面接で「ほかに受けている企業はありますか」「どのような企業を受けていますか」と聞かれることがあります。企業の採用担当者がこうした質問をするのにはどのような意図があるのでしょうか。
この質問にはいくつかの意図があり、適切な答え方も存在します。この質問の意図や適切な回答例を紹介します。
- ・「他に受けている企業はありますか」という質問の意図
- ├自社への志望度をみる
- ├志望動機との一貫性があるのか知りたい
- └内定を出すか判断する
- ・「他に受けている企業はありますか」という質問への適切な答え方
- ├志望度をみられているとき
- ├企業や職種選びで一貫性があるかみられているとき
- └内定を出すか判断するとき
- ・「他に受けている企業はありますか」という質問に答える時に注意すべきポイント
- ├嘘をつくのはNG
- ├ほかに受けている企業があってもOK
- ├印象が悪くなるような発言は避けて
- └大切なのは熱意をアピールすること
- ・「他に受けている企業はありますか」という質問にうまく答えるには
- ├就活の軸を持つことで主張に一貫性が生まれる
- └「理想のイメージ」を持つことも大切
- ・最後に
「他に受けている企業はありますか」という質問の意図
面接の中で「自社の他に選考を受けている企業はありますか?」と聞かれることがあります。面接官がこの質問をするのは、単に学生の就活状況を知りたいからではありません。この質問にはいくつかの意図があるので、3つほど紹介していきます。
自社への志望度をみる
まず1つ目は自社の志望度をみるという目的があります。面接官は他に受けている企業や就活の状況について聞くことで、他に受けている企業はあるのか、自社と比べてどちらが志望度が高いのかなどを確認しています。
志望動機との一貫性があるのか知りたい
2つ目は学生の就活の軸をみる目的です。他にどのような業界や企業を受けているか聞くことで、一貫性を持って仕事を選んでいるのか確認しています。
また事前に提出しているESなどで書いた志望動機と照らし合わせて、仕事選びの基準と一貫性があるのかという点も見られています。
内定を出すか判断する
3つ目は内定を出すか判断するために学生の就活状況を聞くというものです。企業は他社の選考が進んでいる場合、他社より早く優秀な人材を確保したいので就活状況を確認したいという意図があります。
その学生が自社への志望度が高く、内定を出せば入社してくれると確信が持てれば内定を出しやすいと判断できるからです。
「他に受けている企業はありますか」という質問への適切な答え方
次にこの質問に対する適切な答え方やポイント、逆に避けるべきNG回答の例を紹介します。
回答するときは嘘をつく必要はありませんが、今受けている企業の志望度が高いことを伝えるようにしましょう。また社名など全てを正直に話す必要もないです。
前述した質問の意図に合わせて紹介していきます。
志望度をみられているとき
志望度を見られているときは、その企業が第一志望であると伝えることがポイントです。しかし「他に受けていない」という回答は嘘のように思えてあまりいい印象を与えません。「ほかに受けている企業はあっても御社が第一志望です」、という主旨で答えるのがいいでしょう。
【回答例】
「他にも受けていますが、御社が第一志望です」
「○○業界を中心に受けていて、御社は第一志望群です」
企業や職種選びで一貫性があるかみられているとき
仕事選びに一貫性があるのか見られている場合は、その企業と同じような業界や似たような職種など、共通点がある業界・企業を答えることがポイントです。
業界や業種がバラバラすぎたり、ただ有名企業ばかりを並べると、「就活の軸はないのかな」「有名企業を受けているだけなのかな」という印象を与えてしまう可能性があります。
【回答例】
「○○業界を中心に受けています」
「業界は異なりますが、営業の仕事ができることを基準に受けています」
内定を出すか判断するとき
内定を出すか判断したいときは学生の選考の進み具合や内定があるかを聞きたいと思っています。内定が出ていないときは言い回しを変えて伝えるなどするといいです。
他社で内定が出ているときは他に内定は出ているが「御社で働きたい」という意思とその理由を伝えると印象が良くなります。
【回答例】
「いくつか選考を受けていますが、まだ結果は出ていません」
「1社内定を得ていますが、御社へ入社したいと思っています」
「他に受けている企業はありますか」という質問に答える時に注意すべきポイント
嘘をつくのはNG
「御社しか受けていません」「御社が第一志望です!」と伝える方が熱意が伝わって受かりやすくなるのでは?と思うかもしれませんが、嘘をつくのはよくありません。
入社意思の確認で嘘をつくと後で企業に迷惑をかけることになります。内定が欲しいからと事実と異なることを告げるのはやめましょう。
ほかに受けている企業があってもOK
就活では複数の企業に応募するのは当然のことですし、複数の企業を受けていてもそれがマイナスの印象を与えることはありません。
他に受けている企業がないと聞くと、「嘘そついているのでは?」「就活にやる気がないのかな?」などと逆によくない印象を持たれる可能性も高いです。答え方を工夫して、あくまで正直に答えるようにしましょう。
印象が悪くなるような発言は避けて
面接での質問には正直に答えるべきですが、印象が悪くなるような発言は避けることです。他の企業への熱意を語ったり、明らかに志望度が低いとわかるような発言はしないよう注意してください。
企業選びの基準で「給料が高いから」「福利厚生がいいから」などの理由をあげるのもおすすめしません。
大切なのは熱意をアピールすること
どんなにたくさんの企業を受けていても、自社が第一志望でなくても、「ぜひ採用したい」「うちの会社に来てほしい」と思われれば採用となります。
嘘をついたり、好印象を狙って模範的な回答をするよりも、どんな質問にも正直に回答し、自分の熱意をアピールすることが大切です。
「他に受けている企業はありますか」という質問にうまく答えるには
「他に受けている企業はありますか」という質問にうまく答えるために普段の就活から心がけると良いポイントをいくつか紹介します。
就活の軸を持つことで主張に一貫性が生まれる
就活では業界や企業を選ぶときに基準とする「軸」が必要不可欠です。ESや1次面接など前に受けている面接で話した志望動機や話の内容と、面接で話すことの内容に一貫性があることを意識しましょう。
その場でアドリブで回答し続けると、内容に一貫性がなくなる恐れがあります。始めから自分の軸を持っていることで、面接で自分の思いを伝えやすくなります。
「理想のイメージ」を持つことも大切
同じ業界や職種を基準とするだけでなく、将来自分がどのような人材になりたいのかを考えてそのために必要な条件を企業選びの基準にすると軸を定めやすいです。
例えば将来は国内と海外どちらを中心に活躍したいのか、どのような能力を身に着けられる環境がいいのかなどです。理想のイメージを持って取り組むことでより円滑に就活を進めることができます。
最後に
面接官が他に受けている企業について聞いてくるときは、自社への志望度や就活の軸が知りたいなど様々な意図があります。回答するときは嘘をつく必要はありませんが、マイナスの要素を含まないように言い回しを変えるなど、適切な回答の仕方を覚えておくといいです。
回答の仕方を覚えておくだけでなく、軸をもって就活をすることはとても重要です。企業や業界について理解を深めるためにもインターンシップに参加してみてください。
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