SPIって足切りはあるの?合格ラインは何点取ればいい?

SPIとは、Synthetic(総合的な) Personality(個性・性格) Inventory(評価)の略称で、人材大手のリクルートが採用企業向けに提供しているサービスです。

企業側が、就活生の能力や適性などを見るためのもので、大手企業を始めとした多くの企業が採用しています。

このSPIは、選考にどの程度影響しているのでしょうか?合格ラインや足切りのためのボーダーがあるなどといわれていますが、実際はどうなのか解説していきます。

SPIって足切りはあるの?合格ラインは何点取ればいい?
目次

SPIの結果で足切りされるのか?

SPIとは

SPIは、能力検査(言語・非言語)と、性格検査の大きく2つに分かれています。能力検査では、中学~高校レベルの国語と数学のような問題が出され、言語能力があるか、数学的な物の見方や考え方ができるかなど、基礎的な学力が身についているかどうかを見られます。

SPIの合格基準

合格基準となる明確なボーダーラインはどこの企業でも発表してはいないものの、多くの企業で、このくらい出来ていないと次の選考に進めない、という合否を分けるボーダーや点数が設けられているのが実情です。

性格検査では、「行動」「意欲」「情緒」「ライフスケール」の4つを探る設問が用意されており、学生が企業の社風にあった人物であるかどうか、適性を判断されます。

適性検査でも、求める人物像と真逆の結果が得られた場合、回答に一貫性がなく矛盾が感じられる、つまり嘘をついて回答したような結果が出てしまった場合には、残念ながら不合格という判断をされることがあります。

応募者の多い大企業ほど足切りがある

SPIの結果で足切りされることは、実際にあります。SPIの結果が合否に直結する可能性が高いのは、大企業だと言われています。

多数の応募者がいるため、優秀な学生や自社に合ったを残し、絞り込んでいくために、選考の早い段階で行われるSPIの結果などから、面接に進む前に多くの学生を足切りします。

履歴書とSPIで総合的に判断する企業も多い

SPIの結果は、それ単独でというよりは、履歴書と併せて評価の対象になることが多いです。

SPIの結果が多少低くても、履歴書の内容がしっかりしている、逆に、履歴書はいまひとつでも、SPIの結果がかなり高い、性格検査から企業の求める人物像に非常にマッチしているなどの場合は、総合評価で合格とみなされ、次の選考に進めることがあります。

SPIの合格ラインは何点?

SPIの結果が選考に影響していることは分かりましたが、一体何点くらいとれば、合格のボーダーを超えられるのでしょうか。

SPIは点数ではなく偏差値で表される

SPIの結果は、実は点数ではなく20~80の偏差値で表されます。そのため、明確に何点以上でないと合格できないという言い方はできません。

企業によって異なりますが、例えば偏差値60以上というラインが設けられており、そこから大きく下回るような場合は足切りの対象になり得ます。

上述した通り、履歴書などとの総合評価である場合が多いので、偏差値58だからといって即足切りになるわけではなく、履歴書の内容を併せて確認した上で合否を判断されます。

また、性格検査の結果も加味されますので、偏差値は、あくまでも目安と考えたほうがよいでしょう。

7割は取れるように対策したい

明確な基準はないものの、一般的には能力検査で7割以上とれば、大多数の企業で足切りに合わないであろうと言われています。

これもあくまで指標なので、人気企業や高い能力の人材を求めている企業では、それ以上の正答率を求められる場合もあります。

ボーダーを設けず、履歴書や面接重視の企業も

企業によっては、SPIの能力検査の偏差値を、選考の材料にしないところもあります。それらの企業では、履歴書の内容や、実際に面接で対面した印象を重視します。

履歴書や面接で僅差の学生がいた場合、SPIの偏差値にかなり差があれば、高い方の学生が駒を進められることは十分考えられます。

重視しない企業があっても、まったく考慮されないということではなさそうです。

SPIでよい結果を出すには

SPIでよい結果を出すためには、やはり事前にしっかり勉強しておくことが必要です。過去問などを含んだ対策用の参考書が数多く販売されていますので、早いうちから勉強して試験に備えましょう。

