【例あり】履歴書の卒業研究の欄の書き方のポイント

履歴書やESの卒業研究欄には何を書けばよいのでしょうか?どんな研究内容でも、何を学んできたのか、仕事でどう活かせるのかを意識して書く必要があります。気をつけるポイントとまだ卒業研究をはじめていない場合の対処法を解説します。

目次

履歴書に卒業研究について書く理由

何を学んできたのか知りたい

卒業研究は4年間学んできたことの集大成です。学生生活のなかでも大きな割合を占めるため、重視する企業も多くなっています。特に理系であれば研究内容と業務に関連があることが多いので研究の具体的な内容に興味を持たれます。

研究内容と業務に直接的な関わりが無い場合でも、「どう研究に取り組んだのか」「どこで苦労したのか、それをどう乗り越えたのか」を見るために記入を求める場合があります。

仕事でどう活かせるのか知りたい

学生時代学んできたことを仕事にどう活かすかは企業が重視するポイントです。卒業研究と業務内容に直接的な関わりがない場合は特に、研究の内容で終わらずどのような姿勢で取り組み、どれをどう業務に活かせるのかを具体的に書くようにしましょう。

卒業研究欄の書き方

次に履歴書の卒業研究欄の書き方について解説します。履歴書をきちんと書いて書類選考を通過することも大事ですが、その後の面接では基本的に履歴書を参考に行われます。卒業研究について質問されたらうまく答えられるように、質問されることを前提に書くようにしましょう。

テーマと概要程度でOK

履歴書の卒業研究の欄は他の項目に比べてスペースが小さいのが一般的です。詰め込み過ぎず、卒業研究のテーマと概要を2〜3行でまとめれば十分です。

ESなどで字数に余裕がある場合は「取り組んだ理由」「得た成果」「業務でどう活かすか」を付け加えるとよいでしょう。

専門用語を使わない

履歴書を読むのは企業の人事や面接官といった専門外の人です。専門用語で書いてしまうと伝わらないばかりか、プレゼン能力・コミュニケーション能力が低いと判断されてしまう可能性があります。わかりやすい言葉。表現を選んで記入するようにしましょう。その分野では当たり前のことでも専門外の人が聞くとよくわからないということもありえます。学部の違う友達や家族に読んでもらってちゃんと伝わるのか確認してもらうのも良いですね。

未定の場合テーマと想定を書く

サマーインターンや早期選考など、学部や研究室によってはまだ卒業研究に取りかかっていない時期に履歴書の記入を求められることもあります。その場合はこれから取り組もうと思っているテーマと研究計画(どのような結果が予想されるか)を記入しましょう。面接で質問を受けた場合も、まだ卒業研究に取りかかっていないことを正直に話して問題ありません。
ただし、何に興味があってどんな研究テーマに取り組もうと考えているのかといった具体的な研究計画は必要です。自分ひとりで考えると後で全く違う研究になってしまったり、面接では質問に上手く答えられないということになってしまうので、できれば研究室・ゼミの先生に相談しましょう。

卒業研究の記入例

記入のポイントがわかったところで、具体的な記入例を見ていきましょう。

【例1】研究内容と業務に関連がある場合

「量子コンピュータを光で代替する研究」です。本手法では、量子コンピュータで用いる「数字の大きさ」を「光の明るさ」に対応させ、並列計算を行います。課題 は、光の明るさの減衰などが原因で理想計算結果と誤差が生じる点です。それに対し、光の振幅を調整するフィルタ設計を試みました。ここでは、調整操作に関する仮説立て、データ検証と特徴分析、それを基にした調整フィルタ試作、という分析プロセスの繰り返しが必要です。

専門用語を使わず誰にでも伝わる表現となっています。課題や研究の過程がわかりやすくまとまっています。

「食品の消化」の研究を進めている。高齢者や生活習慣病患者の増加から消化性を制御した食品開発が求められており、食品の消化挙動に関する知見が必要である。口腔内消化や嚥下における知見は多いが、胃消化以降の知見は不十分である。生体を用いる消化試験は、実際の人のデータを得られるが、コストや倫理的問題等の制約が多い。そのため、代替として食品と人工消化液を容器内で混合する生体外消化試験が行われている。しかし、生体外消化試験は酸や消化酵素による化学的消化を模擬できるが、消化管運動による微細化・混合といった物理的消化を模擬できない。そこで、本研究は消化機能を模擬した装置を開発した。本装置により、化学的消化と物理的消化を考慮した新しい生体外消化試験を行う事が可能になった。また、装置は年代や個人により異なる消化機能を考慮する事も可能である。本研究では3大栄養素の1つである「タンパク質」に着目し、装置を用いた生体外消化試験を行う事で、固形食品の消化試験を行っている。本研究は食品の消化性を評価する事に加えて、物理化学・化学工学的視点から消化現象を考察しており、既往の研究にない新しい視点から食品の消化メカニズムを明らかにしている。本研究により、科学的根拠に基づき消化性を制御した新規食品開発に繋がる知見を得る事ができた。

こちらは食品企業の内定者のESです。自分の研究が業務内容にうまく一致していますね。研究結果から得た知見が最後にまとめられています。

【例2】研究内容と業務に関連がない場合

ゼミでは「若年層における釣り離れ」について研究しています。内容は 90 年代の第三次釣りブームをピークに年々減少傾向にある釣り業界の考察と、新規顧客拡大に向けたマーケティングです。 教科書を読んで議論を交わすだけでなく、実際に海などの釣り場に赴きフィールドワークをすることにより、直接肌で触れながら学んでいます。

研究内容だけでなく、実際に現地に行ってフィールドワークを行ったという経験から行動力や主体性がアピールできます。

留学中に、国際経営の視点から企業の経営を研究しています。これを学ぶまでは、世界的に有名で支持される企業はどれも、高い倫理観のもとで事業展開をしているのだろうと考えていました。しかし、実際には環境配慮や低賃金での人材の乱用など、世界的に有名な企業であっても倫理観に欠く事業展開をする企業が存在することを知りました。逆に、高い倫理観のもとでビジョンを掲げ、軸となる事業に縛られず社会貢献につながる企業を知ることもでき、そのような企業のトップを担う企業家がどのような姿勢で生きているのかについて知ることは非常に興味深く思います。

メーカー営業職のESです。研究内容と業務内容に直接的な関わりはないものの自分の企業選びの軸に結びつけることで説得力が増しています。

面接でも答えられるようにしておこう

履歴書の卒業研究の欄はテーマと概要程度で問題ありません。卒業研究は面接でもよく聞かれる質問なので、自分の研究の内容、何を学んだのかは必ず答えられるようにしておきましょう。


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