就活において、避けては通れない道、面接。様々な質問を投げかけられる中で、「学生時代の成功体験」について聞かれることがあります。
「成功体験ってどういうこと?」「何を話せばいい?」「成功体験なんてない…」と悩んでしまう就活生も多いのではないでしょうか?
ここでは、企業が「成功体験」を聞く意図や、答え方のポイント、成功体験が思いつかない時の対処法についてお伝えしていきます。
- ・企業はなぜ成功体験を聞くのか
- ├大事なのは結果よりも過程
- ├物事に取り組む姿勢が知りたい
- └人柄を知りたい
- ・成功体験を効果的に伝える3つのポイント
- ├結論:何に取り組んだのか
- ├過程:どのように取り組んだのか
- ├学び:その経験で、何を得たのか
- └結論:企業でどう活用できるか
- ・答え方のポイント
- ├個人としての成功体験を話す
- ├困難だったことは積極的に盛り込む
- └追加質問への返答を想定しておく
- ・成功体験がない人はどうすればいい?
- ├小さなことでも構わない
- ├褒められたことを思い出してみる
- ├目標を達成したことは?
- └ウソや誇張はNG
- ・最後に
企業はなぜ成功体験を聞くのか
大事なのは結果よりも過程
はじめに、企業が成功体験を聞く理由について考えてみましょう。「成功体験」と言われると、「全国大会で優勝した」とか「100名の部活動の部長でみんなをまとめあげた」など、派手な経験が思い浮かぶでしょう。
「人に言えるような成功体験なんてない」「自分の話では良い印象を持たれないのでは」と思う就活生もいるかもしれません。しかし、企業は、成功体験そのものよりも、その「過程」を聞きたいと思っています。
物事に取り組む姿勢が知りたい
みなさんは、「PDCA」という言葉をご存じでしょうか。PLAN(計画する)→DO(実行する)→CHECK(評価する)→ACTION(改善する)のことで、仕事をする上でPDCAサイクルを回すことが、仕事を円滑に進めるひとつの方法だと言われています。
成功体験を聞くことによって、「PDCAを回せる人なのか」を含めた、みなさんの物事への取り組み方や姿勢がわかります。
人柄を知りたい
さらに、価値観や人間性などを判断しようとして、企業は「成功体験」を聞きます。チームで活動することが好きなのか、課題に直面した際にどのような強み、性格を活かして解決していったのか知ることで、企業が求めている人材とマッチするかを見極めていきます。
成功体験を効果的に伝える3つのポイント
「成功体験」を聞かれたとき、何を答えれば面接官に好印象を与えることができるのでしょうか?伝えるべきポイントについて説明していきます。
結論:何に取り組んだのか
まずは、自分の「成功体験」を思い返してみましょう。何が思い浮かびましたか?大学のサークルのこと、アルバイトのこと、学業のこと、なんでもかまいません。みなさんの成功体験に対して、簡潔にタイトルをつけるとしたら何でしょうか?それが、面接で伝えるべき「結論」になる部分です。
「アルバイトで新人教育を任されたことです」とか、「サークルの合宿係をおこなったことです」など、自分が取り組んだことを一言で言えるようにしましょう。
過程:どのように取り組んだのか
成功体験そのものを伝えるだけでは、面接官が求める答えにはなりません。次に、具体的なエピソードを伝える必要があります。いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように、という「5W1H」の情報を盛り込むと良いでしょう。
面接官が特に聞きたいのは、「なぜ」という動機の部分と、「何を」「どのように」という過程の部分です。面接官が、取り組みの様子を頭の中で想像できるように具体的に伝えましょう。
学び:その経験で、何を得たのか
結論・エピソードと合わせて、その成功体験からあなたが何を学んだのか、何を感じたのか、ということを面接官に伝えましょう。
ここから面接官は、あなたの考え方や物事の感じ方、捉え方などをくみ取り、自社に合っているか、どんな仕事に適性がありそうかなどを考えます。
結論:企業でどう活用できるか
最後に成功体験で学んだことや、得たものをどう活用していきたいかを面接官に伝えましょう。企業にどういったかたちで貢献できるのか、志望職種でどう活用していくのかを話して締めくくりましょう。
答え方のポイント
ここまでは、「成功体験」を答える際に、面接官に伝えるべきことについて説明してきました。続いては、答える際のポイントについて、お伝えしていきます。
