挫折体験は、就活のESや面接でよく聞かれる質問に挙げられますが、いざ聞かれると回答に困ってしまう人が多いようです。しかし、設問意図を理解し、対策さえしっかりしていれば、問題はありません。今回はそんな挫折体験の設問意図と回答パターンについて徹底解説します。
- ・挫折体験の設問意図
- ├ストレス耐性があるか
- └困難に直面しても逃げないかどうか
- ・挫折体験の回答パターン
- ├挫折体験をまとめるための構成
- └挫折経験の組み立て方の具体例
- ・挫折体験の回答例
- ├例文①【部活での挫折経験】
- ├例文②【受験での挫折経験】
- └例文③【アルバイトでの挫折経験】
- ・挫折経験が思い浮かばない人はどうすれば良いのか
- ├目標を高く設定した上で、一生懸命取り組んだことを話す。
- ├自分の短所や弱みに気づいた場面を話す
- └新しいことにチャレンジしてみる
- ・挫折経験を語るときのポイント
- ├どんなことを学んだかが重要
- ├仕事でどう活かせるのかを伝える
- ├「挫折経験はありません」はNG
- └ただの失敗は挫折とは違う
- ・挫折経験とからめてアピールできるポイント
- ・就活に特別な準備は必要ない
挫折体験の設問意図
採用担当者、面接官が学生に挫折経験を聞いて確認したいのは、次の2点です。
・ストレス耐性があるか
・困難に直面しても逃げないかどうか
ストレス耐性があるか
就活を終えて企業に入社すれば、社会人という立場になります。責任も重くなり、かつ学生時代で当たり前だったことが通用しないことも増えてきます。そのような環境の中では挫折体験は嫌というほど経験することになります。
こういった環境の変化や今まで経験したことのなかった挫折経験に向き合い、成長して会社に利益をもたらすことのできる人材が会社では求められます。企業としても、せっかく内定させた人材が早々と辞めてしまうと採用コストが回収できなくなってしまうため、社会での挫折経験も克服して乗り越えて成長できそうな学生を採用したいのです。
困難に直面しても逃げないかどうか
挫折経験は困難とも言い換えることができます。ビジネスの現場では営業成績が振るわなかったり、提案内容がなかなか通らなかったりと様々な困難が待ち受けています。それらの困難に対して逃げずに取り組めるかどうかが面接でも求められます。
企業の中でも高い目標を達成するためには何かしらの障害や問題を解決しなければならないので、困難と対峙できる学生を求めているのです。それゆえに、挫折経験を何かしらの方法や考え方を使って乗り越えた経験を持つ学生を好む傾向にあります。
挫折体験の回答パターン
挫折体験の設問意図を紹介したところで、続いて具体的な回答パターンの作成方法と回答例を紹介します。結論から書きつつ、あなたの考え方と挫折に対してどのようなアプローチで取り組んだかを書けば、採用担当者に響くでしょう。
挫折体験をまとめるための構成
重要なのはあなたの挫折へのアプローチがどんな過程で組み立てられ、あなたが何を考えて行動していたかを簡潔に示すことなのです。
挫折体験をまとめる時は、次のような構成がおすすめです。
①結論
②挫折経験の内容
③挫折の捉え方
④挫折への取り組み
⑤挫折を通じて得た学び
まず、質問に対して簡潔な結論で回答を出します。そして、5W1Hで具体的な情報を伝えて、どうやって挫折経験を捉え、何を考えて行動したのかを伝えます。最後に、結果と学びを伝えることで採用担当者に入社後も同じように困難をクリアできることを伝えきりましょう。
挫折経験の組み立て方の具体例
①【結論】私にとっての挫折経験は○○○○です。
②【挫折経験の内容】私は大学○年生の時に■■■という活動で△△の役割を担っていました。当時、~~~~~という問題があり、=====と考えて行動しましたが、改善できませんでした。
③【挫折の捉え方】この時は、○○○という問題を~~~と捉えました。なぜなら====と考えたからです。
④【挫折への取り組み】そこで、私は====を挫折の原因と捉え、再発しないように~~~を徹底しました。なぜなら、===となると考えたからです。その結果、~~~になりました。
⑤【挫折を通じて得た学び】私はこの経験を通じて○○○を学びました。この経験での学びは~~~でも活きると存じます。
挫折体験の回答例
この構成に沿って作成した、挫折経験の回答例を3つ紹介します。
ストーリーになっており、論点が明示されていることで、初対面の採用担当者にもすっと入ってきやすい内容となっているのが特徴です。何かしら特別な経験である必要はなく、ありのままの経験を述べればよいのです。
「私の経験では弱い」と思い込むのではなく、困難や大変だったときにどんなことがあり、どんな考えによって立ち向かったのかを書けばよいのです。
例文①【部活での挫折経験】
私の挫折経験は、大好きなサッカーで先輩に怪我をさせてしまったことです。私は小中高とサッカーを続けてきました。高校2年生の時、3年生の引退がかかった試合を控え、練習は加熱していました。
