就活やインターンの選考でよく行われるグループディスカッション(GD)。初対面の学生達と議論をしてその様子を評価されるという就活序盤の関門です。企業によってはグループディスカッションの時点で学生を2割程度まで絞り込むということもあり、グループディスカッションをうまく通過できるかどうかで就活の結果は大きく左右されることになります。
グループディスカッションには、ある程度パターンがあり、その出題形式ごとに解き方があります。自由な発想も大事ですが、GDの質や評価を上げるためにも、出題形式と解法を知っておく必要があります。今回はパターンごとに紹介します。
- ・グループディスカッションで企業は何を評価するのか
- ├協調性
- ├推進力、議論を前に進める力
- └論理的思考、論理的説明の能力
- ・GD出題パターン1:自由討論形式
- ・GD出題パターン2:優先順位(インバスケット)・選択形式
- ・GD出題パターン3:課題解決(ケーススタディ)形式
- ・GD出題パターン4:ディベート形式
- ・最後に
グループディスカッションで企業は何を評価するのか
グループディスカッションを通じて、企業の採用担当者はどんな基準で、何を評価するのでしょうか。リーダーやタイムキーパー、書記などの役職に付くかどうかはあまり関係なく、議論に貢献できているかどうかを通じて次のような項目をチェックしていると考えられます。
協調性
組織で働く以上、どんな職業でも求められる資質です。通過するために気を張ってしまいがちですが、他人の意見を聞かずに自分の意見ばかり主張することや、他人の意見をきつい言葉で否定するなどすると、協調性がないと見られてしまいます。
かといって発言が少ないと、消極的でマイナスイメージです。自分を客観視し、適切なバランスで発言できているかを意識しましょう。
客観的に見て一緒に働きたいと思えるような人であるよう心がけることが大事です。
推進力、議論を前に進める力
グループディスカッションで高く評価されるのは、良いアイディアを出すことよりも、議論の方向性を決めてグループを効率よくアウトプットに導くことです。アイディアを出す前に、どんな前提で議論するか、どういうアプローチで答えに向かうか、どんな形式で答えを出すかということを考えて議論を効率化できるとポイントアップです。
論理的思考、論理的説明の能力
納得感のある論理的な思考、論理的な説明ができていると好印象です。言っていることが論理的でなかったり筋が通っていないとマイナス評価です。
論理的思考力やわかりやすく説明する能力を就活前に伸ばすことができれば良いのですが、実際はすぐに伸ばすのは難しいでしょう。「とにかくたくさん発言しなきゃ」、という焦りでつい考えがまとまらずに喋ってしまう、ということをなくし、落ち着いて考えること、考えを整理してから話すことを意識するだけでもだいぶ印象は変わります。
GD出題パターン1:自由討論形式
これは、学生なら知っていると考えられる普遍的なテーマについて自由に話し合うパターンです。最もオーソドックスで特別な知識を必要としないため、白熱した議論をしやすいですが、抽象的な話で終わってしまい時間が余ってしまうことも少なくないです。
このパターンの場合、ふわふわしたディスカッションになるのを避けるために、ディスカッションの最初に「前提(定義)」と「目標(ゴール)」をチーム内で共有することが大切で、始まっていきなり具体案を出し合うという流れはなるべく避けましょう。
例:「理想の上司とは?」「社会人に必要なことは?」「世界平和のために何が必要?」
GD出題パターン2:優先順位(インバスケット)・選択形式
これは、複数の要素(モノ)に優先順位をつけるタイプのディスカッションです。1つだけ選択させることもあります。
どの様な指針、評価基準で優先順位をつけるか、最初にグループ内で決めることが成功の鍵です。擦り合わせずに始めてしまうと、水掛け論に陥り評価が下がることもあるので、注意してください。
例:「海外で新しい商品を売り出すときどの国から進出するべきか」
GD出題パターン3:課題解決(ケーススタディ)形式
たくさんの条件や数値データが提示され、売り上げアップ等の目標を達成するためにグループで最善策を考え出す、というタイプです。実際のビジネスに最も近い形なため、この形式は頻出です。
ただの対処療法的な解決策に留まらないよう、「原因」を考え、さらに「原因」の「原因」まで考えることが、このパターンでは求められます。
例:「日本の製品(スマホ,テレビ,自動車,新幹線・・・)の販売が海外で苦戦する理由を考え対策を考えよ」
GD出題パターン4:ディベート形式
採用試験で行われるディベートは、競技ディベートのようなルールが設けられることはほとんどありません。簡易型のディベートのようなイメージで、「立論→反論→最終弁論」等の手順が決められていないことも多いです。
どちらの陣営に立っても評価は同じです。「論理的な立論」をし「相手チームを論破」できたかどうかが評価されます。定義づけや前提の確認をきちんとし、論理的に説得していくことが大切です。
例:「小学校の英語教育は必要かどうか」
最後に
上記のパターンに加え、最後に全員の前で発表する「意見発言形式」や、自由討論形式でありながらも、業界特有のトピックを出題し、前提知識があるかを見られるパターンなどがあります。
いずれの形式においても、「前提を決めること」と「論理的に話すこと」が必ず求められます。GD練習を重ね、どの形式で出題されても冷静に解けるようにしましょう。
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