「哲学科は就職できない」という噂を耳にしたことはありませんか?就活を始める前から「本当に不利だったらどうしよう…」と不安になっている哲学科の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、哲学科が就職に不利というのは本当かについて解説。さらに哲学科卒業生が選ぶ就職先の業界や職種、就活対策についてもご紹介します。ぜひ就活の参考にしてみてくださいね。
- ・哲学科が就職に不利って本当?
- ├哲学科だから不利ということはない
- └人間を深く知るための思考力・洞察力を生かせる
- ・哲学科で取得できる資格・免許とは?
- ├教員免許
- ├学芸員
- ├図書館司書・司書教諭
- └社会教育主事
- ・哲学科の卒業生が選ぶ就職先とは?
- ├公務員
- ├教育業界
- └金融業界
- ・哲学科の学生がしておくべき就職対策
- ├自己PRを工夫する
- ├OBOG訪問をする
- └インターンシップに参加する
- ・最後に
哲学科が就職に不利って本当?
哲学科だから不利ということはない
結論から言えば、就職活動において哲学科だから不利ということはありません。「就活では即戦力となれそうな経済学部や法学部などの方が有利なのでは?」と思われるかもしれませんが、新卒就活では就活生の業務に関する能力は似たり寄ったりです。
それよりもコミュニケーション能力やマナーが最低限備わっていることや、企業に入社する意欲や熱意を持っていることの方が評価されるのです。
人間を深く知るための思考力・洞察力を生かせる
どんな企業に就職しても「人間」と関わることは避けられません。だからこそ、「人間」という存在を深く知ることを目指す哲学科で身に着けたスキルは、就職にいかすことが可能です。
哲学に正解はありません。そのため、1つの物事を複数の視点から見られる広い視野や柔軟な対応力を伸ばすことができます。また、様々な思想を理解するための思考力や洞察力も高めることもできるでしょう。
これらのスキルは多くの企業が求めているため、就活のアピールポイントとして活用できます。
哲学科で取得できる資格・免許とは?
教員免許
哲学科では様々な資格・免許を取得できます。その1つが「教員免許」です。教員免許を活用すれば、中学校や高等学校の教員として就職することができます。特に、社会科や地歴公民を専門とした教員を目指す卒業生が多いようです。
ただ、知識を教えるだけでなく、現代の日本や世界が抱える問題について生徒が様々な視点から考える力を育むことができるでしょう。
学芸員
哲学科で取得できる資格の2つ目は「学芸員」です。博物館に勤務し、博物館内で展示の案内を行ったり、資料を整理したり、企画展を立案したりといった業務を行います。
地道な研究や新たな発見を楽しめる気持ちを持っている人におすすめの仕事といえます。博物館で扱っているものは多岐に渡るため、自分に合った博物館を選ぶことが大切です。
図書館司書・司書教諭
哲学科では「図書館司書」や「司書教諭」の資格も取得可能です。図書館や図書室での本の貸出・返却といった業務はもちろん、利用者が必要とする資料を案内するレファレンスサービスなども行います。
図書館司書は利用者が気持ちよくサービスを受けられるようにするのがメインの仕事である一方で、司書教諭は図書館の活用法や読書の楽しみ方を教えることが主な役割です。
社会教育主事
「社会教育主事」も哲学科で取得できる資格です。教育委員会事務局に所属し、公民館や社会教育センターなど、学校以外での社会教育に携わる人たちに対して、専門的な視点から指導・助言を行うのが仕事です。
また、講師に依頼して講座を主催することもあれば、自分で講座を開催することもあります。
哲学科の卒業生が選ぶ就職先とは?
公務員
哲学科の卒業生が選ぶ就職先としては、公務員が挙げられます。先ほどもご紹介した通り、中学校や高校の教員として活躍することもあれば、国家公務員や地方公務員として活躍する場合もあります。
公務員として働く場合には、多様な方と接する能力が求められます。そのため、哲学科で身に着けた多角的に人や物事を理解する力を発揮できる就職先であるといえます。
教育業界
哲学科では、答えのない問いについて考え続けていくため、「わからない」ことへの抵抗感がありません。
教育業界では「わからない」と訴える生徒に数多く出会うことになります。「一体何がわからないのか」を整理し、「どう考えるか」を伝えられる哲学科の卒業生は、単に知識を教えるだけでなく、考えを深め、発見できる喜びも伝えることができるでしょう。
金融業界
哲学科では、様々な哲学者による難しい思想や理論を読み解き、自分なりに考えをまとめていきます。
このような「論理的思考力」は、データに基づき、冷静に判断することが求められる金融業界にも最適です。そのため、金融業界も哲学科の卒業生の就職先として人気が高くなっています。
哲学科の学生がしておくべき就職対策
所属する学科が就職で不利になるかどうかは、自分の頑張り次第で変わってきます。少しでも就活を有利に進めるために、できるだけのことをしておきましょう。ここでは具体的な就職対策をいくつかご紹介します。
自己PRを工夫する
就活で大切なのは、どんな学部どんな学科に属しているかではなく、どんなことを学んで、それを社会や仕事でどういかそうとしているかです。
哲学は、人や社会、心理などについて深く学ぶ学問です。これらの知識は社会に出て、プライベートでも仕事でもいかすことができます。哲学科を卒業した学生の就職先は非常に幅広いので、アピール次第で応用が可能ということです。
自分のやりたいことを明確にして、学んだことや自分の経験をどういかすかをアピールする方法を考えましょう。
OBOG訪問をする
哲学科であることで就職に不安があるなら、OBOG訪問をして同じ学部を卒業した先輩に話を聞いてみるのがいいでしょう。
哲学科で学んだことが社会でどのように役立てられるのか、実際に先輩が就活でどんな自己PRをしたかなど聞いてみると参考になると思います。
インターンシップに参加する
就職や就活に対して不安があるなら、企業のインターンシップに参加するのがおすすめです。インターンシップの内容はプログラムにより様々ですが、社員の方に直接話を聞けたり、実際に仕事を体験できることが多いです。
インターンに参加すると働くことを具体的にイメージできるようになります。職場ではどんな知識やスキルが必要なのかが明確になるので、自分がアピールすべきこともわかってくるでしょう。
長期インターンならその仕事をじっくりと知ることができますし、短期インターンなら多くの企業や仕事に触れることができます。自分の興味やスケジュールに合わせて、できるだけたくさんのインターンシップに参加してみましょう。
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最後に
ここまでご紹介してきた通り、哲学科の卒業生は様々な業界・企業に就職し、活躍しています。そのため、「哲学科は就職に不利」といった噂に惑わされる必要は一切ありません。
むしろ、哲学科で学ぶことを通して習得したスキルを理解し、それを存分にアピールしていく姿勢が大切です。
また、どんな学部・学科を卒業していても、エントリーシートや筆記試験、面接などの対策を怠っていては就活を通過することはできません。ぜひしっかり対策しておきましょう。
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