とにかく慣れる

SPIには問題数が多いという特徴があるので、まずは制限時間内にすべて終えられるように過去問などにあたりペースを掴んでおきましょう。

例年、違う問題が出題されますし、企業によっても問題は異なりますが、問題の骨組みや傾向は同じなので、対策用の問題集を一冊購入し、それを制限時間内に最低でも7割以上、人気企業を受けるのであれば8~9割を目指し正答できるように繰り返し当たってみるのがおすすめです。

苦手分野を重点的に勉強する

得点を稼ぎ、偏差値を上げるためには、足を引っ張る苦手分野を克服しておくことが欠かせません。

過去問をいくつか当たってみると、自分が間違えやすい、もしくは分からない分野が明確になると思うので、そこを重点的に勉強し、足切りに合わないように対策しておきましょう。

性格検査には正直に答える

性格検査では、自分の本来の考え方や行動を偽り、企業の適性にあった人物に見せかけることを防ぐために、ひとつの特徴を探るために様々な角度からの質問を用意しています。

自分ではうまく偽って回答しているつもりでも、回答に一貫性がないと判断されれば、正直に答えていないことがばれてしまいます。一貫性のない回答をしている就活生はどの企業からも敬遠される傾向にあります。

仮に、性格検査の結果をうまくごまかせたとしても、適性に合わない仕事に就くと後々自分が苦労するになるので、ここは正直に答えるのが無難です。

偽った性格に合った仕事を選ぶよりも、素の自分に合った仕事を選べるように、就活において自己分析をすることはやはり欠かせないのです。

SPIで足切りされないためにできることは?

「どうしてもSPIが苦手」「なんとかしてSPIで足切りされるのを避けたい」という方は、次のような方法を試してみるのもいいかもしれません。

SPIをたくさん受けて自信のある結果を使い回す

SPIのテストセンターは、一度試験を受けるとその結果を他の企業に使い回すことができます。学生が結果を使い回していることは、企業側にはわからないようになっているので心配ありません。

しかし試験を新たに受けると、それよりも前に受験した結果を使うことはできなくなります。かなりいい結果が期待できると思うまで何度か受験して、手応えがあった結果を使い回すのがいいでしょう。

しかし筆記試験の使い回しができるのは同じ試験の場合のみです、どの企業がどの試験を実施するのか事前にしっかりと調べておきましょう。

SPIを実施しない企業を受ける

就活の選考では、SPIを必ず受けなければならないと思っていませんか?しかし就活では筆記試験を受けないと就職できないわけではありません。

多くの企業がSPIや玉手箱などの筆記試験を実施していますが、中には筆記試験を実施していない企業もあります。「SPIが苦手」「SPIを受けないで就職したい」という方は、就活の選考に筆記試験がない企業を受けるのがいいでしょう。

就活の選考で筆記試験を実施していない企業はたくさんありますし、選考のフローは公開している企業がほとんどなのでチェックしてみるといいでしょう。選考フローが不明の場合は、企業に直接問い合わせれば教えてくれることがあります。

インターンシップに参加する

筆記試験が苦手な方や試験を受けたくないという方は、企業のインターンシップに参加してみるのがおすすめです。

本選考前のインターンシップに参加して素晴らしい働きができたり、採用担当者に優秀な人材であることを印象付けられると、本採用の選考をいくつか免除してもらえることがあります。

インターンで力を認められると、書類選考や筆記試験を免除されるケースが多いです。志望企業がインターンを実施しているならできるだけ参加して、自分の力を積極的にアピールするのがいいでしょう。

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最後に

SPIがどの程度選考に影響しているのか、はっきりしたことは開示されていませんし、企業によって重要度もまちまちです。ただ、できるに越したことはない、ということは確かですので、時間の許す限り、対策問題にあたるなどして準備しておきましょう。


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