「代返」は大学に入学してから初めて聞く言葉だと思います。高校生までの時にはありえないことですよね。しかし、「代返しておいて!」と頼まれた場合、どうすれば「代返」することができるのでしょうか。また、「代返」は良くないことなのではないでしょうか。解説していきます。
- ・「代返」とは何か
- └なぜ「代返」するの?
- ・昔と今で出席の取り方が変わっている
- ├口頭で点呼を取る場合
- ├出席簿に丸を付ける・出席票を提出する場合
- └学生証を読み取る場合
- ・「代返」のリスクとは?頼まれたらどうすればいい?
- └「代返」がバレると頼んだ人も頼まれた人も単位を落としてしまうことも
- ・最後に
「代返」とは何か
まずは「代返」とは何かを改めて確認しておきましょう。「代返」は「代わりに返事をする」の略で、主に授業の出欠を取る際に、自分以外の代理の人に代わりに自分の分まで出欠を取っておいてもらうことです。もちろんこれは、「本来出席していない授業に、代理人を使用して出席したことにしてもらう」という不正行為です。
なぜ「代返」するの?
「代返」は不正行為で本来してはいけないことであるにも関わらず、「代返」をする人が多く大学でもよく耳にするのはどうしてでしょうか。試験の替え玉は明らかにやってはいけないという意識を持つ人が多いと思いますが、授業の出席であればいいか、と甘く考えている人が多いことが挙げられます。発言や発表などがない授業であれば特にその人自身が本当にその場にいるかどうかが分かりにくいため、自分は授業を聞かなくてもいいやと考えている人は授業に出席しないという考えです。しかし、授業の中には出席点があるものもあります。厳しくチェックされないものであれば、だれかに代わりに出席の代返をしておいてもらうことで、出席点を落とさないようにしているということでしょう。いずれにせよ、大学が求める「単位取得」への条件を不正に満たそうとしていることに変わりありません。
昔と今で出席の取り方が変わっている
「代返」が不正行為であるにも関わらず、やっている人が多い背景には「代返」を行なうことが可能な「出欠確認」のシステムがあります。出欠確認にはいくつかの方法がありますが、近年では「代返」そのものが不可能なシステムになっていることもあります。「代返」が比較的容易だった昔の時代にくらべ、今の時代は「代返」をすることができない、あるいはするとバレてしまうことがあります。
口頭で点呼を取る場合
高校までのように、口頭で教授がひとりひとりの顔を見ながら出欠を点呼でとる場合、多くは少人数のクラスのため、「代返」はほぼ不可能といって良いでしょう。少人数のため、教授も学生の名前と顔が一致していることが多く、こっそり別の人が声色を変えて返事をしてもすぐにバレてしまいます。
出席簿に丸を付ける・出席票を提出する場合
授業中に出席簿が回ってきてその学生一覧の中から自分の名前の場所に丸を付けるタイプの出欠確認の場合、「代返」はしやすいかもしれません。出席簿での出欠確認を導入しているのは多くの場合大教室で大人数の授業のことも多く、丸がついている学生が本当にいるのかどうか確認はなかなか難しいでしょう。
また、出席簿ではなく小さな「出席カード」や「出席票」が配布され、そこに名前や学籍番号を記入する場合もあります。この場合、そもそも配られる際に人数分しか「出席票」が配布されないため、「代返」はできません。まれにどこかで「出席票」を入手して来ている学生もいますが、その日によって「出席票」の色が変わるなど、不正防止の策を大学側が取っていることもあり、やはりなかなか「代返」はしづらいでしょう。
学生証を読み取る場合
最近では学生証にICチップが埋め込まれていたり、スキャンすることができるものも増えており、学生証を教室にある端末に読み込ませることで出欠確認をすることもあります。学生証を借りてくることで「代返」が可能ではありますが、学生証は身分証明として使用することも多く、あまり借りてくることっは現実的ではありませんね。
「代返」のリスクとは?頼まれたらどうすればいい?
「代返」は不正行為だとお伝えしましたが、友人に頼まれてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。また、「代返」をしたことがバレてしまった場合、どうなるのでしょうか。「代返」のリスクを見ていきましょう。
「代返」がバレると頼んだ人も頼まれた人も単位を落としてしまうことも
この教授はゆるいから、あまり普段出欠確認を厳密にチェックしていないから……と授業に出るのが面倒でついつい「代返」を頼んだとします。しかし、普段温厚な教授であっても、突如大学からの調査で出欠確認や不正チェックをすることがないとは言い切れません。また、日ごろから「代返」をしている学生が多いと疑われている場合、抜き打ちでチェックをすることもあります。そんなタイミングで「代返」をお願いしていたことが発覚すると、その授業の単位は当然もらうことができません。さらに、「代返」を頼んだ友人も同様に単位を落とすことになってしまいます。あまりに「代返」を日常的に多くの授業で行っているなど悪質な場合には停学や退学処分となってしまうこともあります。「代返」のリスクとその代償はあまりにも大きいのです。
最後に
多くの大学生が気軽に行なっている「代返」。しかし本来は不正行為であり、代償はあまりにも大きいです。仲の良い友人に頼まれたとしても断る勇気を持ちましょう。単位を落としたくないのであれば、授業に出ることが一番の近道です。
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