個人としての成功体験を話す
成功体験を話すときに注意したいのが、「みんなで行ったこと」と「自分が行ったこと」をしっかりと区別して伝えることです。「みんなでがんばりました」という言葉をよく聞くのですが、それではあなた自身の話をしたことにはなりません。
サークルなど、団体で何かに取り組んだエピソードを伝えることは全く問題ありませんが、団体の中で「自分が何をしたことで、結果(結論)に繋がったのか」ということを伝えるようにしましょう。
困難だったことは積極的に盛り込む
よく、「大変だったことや苦労したことは話したくない、話さない方がいいのではないか」という人がいます。実は、面接官は、壁にぶつかった話や、失敗した話、苦労した話は聞きたがる傾向にあるんですよ。それは、困難なことにぶち当たったときにこそ、その人の人柄や物事への取り組み方がわかるからです。
例えば、フィギュアスケートの羽生選手について考えてみましょう。オリンピック直前にケガをしてしまい、出場も危ぶまれる中、一生懸命リハビリやイメージトレーニングなどを行い、最終的には痛み止めを使い、オリンピックに間に合わせ見事金メダルを取りました。ケガを乗り越えての金メダルだったからこそ、「なんてすごいんだ」とか「さすが羽生選手だ」と、より一層思ったのではないでしょうか。
ぜひ、自分なりに大変だったことを、どう工夫して乗り越えたのか、ということを盛り込んで話の流れを作ってみてください。ただの成功体験よりも、きっと面接官の印象も良いと思いますよ。
追加質問への返答を想定しておく
面接官は、みなさんの「成功体験」に対して、「どうしてその行動をとったの?」「もうちょっとここについて詳しく教えて」といった、追加質問をしてくることも多いです。
事前にすべてを想定することは難しいと思いますが、エピソードについて「なぜこうしたか」という動機や理由の部分は、答えられるようにしておくと良いでしょう。また追加質問への返答を想定することで、より綿密な回答を練ることができます。緊張した際にも、回答を練ることで何を話せばいいか把握できるようになるので、どこに突っ込みが来るか考えながら回答を考えることはおすすめです。
成功体験がない人はどうすればいい?
「成功体験がない。思いつかない」という人もいるでしょう。ここでは、そんなときの考え方を解説していきます。
小さなことでも構わない
冒頭でもお伝えしたとおり、面接官は華々しい経験を求めているわけではありません。「物事への取り組み方」を伝えられれば良いので、「他の人と比べて、地味なことしかないな…」などと思う必要はないのです。
自分の中で「がんばったな」と思えることや、「ちょっとはうまくいったな」ということを、自信を持って面接官に伝えてください。
褒められたことを思い出してみる
「すごいね」「上手だね」と人に褒められたのはどんなことでしょう?ゼミで資料作りを評価された、アルバイトで店長に褒められたなど、周りから評価されたことを思い出してみてください。成功体験として話せるようなエピソードが隠れているかもしれません。
目標を達成したことは?
「成功」と言われると大層なことに聞こえるので、「成功」を「目標」に置き換えてみましょう。目標を達成した経験なら、日常にかなりたくさんありますよね。 受験で第一志望の大学に合格した、ダイエットに成功した、資格を取得できた、できないことができるようになった。目標を達成したエピソードは、「どんな工夫をしたのか」「どんな苦労を克服したのか」を加えれば十分成功体験として話すことができます。
ウソや誇張はNG
自慢できるような成功体験がないからといって、ウソをつくのはやめましょう。バレないだろうと思って、話を誇張したり大げさにするのもよくありません。
ウソがばれたときに信用を失いますし、作り話はなんとなく聞いている人にも伝わってしまうものです。規模が小さくても、自分が真剣に努力したことについて話す方がよっぽどいいですよ。
最後に
今回は、面接での「成功体験」について、お伝えしてきました。人は他の人と比べて「自分はたいした経験してないな…」と思いがちです。しかし、経験の大きさや派手さで面接官は判断しているのではなく、「どのような人なのか」という観点で、みなさんの話を聞いています。
経験の派手さに自信がない人ほど、面接官が頭の中で様子を思い浮かべられるよう、しっかり自分の経験を思い出し、整理してみてくださいね。みなさんの面接がうまくいくことを祈っています!
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