自分について深く理解するために行われる他己分析。自己分析ではわからなかった自分に気付くきっかけになることもあります。自分をよく知るためには欠かせない分析なので、就活生はぜひ行っておきましょう。この記事では、他己分析をするメリットから具体的な質問項目まで、幅広く解説します!
- ・他己分析(たこぶんせき)とは
- ・他己分析のメリット
- ├自分では気がつかない強みを知ることができる
- ├自分の短所を知ることができる
- ├自己評価と他己評価のズレを知ることができる
- ├自己分析の説得力が増す
- └自信を持って面接に臨むことができる
- ・他己分析を誰に頼むか
- ├自分の本質が知りたい
- ├面での印象が知りたい
- └社会人から見た自分が知りたい
- ・他己分析の質問項目
- ・結果を分析する
- ├まずは意見を受け止める
- └「ジョハリの窓」を活用する
- ・他己分析をどう活用するか
- ├自己PRに活用する
- ├面接の受け答え
- └就活の軸に活用する
- ・他己分析で注意すべきポイント
- ├意見が偏らないようにする
- ├質問シートを作成しておく
- ├話をメモしておく
- └根拠となるエピソードを詳しく聞く
- ・まとめ
他己分析(たこぶんせき)とは
他己分析とは、自分に対する印象や自分の強みについて、周囲にいる人に聞き取り、参考にすることです。
就職活動やインターンシップ参加のためにエントリーシートを書くようになると、自己分析が必要になります。
自己分析では、自分なりの強みや弱み、価値観などを自分自身で分析します。自己分析は、自分しか知らない経験や感情の動きについて分析することができますが、客観的な視点がかけているという問題があります。
ついつい主観的になってしまう自己分析を補完するのが、他己分析です。他己分析をすると、「自分はこうありたい」「自分の欠点から目を背けたい」そんな思いに惑わされず、客観的に自分を知ることができます。
この記事では、他己分析をすることのメリットについてもう少し詳しく紹介したあとで、具体的に他己分析をする方法について解説していきます。
他己分析のメリット
他己分析をすることのメリットは、主観的な判断にとらわれず、客観的に自分のことを知れるということです。
客観的に自分のことを知るというのは、具体的には次のようなことです。
・自分では気がつかない強みを知ることができる
・自分の短所を知ることができる
・自己評価と他己評価のズレを知ることができる
客観的に分析できる以外にも、自己分析を裏付けるという点でも他己分析は有効です。
・自己分析に、客観的な視点を取り入れることで、説得力が増す
・自信を持って面接に臨むことができる
それぞれのメリットについて詳しくみていきます。
自分では気がつかない強みを知ることができる
自分の長所や得意なことは、意外と自分では気づきにくいものです。自分に長所なんてないと思っていても、必ず長所はあるはずです。普段から一緒にいる家族や友人に自分の長所を聞いてみると、思いもよらぬことを言われるかもしれません。
自分の短所を知ることができる
自分の短所は、自己分析をしていても目を背けてしまうことがあります。ですが、忌憚のない意見を聞くと、否が応でも短所を直視することになります。場合によっては、傷つくことがあるかもしれませんが、短所を知るのは大切なことです。
短所を知っていれば、改善するための努力もできます。自分の短所を把握して改善しようと意識している学生は、それだけで向上心があるように見られて好印象です。
自己評価と他己評価のズレを知ることができる
自己評価と他己評価には、どうしてもズレが生じてしまいます。自分ではコミュニケーション能力が低いと悩んでいても、周囲の人に聞けば本人が気にしているほど低くないこともあります。自分では短所だと思っていることでも、周りから見れば長所であることもあるでしょう。
面接官や人事の人からの評価は、自己評価よりも他己評価に近いものになることが多いです。そのため、自己評価と他己評価のズレはできるだけ小さくしておきましょう。
自己分析の説得力が増す
自己アピールをするときに、主観的な情報だけでなく、客観的な情報も盛り込むと説得力が増します。
例えば、部活動でリーダーシップを発揮したエピソードを話すとします。話す際に、「当時の友人や先生からどう見えていたのか」という視点を盛り込めば、エピソードの説得力が増します。他己分析の際には、エピソードも一緒に聞いておくといいでしょう。
自信を持って面接に臨むことができる
自己分析をしていると、「本当に自分の強みはこれなんだろうか」「自分はどんな価値観をもっているのだろうか」と悩んだり、不安になることがあります。
周りの人からどう見えているのか知ることで、自己分析が間違っていなかったと自信を持てるようになります。自己分析に自信があれば、面接での受け答えでも、ハキハキ話すことができ好印象に繋がります。
他己分析を誰に頼むか
他己分析は、誰に頼むかで結果が大きく変わってきます。家族や友人に聞くのか、先輩や社会人に聞くのか、それぞれの目的に合わせて最適な人を選ぶようにしましょう。
自分の本質が知りたい
自分の本質を知るために他己分析をするときには、以下のことに気をつける必要があります。
・自分のことをよく知っている人であるか
・忌憚ない意見を言える間柄かどうか
自己分析では見えない自分の長所や短所を知りたいなら、まず自分のことをよく知っている人に頼まなくてはいけません。また、どれだけ自分のことを知っていても、遠慮してしまう仲だと、当たり障りのない答えしか返ってきません。
ふだんから遠慮せず意見を言い合えるような人に頼むようにして、事前になにを言っても大丈夫だと伝えておきましょう。親友や家族などに頼むと、いいかもしれません。
面での印象が知りたい
面接や選考では、第一印象が非常に重要です。自分が初対面の相手にどのような印象を与える傾向があるのか知っておきましょう。
例えば、初対面だと表情が固く、怖い印象を与えやすい人であれば、事前に知っておくことで表情をやわらげておくなどの工夫ができます。
初対面での印象が知りたい場合には、会ってまだ間もない友達に初対面の印象を思い出してもらったり、グループディスカッションに参加した後に、同じグループの人に聞いてみたりするといいでしょう。
社会人から見た自分が知りたい
学生と社会人では、見る観点や、受ける印象が異なります。自己分析だと、学生である自分の目線でしか分析することができません。
メンターやOBOGなど、すでに社会で活躍されている方に聞く機会があれば、是非聞いてみるようにしましょう。社会人の方に頼むことが難しい場合には、親戚の人に「社会人の立場からみて、自分の印象はどうか」聞いてみてもいいかもしれません。
他己分析の質問項目
他己分析ではどのような質問をすればいいのでしょうか?この章では、他己分析の質問の例を、いくつか紹介します。目的に合わせて、誰にどのような質問をするのか決めていきましょう。
・私の強みや弱みは?