私は「3年生に混じって出場したい」と考えており、レギュラーの座を狙っていました。とある練習中、焦っていて視野が狭くなっていた私は3年生の先輩と激しく衝突し、引退試合を控えた3年生の足に怪我を負わせてしまいました。そしてその先輩は最後の試合に出場できなくなりました。
私は罪の意識からその試合に出場することが怖くなり、自ら辞退。サッカー部の練習も休みがちになってしまいました。その先輩は自分のことを許してくださいましたし、周りの同期たちも励ましてくれていましたが、私だけがサッカーに対して臆病になってしまっていました。
そこで自分の本音をノートに書き出したり、仲の良い部員たちと何度も話をすることで、「また人に迷惑をかけてしまうんじゃないか」という恐怖心が現状の原因だとわかりました。私は覚悟を決め部活に顔を出し、練習を休みがちになっていたことを謝罪し、以前のように練習に参加するようになりました。
怪我をさせてしまった罪悪感を言い訳に逃げるのではなく、迷惑をかけたからこそ、自分自身の活躍でチームに勝利をもたらさなければならないと考えたのです。その後は司令塔としてチームに貢献し、そしてもちろんみんなが力を貸してくれたおかげで、県大会3位という結果を残すことができました。
私はこの経験以降、悩んだ時にはとことん自分の気持ちと向き合い、問題の本質を見極め、その解決へと気持ちを切り替えることを心がけています。このスキルは、社会人になってからもさまざまな場面で活かせると思っております。
⇒挫折の捉え方、挫折への取り組み、挫折を通じて得た学びを一貫させることを意識しましょう。
例文②【受験での挫折経験】
私の挫折経験は自分の意見を通した受験に落ちてしまったことです。私の家は代々◯◯大学を出ており、「お前も◯◯大学に行きなさい」と言われてきました。子どもの頃から親の言う通りにしてきた私ですが、興味のある消費者行動の勉強をするには、××大学の方が適していると思っていました。
そこで親を説得し、××大学を第一志望にさせてもらいました。自分の将来については親に決めてもらうのではなく、自分で責任を持って決めたかったのです。ところが私は××大学に落ちてしまいました。◯◯大学には受かっていたので親は「◯◯大学に行けば良い」と言いましたが、再度頼み込み、一浪だけ許してもらえることになりました。
もう後がなくなった私は、自分の意識が甘かったことを痛感し、勉強の仕方や生活習慣、目標の立て方を見直しました。2度目の受験の時には「次はない」というプレッシャーを感じており、逃げ出したくなる日もありましたが、なんとか××大学に受かることができました。
私は××大学入学後消費者行動の研究に打ち込み、ゼミで書いた論文は学内最高峰の賞をいただくことができました。2回の受験を許してくれた親に対して、少しでも恩返しができたかなと思っています。
私はこの経験以来、自分が「やりたい」と言ったことについては最後まで粘り強く頑張り抜くことを大切にしています。そうして結果を出すことが、支えてくださった方への恩返しになると思うからです。貴社に入社してからもその精神を大切にし、日々の営業活動において、結果が出るまで粘り強く努力を重ねていきたいと考えております。
⇒挫折の経験を、入社後の仕事でどのように活かせそうか具体的なイメージが湧くように書きましょう。
例文③【アルバイトでの挫折経験】
私の挫折経験はアルバイトで誤ったリーダーシップを発揮し、メンバーを振り回してしまったことです。私は大学2年生の時に居酒屋のアルバイトでアルバイト5人のシフトリーダーの役割を担っていました。
当時、5人のシフトが中々分散できず、1人に負担が集中してしまうという問題があり、私としてはみんな平等に負担を分かち合うべきと考えてほかのメンバーを説得しましたが、皆の不平不満が爆発するばかりで改善できませんでした。
この時は、メンバー間の不平等という問題を改善しなければならないと捉えていました。なぜなら、その方がみんなの負担が減り、いざという時にアルバイト同士で助け合えると考えたからです。しかし、私の価値観はどうやら押し付けのようだったと感じました。
そこで、私は自らのシフトの平等化=負担の軽減という想い込みをそもそもの原因と捉え、再発しないように各メンバーとの対話を徹底しました。例えば、LINEグループを作って定期的な情報共有を図り、誰でも情報発信しやすい環境を作りました。その結果、メンバー間の信頼が深まり、シフトに入っていない人もシフトが多い人に対して配慮できる関係になりました。
相互のコミュニケーションの頻度が増えていくのが目に見えるほど明らかになりました。私はこの経験を通じて対話の大切さを学び、自らが正しいと感じた価値観の押し付けは不協和音を生んでしまうと学びました。この経験での学びは貴社での営業活動や社内コミュニケーションでも活きると思います。
⇒1回の取り組みだけでなく、2回3回と試行錯誤し、取り組んだエピソードは忍耐力のアピールにもなります。
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挫折経験が思い浮かばない人はどうすれば良いのか
ここまで記事を読んできて挫折経験が思い浮かばなかったり、今までずっと成功してきたから話すことがないと感じたりする人もいるかもしれません。その場合は次のような対処法があります。
