研究室訪問とは希望する研究室を訪問して、自分の学びたいことや望んでいる生活が出来るかどうかを事前に確認することです。
大学院に進む際にぜひ行いたい研究室訪問ですが、理系の大学生なら研究室に配属される前に行っておくと安心です。
今回は、悔いのない研究室生活を送るために、研究室訪問で見ておきたいポイントや聞いておきたい質問を解説していきます。研究室訪問についてよくある疑問にも答えているので、訪問の前にぜひ確認しておいてください。
- ・研究室訪問とは?
- ├専門的な研究をするための「研究室」
- └自分に合った「研究室」を選ぶことが重要
- ・研究室訪問で見ておくべきポイント
- ├教授の人柄や相性
- ├研究室の学生の雰囲気
- └実験設備の充実度
- ・研究室訪問でぜひ聞いておきたい質問
- ├研究内容は?
- ├コアタイムは?
- ├休日の過ごし方は?
- ├卒業後の進路は?
- ├学会への参加や発表の場はある?
- └過去問の有無や院試の勉強方法は?
- ・研究室訪問に関する疑問を解消しよう
- ├研究室訪問をしたい時はどうすればいい?
- ├研究室訪問する時の服装は?
- ├研究室訪問の時は何を持っていけばいい?
- ├研究室訪問の前に準備しておくべきことは?
- └研究室訪問後は何かすべき?
- ・最後に
研究室訪問とは?
専門的な研究をするための「研究室」
大学に入学すると、学部や学科の単位でおおまかに専門分野が分かれます。そして学部・学科内で共通する基礎的な知識や実験の進め方、レポート・論文の書き方などを学んでいきます。
研究者としての基礎が固まると、それぞれの興味・関心に合わせて、より専門的に研究を進めていく「研究室」に配属されることになります。
自分に合った「研究室」を選ぶことが重要
研究室配属後は、大学・大学院生活の大半を研究室で過ごします。そのため、自分に合わない研究室を選んでしまうと辛い思いをすることになります。
そこで、ミスマッチを防ぐ方法として、実際に研究室を訪ね、自分のニーズと一致しているかを確認する「研究室訪問」が行われているのです。
研究室訪問で見ておくべきポイント
教授の人柄や相性
研究室は教授・准教授がボスとなって運営されています。卒論や修論の指導もボスにお願いしなければなりません。威圧的だったり、学生に関心がなかったりするボスのもとでは、適切な指導が受けられず卒業すら危ぶまれることもあります。
実際に会って、自分との相性を確かめてみましょう。また、研究室訪問ではお客様として扱われるため、ボスの普段のふるまいは分からないかもしれません。研究室に所属している学生からも話を聞いてみましょう。
研究室の学生の雰囲気
研究室の学生は未来の先輩。困ったことがある時に一番協力してもらいたい存在です。だからこそ、学生の雰囲気が自分に合っているかもぜひチェックしておきましょう。
実際に話してみて、「丁寧な対応を取ってくれるかどうか」「質問に対して率直に話をしてくれるかどうか」「学生同士の雰囲気はどうか」、など自分にとって「心地よい」と思えるかを感じてみてくださいね。
実験設備の充実度
研究室の設備も気にしておきたいところです。自分の中に研究したい分野が固まっているのに、実験する設備がなければどうすることもできません。
自分が研究したいことを話したうえで設備や環境が整っているのか質問したり、実際に見せてもらったりして確認しておきましょう。
研究室訪問でぜひ聞いておきたい質問
研究内容は?
研究室で何よりも大切なのは、自分がやってみたいと思う研究ができるかどうかです。ボスの専門分野について簡単にでも調べておくことはもちろんですが、研究室で行われている研究内容を直接聞いてみることも大切です。
また研究室に所属している学生に今どのような研究に取り組んでいるかを尋ねてみるのも良いでしょう。
コアタイムは?
研究室は授業のように決まった時間に通うわけではありません。自分の研究ペースに合わせて行くことになります。ただし「この時間は絶対に研究室に来ること」と義務付けられる「コアタイム」と呼ばれる時間を設けている研究室もあります。
コアタイムやゼミがしっかり用意されている研究室は「自分だけでは研究を進められるか不安」と感じる人をしっかりフォローしてくれる傾向があります。一方、コアタイムがない研究室は「自分のペースでやってみたい」という人に合っているかもしれません。
休日の過ごし方は?
