発信力とは自分の意見をわかりやすく伝える力のことです。経済産業省も社会人に求められる要素の一つにあげており、就活でも高く評価されるポイントとなっています。しかし、発信力に自信はあるものの、就活でどうアピールすればいいかわからない就活生も多いでしょう。
ここでは社会に出ると発信力が評価される理由について解説し、就活のESや面接で発信力を効果的にアピールするコツやアピールに使えるエピソード例など紹介します。
- ・社会人基礎力の一つ「発信力」
- ├社会人基礎力とは
- ├発信力とは
- └社会人に発信力が求められる理由
- ・発信力を効果的にアピールするコツ
- ├発信力=SNSのフォロワー数ではないと知る
- ├伝えるための「工夫」がポイント
- ├より良い伝え方はないか
- └専門用語はNG
- ・発信力を身に付けるためには
- ├発信する場をつくる
- ├準備よりも継続
- └相手が知りたい情報を意識する
- ・就活で「発信力」をアピールする際に使えるエピソード例
- ├伝えて受け入れられた経験
- └相手の求める情報を理解して伝えた経験
- ・最後に
社会人基礎力の一つ「発信力」
社会人基礎力とは
社会人基礎力とは、2006年に経済産業省が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱したものです。
社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されており、発信力は「チームで働く力」に位置づけられています。
「チームで働く力」とは多様な人々とともに目標に向けて協力する力と定義されています。個人の仕事に囚われず様々な人々とつながりを持って協力していこうという姿勢が求められており、社会でよく言われる「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」もチームで働く力の一部です。
発信力とは
発信力とは、自分の意見をわかりやすく相手に伝える力のことです。経済産業省の資料では、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力とともに、さまざまな立場・価値観の人と協力して働くために必要な力であるとしています。
社会人に発信力が求められる理由
社会人になると、多くの人と協力しながら仕事をすることになります。スムーズなコミュニケーションをしたり、相手に情報を伝達するには、「自分の意見をわかりやすく伝えること」や「情報を誤りなく正確に伝えること」が重要になります。
発信力にかけると、スムーズなコミュニケーションが難しくなったり、チームで協力しながら成果を上げることの妨げとなってしまう恐れがあります。
周囲の人と力を合わせて仕事をするために、発信力は欠かせない要素の一つです。どんな業界・職場でも重宝される力なので、発信力に自信がある人は就活で積極的にアピールしていきましょう。
発信力を効果的にアピールするコツ
発信力=SNSのフォロワー数ではないと知る
発信力と聞くとなんとなくSNSを連想する人も多いと思いますが、必ずしも「フォロワーが多い=発信力が高い」とは言えません。なぜなら発信力は目立つことや人気があることではないからです。
多くのフォロワーがいれば自分の発信したものを見てくれる人は増えますが、それが相手に伝わっているかはまた別の問題です。どれだけたくさん発信しているか、どれだけ長い期間発信を続けているかなども、発信力のアピールにはつながらないことを覚えておいてください。
伝えるための「工夫」がポイント
フォロワー数が多い、発信の回数が多いなど、数字の多さだけでは効果的なアピールにはなりません。SNSのフォロワー数など数字を使って具体的にアピールするなら、「有益な情報の発信を意識したことでフォロワー数が増加した」というように、どんなことを意識し工夫したのかをメインに伝えましょう。
「情報がわかりやすい」「的確な発信だった」など、情報を受け取った人の反応を盛り込んで発信力をアピールするのも効果的です。
より良い伝え方はないか
ESや面接で発信力をアピールするなら、画像やグラフなどを使ってわかりやすいプレゼンテーションをするのも効果的です。文章以外の表現も認められている場合は、イラストや表などを積極的に使ってみてください。
口頭で伝えるにしても、表情が豊かな人や、ボディランゲージがうまい人は発信力がある印象を与えます。発信力があると思う友人や、テレビで活躍する有名人を観察して、わかりやすい伝え方のコツを学ぶのもいいでしょう。
専門用語はNG
就活では、専門用語を多用したり、難しい表現を使いすぎるのは避けたほうがいいでしょう。専門性を問われる場面で面接官も同程度の知識があるならいいですが、そうでない場合は発信力がないとみなされる可能性があります。
発信力のアピールで大切なのは、「難しい言葉を知っていること」や「人が知らないことを知っていること」よりも、「わかりやすく伝えること」です。
発信力を身に付けるためには
発信力を強みにするためには何をすればよいのでしょうか。発信と聞くと難しいイメージがありますが、実際は身近な方法で身に付けることができるスキルです。具体的に3つの方法を紹介していきます。
発信する場をつくる
発信力は相手に伝わることが大切なのでなかなか1人では身に付けることはできません。そのため発信力を身に付けるためには発信を実践できる場を持つことが一番です。具体的には人との会話やSNSやブログを活用、YouTubeなどがあります。特にSNSは手軽でいいねの数など数字で反応を見ることができるため発信力を高めるのにわかりやすい方法です。
準備よりも継続
最近は発信力について書かれた書籍もたくさんありますが準備をして知識をつけるよりも、実際にやってみて自分で体験する方が効率的です。実際にやってみて、語彙力が足りなければそのための訓練をすればよいですし、知識が足りなければ本を読んだり調べたりすれば身につきます。まずは実際にやってみて自分の得意な分野や苦手なことを知りましょう。
発信力を高める訓練は継続的にやる必要があります。はじめは上手くいかなくても続けることで、何が需要があるのか、どんなタイミング・言葉を使えば反応が良いのかわかるようになります。
相手が知りたい情報を意識する
何かを伝えようと思ったとき、真っ先に思いつくのは自分が好きなことや自信のあることです。しかし自分の伝えたいことと相手が知りたいことは必ずしも一致しません。相手が今どんな状況でどんな情報を欲しているのかを意識すると伝わりやすくなります。はじめは自分の得意分野でも良いですが慣れてきたら相手の特性に注目していきましょう。
就活で「発信力」をアピールする際に使えるエピソード例
就活で「発信力」をアピールするためには根拠となるエピソードが必要不可欠です。発信力を発揮した自分の経験を探していきましょう。アピールする際に使えるエピソード例を紹介します。
伝えて受け入れられた経験
次のように自分の意見を伝えて相手に受け入れられた経験は発信力の代表例とです。
・アルバイトでマニュアルが複雑でわかりにくかったため社員に伝えて勉強会を開いてもらえることになった
・インターンのグループワークで自分の意見を具体例を用いて伝えたことで共感してもらえて受け入れられた
自ら発信して結果的にどんな成果をあげられたかも伝えられると、さらに良い自己PRになります。
相手の求める情報を理解して伝えた経験
次のように相手の求める情報を意識して伝えた経験も発信力の例となります。
・ブログでコラムを書いてはじめは全然見てもらえなかったがターゲットを学生に絞って読みやすいように文章の量を減らすと見る人が増えた
・塾講師のバイトで生徒のレベルや得意科目・苦手科目によって指導内容を変えていた
そのとき相手の求めていた情報がどんなことで、伝える際にどのように工夫したかを具体的に入れるとわかりやすくなります。
最後に
発信力は社会人基礎力のなかの1つで、意見をわかりやすく伝える力のことでした。チームで円滑に仕事を進めるために重要な力となっています。社会人基礎力のなかでも比較的短時間で身に着けることができるためぜひ取り組んでみてください。
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