考突破を目指しましょう。
- ・グループディスカッションの司会の役割とは
- ├議論の舵取り
- ├時間管理
- ├全体のバランス調整
- └結論を導く
- ・司会はこうしてグループディスカッションを進める
- ├進め方①ディスカッションの方向性を示す
- ├進め方②相手の意見を引き出す
- ├進め方②軌道修正しながら議論を導く
- └進め方③結論を出す
- ・グループディスカッションで司会をするときに気をつけるべきポイント
- ├多数決はNG
- ├全員が納得するまとめかたを
- ├全員に話を振る
- └時間管理も忘れずに
- ・最後に
グループディスカッションの司会の役割とは
グループディスカッションの司会の役割は主に3つあります。
議論の舵取り
グループディスカッションでの司会の役割は、議論の舵取りをすることです。司会は常に、流れをつくって議論をスムーズに進めることを意識しなければなりません。話題がテーマから外れたり脱線したら、すぐに軌道修正する必要もあります。
時間管理
グループディスカッションは限られた時間の中で結論を出さなければならないので、時間管理をすることが重要です。最初にブレインストーミングに5分、議論に10分、まとめに5分のように時間配分を決めて、時間通りに進行できているか適宜確認する必要があります。時間配分通りに議論が進まない場合に柔軟な対応ができるかが司会の腕の見せ所です。
全体のバランス調整
司会は、全体の取りまとめをする役割も担います。グループディスカッションではグループ全員でどのように課題に取り組んでいるかも評価ポイントの一つです。発言をする人が偏っていないか、全員がバランスよく発言をしているかなども注意するようにしましょう。また、発言していない人が議論についていけているのか気を配るのも司会の役割の一つです。
結論を導く
議論をまとめて、最終的な結論を出すのも司会の役目です。自分の意見を主張するだけではなく、議論で出たさまざまな意見を客観的に見てまとめられる視点が重要となります。
司会はこうしてグループディスカッションを進める
ここではグループディスカッションの進め方について解説します。
進め方①ディスカッションの方向性を示す
まずグループディスカッションで最初にやるべきなのは、ディスカッションの方向性を明確にすることです。
グループディスカッションによっては突飛なお題や、何から議論すればいいのかわからないテーマもあります。全員が何を目指して話し合えばいいのか分からない状況でグループディスカッションを始めてしまうと、意見をぶつけるだけで終わってしまうことも。
まずは司会者が、ディスカッションの方向性を示しましょう。たとえば「今回のテーマは○○なので、まず●●について意見を出し合い、最終的に▲▲が■■なのかどうかについて検証してみるのはどうでしょうか?」といった具合です。
進め方②相手の意見を引き出す
方向性を示したら次はメンバーに意見を促すことが司会の役割になります。ここで司会の役割として重要なのはグループメンバーに情報を共有しつつ、全員のスタンスを確認することです。
「○○さんの立場は××で理由は▽▽ということでしょうか」など相手の意見をかみ砕くことで、他のメンバーの理解を促すことができます。また、情報が不十分だと感じたら、発言者に意見を掘り下げる質問をする意識も重要です。ここで注意しておきたいのは、相手に圧迫感を与えるような口調や態度にならないことです。初対面の学生同士で緊張する人もいるので、柔らかい態度と口調で発言しやすい雰囲気にするよう心がけましょう。
進め方②軌道修正しながら議論を導く
グループディスカッションでは、さまざまなバックグラウンドをもった初対面の学生同士が議論をします。当然、意見が食い違うこともありますし、脱線したり話が少しずつズレていくこともあります。
その時に話を正しい方向へ軌道修正するのも司会者の役割です。 軌道修正する際には「ちょっと脱線したんで戻ります」と言ってしまうと、自分では脱線していないと思っていた相手を攻撃することになってしまいかねません。
そこで、「その意見もすごくいいと思うのですが、ちょっと視点を変えて、○○についてはどうだったんでしょうかね?」といった風に柔らかく、相手を否定しない口調で軌道修正することを心がけると良いでしょう。そのような気遣いの部分も選考に立ち会っている人事担当者はしっかりとみています。
進め方③結論を出す
ある程度グループディスカッションが進んできたところで、出てきたさまざまな意見をまとめていくフェーズに入ります。
このまとめる作業がとても大変なのですが、司会者だからといってすべて自分ひとりで決めなければいけないわけではありません。グループディスカッションでは、「全員で話し合い決めた」という最終結論を出すことが求められているからです。
決して一人で強引にまとめようとしないようにします。全員に意見を聞きながら意見をうまくまとめ、議論をもとにした結論を出すことを目指しましょう。
グループディスカッションで司会をするときに気をつけるべきポイント
多数決はNG
グループディスカッションで結論がなかなか出ないからといって、多数決で決めることは絶対に避けましょう。一番簡単であり、多数派の人が納得するため平和な決断方法にも思えるかもしれません。
しかし、ビジネスの場では最も安易な結論の出し方であるとみなされます。「多数派=会社として正しい決断」であるとは限らないということを心得ておきましょう。
全員が納得するまとめかたを
カンタンではありませんが、全員が納得するまとめかたができるのが理想です。たとえば、「この部分に関しては○○さんの意見を取り入れ、この部分に関しては▲▲さんの意見を取り入れ」と少しずつ全員の意見を反映させることも手段のひとつではあります。
しかし、そんなにうまくいくことはほとんどないでしょう。そこで、話し合いの過程で、A派とB派がいたとすれば、A派の人もB派の意見に納得できるような話し合いができれば理想ではあります。そのためには、A派もB派もそれぞれ互いを説得できるプレゼンや理由を話す必要があり、その理由や意見を引き出すのも司会者の重要なミッションであるといえます。
全員に話を振る
グループディスカッションではチームでどう議論しているかも評価ポイントの一つです。企業によってはグループで課題に取り組めているかが重要な評価項目になっている場合もあるので、一部の人たちで議論してうまくアイデアをまとめられても良い評価をもらえるわけではありません。全員が議論に参加しているように、うまく話を振る人を管理しましょう。意見を求めるだけでなく、議論の内容の確認など全員が話についていけるように確認することも重要です。
時間管理も忘れずに
ついついグループディスカッションに没頭してしまうこともありますが、時間管理も大切な評価内容です。司会者とは別にタイムキーパーがいる場合であっても、司会として時間を意識しながら議論を進めます。
「議論に10分、まとめに5分」というように、あらかじめ時間配分を考えておくと良いでしょう。
最後に
グループディスカッションの司会はとても荷が重く、大変なイメージがあると思います。しかし、就職活動のグループディスカッションの選考は、結論よりその過程を見ることが目的です。
今回お伝えしたようなことができていれば、あなたの評価はきっと良いものになるはずです。結論を出すことができなかったとしても、発表の際に反省点を盛り込むことができれば十分挽回できます。過程をしっかりと見てもらうことを意識してグループディスカッション通過を目指しましょう!
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