研究室の学生に休日の過ごし方を聞くことで、その研究室の雰囲気や負担感をチェックすることができます。「そもそも休日なんてない」「疲れて寝ている」という場合には、かなりハードな生活を求められることが予想できます。
研究にどっぷり浸かりたいというのでなければ、オンオフを切り替えて生活できるバランスの良い研究室を見つけた方がよさそうです。
卒業後の進路は?
卒業後の進路もぜひ聞いておきたい質問の1つです。修士や博士への進学を希望する学生が多い場合には、研究者を養成する指導や環境が整った研究室であると考えて良いでしょう。
また、研究室から推薦を受けて就職できるケースもあります。そういった体制があるかを確認しておくと、進路に迷っている人でも、研究室で頑張る意欲を高めることができます。
学会への参加や発表の場はある?
学会発表は、インプットしてきた研究をアウトプットする大切な機会です。この機会をしっかり活用している研究室であれば、一定の結果を出すまでの指導体制が整っている研究室である可能性が高いと言えるでしょう。
過去問の有無や院試の勉強方法は?
院試の過去問や解答があるかどうかも聞いておくと、院試を有利に進めることができます。また、せっかく大学院に進んだ先輩に会える機会なので、勉強方法も聞いておくと良いでしょう。
これらは必ずしも研究室を決めるために必要な質問項目ではありませんが、こういった質問にも親切に答えてくれる研究室なら、安心して過ごすことができるはずです。
研究室訪問に関する疑問を解消しよう
研究室訪問をしたい時はどうすればいい?
気になる研究室が見つかったら、教授にメールで連絡をしてみましょう。連絡は大学のメールアドレスを使うようにします。メールの書き方は次の例文を参考にしてください。
【メール例文】
件名:研究室訪問のお願い
本文:
○○先生
はじめまして。
○○大学○○学部○年の○○と申します。
私は現在、○○の研究をしています。(←もしくは興味があるという書き方でもOK)
先生の研究室について知り、詳しくお話を伺いたいと思い連絡いたしました。
お忙しいところ恐縮ですが、研究室を見学させていただくことは可能でしょうか?
ご検討よろしくお願いします。
メールの最後には、氏名、大学名、メールアドレス、電話番号がわかる「署名」をつけるようにしましょう。
研究室訪問する時の服装は?
研究室訪問はそれほどかしこまったものではありません。就活とは違うのでスーツを着て行く必要はなく、私服で大丈夫です。
ただあまりにもラフな格好やだらしない格好は避けましょう。印象を悪くしないためにも、清潔感を意識するといいですね。
研究室訪問の時は何を持っていけばいい?
研究室訪問に特別必要な持ち物などはありませんが、メモ帳とペンを持っていくといいでしょう。気になることをメモしておくと、後で質問するのに役立ちます。中には訪問の際に手土産を持っていく人もいるようですが、必須ではありません。
研究室訪問の前に準備しておくべきことは?
研究室訪問の際には、自分が研究したいことをしっかりと語れるようにしておくことです。どんな研究がしたいのかはっきりしないようでは、せっかく訪問しても得られるものも少ないでしょう。
研究室のことをホームページや資料で調べておくなどの下調べも忘れずに。教授や先輩学生に貴重な時間を割いてもらうのですから、失礼のないように最低限の準備はしてから訪問するようにしましょう。
研究室訪問後は何かすべき?
研究室を訪問したら、その日のうちに(遅くても翌日中に)お礼のメールを送りましょう。教授も忙しいので、長文メールを書くのは避けたいところです。
訪問の機会をいただいたことに対するお礼と、訪問した感想を簡潔にまとめて書くといいでしょう。
最後に
研究室訪問は教授にメールを送ったり、普段なら話す機会のないような教授や先輩と話したりと緊張の連続です。面倒になって「どこでもいいか」と思ってしまう人もいるでしょう。
しかし、たった数日の頑張りで大学生活や大学院生活の数年間が過ごしやすくなるのなら、取り組む価値は大いにあります。ぜひ研究室訪問にチャレンジしてみてくださいね。
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