目標を高く設定した上で、一生懸命取り組んだことを話す。
挫折は目標や理想の姿をどれだけ実現することができたかどうかで決まります。高い目標を立てていると、結果的には成功した事例でも途中で困難にぶつかったり、苦労したりする機会が多くなります。そのため挫折経験がないと感じる人は、今までの成功経験の中から目標を高く設定したときのことを思い出して、達成するまでにどんなことに取り組んだのか思い出してみましょう。
自分の短所や弱みに気づいた場面を話す
就活をしているなかで、自分の弱みや短所について考える機会があると思います。あなたは 弱みや短所にどのような場面で気がつきましたか。
自分の弱みが「人の言うことを聞かない」だとすれば、きっと人の言うことを聞かずに失敗した経験や周囲の人に指摘された経験があるはずです。弱みや短所に気がつくきっかけになるような状況を挫折経験として話すことができます。
新しいことにチャレンジしてみる
「どうしても挫折経験が思いつかない!」という人は、これから新しいことにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
アルバイトやインターンシップにチャレンジすれば、うまくいかないことやつまずく機会に遭遇することが少なからずあるはずです。
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挫折経験を語るときのポイント
どんなことを学んだかが重要
挫折経験を聞かれた時に、ただ失敗談を話して終わってしまう人がいます。挫折経験を語るとき重要なのは、経験したことよりも、「挫折経験からどんなことを学んだか」です。
どんな失敗をしたか説明して終わりにならないよう注意してください。失敗しても諦めない心や、立ち直る力があると示すことが大切です。
仕事でどう活かせるのかを伝える
就活では、挫折から立ち直った経験やその経験から学んだことを、仕事でいかせることをアピールする必要があります。
企業の社風や事業内容などを理解しておくと、企業のニーズにマッチしたアピールができるはずです。事前に企業研究をしっかりと行っておきましょう。
「挫折経験はありません」はNG
いくら挫折経験が思い浮かばないからと言って、「今まで挫折したことありません」と答えるのは避けましょう。挫折や失敗の経験がないということは、優秀さのアピールとはなりません。
「高い目標を掲げることがない」「チャレンジ精神がない」といった消極的な印象を持たれたり、「反省ができない人」と思われる可能性もあります。
自身の経験を振り返って反省できる資質は社会人に求められるものです。どんな小さなエピソードでもいいので何か話すようにしましょう。
ただの失敗は挫折とは違う
「寝坊してアルバイトに遅刻してしまったことです」「レポートの期限を間違えて単位を落としてしまったことです」などは、挫折経験とは言えません。こうした経験は、ただの不注意や失敗のレベルです。
就活のESや面接で話すエピソードは、自身の成長につながるような学びを得られた体験を選ぶようにしましょう。挫折経験を語るときに、周囲の人の批判で終わらないよう注意してください。原因や問題は自分以外にあるという内容だとただの愚痴になってしまい、自己反省ができない人と思われてしまいます。
挫折経験とからめてアピールできるポイント
・問題解決力
挫折を乗り越えた経験から、問題解決能力をアピールすることができます。問題解決能力とは、問題の原因を分析し、解決策を考えて実行に移すことができる力のことです。
問題解決力は仕事でも役立つため、就活では有効なアピールとなります。まずは問題点に気付けること、そしてどんな計画を立てどう実行したか、という流れで話すと「問題解決力」をアピールしやすいです。
・成長意欲がある
挫折をしてもそこで諦めず、何かに挑戦したり、改善しようとすることで、成長意欲があることをアピールできます。
自分の欠点を克服しようと努力したり、目標に向かって努力したことをストーリーで語れると、「成長意欲のある人」という印象を与えられるでしょう。
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就活に特別な準備は必要ない
挫折経験は自己PRや志望動機にも通じる点がありますが、特別な準備をする必要はないんです。かといって、いざ質問された際に答えることができないと、ネガティブ評価をつけられかねません。採用担当者は候補者の過去経験した挫折体験の取り組み方を、ビジネスの現場においても再現できることを望んでいます。
挫折をただの挫折のままにせず、どうやって改善し何を学んだか明白になっている方が企業のビジネス活動と親和性があるのです。重要なのは質問の意図を正確に理解し、準備できることはあらかじめ準備しておくことです。本コラムを参考に、あなたの魅力が伝わるような挫折経験の伝え方を学んでくれれば幸いです。
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