・どんなことをしているときが楽しそう?
・どんなことをしているときが退屈そう?
・ひとことで言うとどんな人間?
・記憶に残っているエピソードは?
・第一印象はどうだった?
・今はどんな印象をもっている?
・どんな社会人になりそう?
・どんな仕事が向いていると思う?
・成長してほしいところは?
これらの質問をしたときには、どうしてそう思うかや、具体的なエピソードがあるかも聞くようにしましょう。
他己分析では質問しにくかったり、何度も聞くことに抵抗を覚えたりするかもしれません。しかし相手に遠慮せず、自分が聞きたいことを聞くことで、他己分析がよりよいものになります。
結果を分析する
聞き取りのあとは、結果を整理して分析していきます。
まずは意見を受け止める
辛い気持ちになる意見もあるかもしれませんが、しっかりと受け止めましょう。自分の弱みや至らないところを改善するチャンスでもあります。前向きに結果を受け止めて、分析にのぞみましょう。
「ジョハリの窓」を活用する
他己分析で有名なツールとして、「ジョハリの窓」があります。自分や他人が思う「自分の特徴」を4つに分類して分析するためのツールです。
・開放の窓:自分も他人も知っている要素
・盲点の窓:自分は気づいていないが他人は知っている要素
・秘密の窓:自分は知っているが他人は気づいていない要素
・未知の窓:自分も他人も気づいていない要素
自己分析や他己分析の内容をこの4つに分類すると、自己評価と他己評価のズレが明確になり、自己の理解を深めることができます。開放の窓に属する長所は自己分析が正しくできているので、自信を持ってアピールすることができます。また、盲点の窓に属する短所は自分が気づいていない短所となるので、それを改善していくことで自分磨きをすることができます。
サイトから専用シートをダウンロードすることもできます。
他己分析をどう活用するか
自己PRに活用する
自己PRでは自分の長所をアピールする必要があります。文字数によっては長所をただ述べるだけでなく、その長所を発揮したエピソードを求められることもあるので、他己分析の結果を用いれば書きやすくなるでしょう。
面接の受け答え
面接でも自己PRはもちろんしますが、それだけでなく企業によっては「他者から見た自分の強み」などについて聞かれることがあります。具体的なエピソードを話すだけでなく、面接官から深堀された際の質問にもしっかり答える必要があります。そのため、どんなことを聞かれても論理的に答えられるように他己分析を依頼した人に詳しく話を聞くことが重要です。
就活の軸に活用する
就職先を選ぶうえで基準となる就活の軸は、面接で聞かれることもあり、しっかり考える必要があります。他己分析では自分がどんな価値観をもっているのか、どんな人間なのか、より理解を深めることができます。その結果を活用して自分の志望業界や職種を考えていくことでマッチング度の高い企業への就職につながります。
他己分析で注意すべきポイント
他己分析で気をつけたいポイントをまとめます。
意見が偏らないようにする
友人、家族、アルバイト仲間、先輩など、なるべく多様な関係性の人に意見を聞くようにします。年齢やバックグラウンドが異なる人の意見を聞くことで、より幅広い意見を集めることができるでしょう。
質問シートを作成しておく
スムーズに進められるように、あらかじめ質問をリストアップした「質問シート」を作成しておきます。対面で話を聞くのが難しい場合は、アンケートを作成して記入してもらうのもいいでしょう。ただし、アンケートでは深掘りが不十分な場合があるので、実際に会う機会がない場合はオンライン通話で詳しく話を聞くことをおすすめします。
話をメモしておく
せっかく時間をさいて話をしてもらうのですから、聞き逃したり、忘れてしまわないようにノートやメモにまとめながら話を聞きます。ノートにまとめておくと、後の分析にも役立ちます。
根拠となるエピソードを詳しく聞く
他己分析では自分では気づいていない長所や短所が挙げられる可能性が大いにあります。その場合はなぜそう思ったのか根拠となるエピソードを詳しく聞くようにしましょう。しっかり聞いておかないとESや面接での受け答えに活用できません。根掘り葉掘り聞いて自分への理解を深めましょう。
まとめ
自己分析と他己分析は、どちらか片方だけでは、効果が不十分になってしまうことがあります。十分な自己分析を行ってから、他己分析を行い、その後もう一度、自己分析をするというように、自己分析と他己分析を交互に行っていきましょう。
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