長くつらい就職活動の中で、内定が出ると嬉しくなりますよね。喜びのあまり内定承諾書を提出してしまったものの、志望度の高い企業からも内定が出てしまった…。
こうした様々な事情で「内定を辞退しないといけない」という事態に陥ることもあると思います。今回は、内定承諾書を提出した後に辞退する方法をお話しします。
- ・内定承諾した後の辞退は法的に問題ないが迷惑がかかることは理解しておこう
- ・内定承諾書を提出した後に辞退する方法
- ├辞退すると決めたらなるべく早く伝える
- ├言い出しづらくてもメールより電話で伝える
- └学校の後輩のためにも丁寧に謝罪する
- ・内定辞退を伝えた後にトラブルが起きたら抱え込まずに就職課に相談する
- ・最後に
内定承諾した後の辞退は法的に問題ないが迷惑がかかることは理解しておこう
内定承諾書自体には法的な効力はありません。では、なぜ企業が内定承諾書を求めるかというと、あなたが働くための色々な手続きを早めにしておきたいからなのです。例えば、採用に関する書類を揃えたり、配属部署を考えたり、名刺を作ったり…4月からスムーズに働いてもらうために準備を整えていくのです。
内定承諾後に辞退をすると、企業としては準備を止めなければなりませんし、採用活動も再開しなければなりません。人員や経費にも大きなコストがかかってきます。内定承諾後の辞退は法的に問題ありませんが、相手方の企業に迷惑をかけてしまうことになります。
そのことは頭に置いて、内定を承諾する前に「本当にこの企業に入社する気持ちがあるか」をよく考えるようにしましょう。
内定承諾書を提出した後に辞退する方法
実際に内定承諾書を提出した後に、内定を辞退したいときにはどのように対応すればよいのでしょうか。内定辞退の手続きについて具体的にお話しします。
辞退すると決めたらなるべく早く伝える
「内定を辞退しよう」と決めたら、なるべく早く企業に伝えることが鉄則です。
先ほどもお話しした通り、あなたが内定を承諾した後、企業はあなたが4月から働くつもりで準備を進めていきます。連絡が遅くなればなるほど、企業に無駄なコストをかけてしまいます。心が決まったらすぐにでも連絡するようにしましょう。
言い出しづらくてもメールより電話で伝える
内定を辞退するのはなかなか言い出しづらいものです。「気楽だから」とメールで連絡してしまう人もいますが、メールだと一方的で冷たい感じを与えてしまいます。自分がよく考えた結果だということを伝えるためにも、電話で直接話すようにしましょう。
電話では名前を名乗り、担当の方に代わっていただくようにお願いします。担当の方が電話に出たら、再度名乗った上で「内定を辞退したいこと」をはっきりと伝えます。言いづらいあまり、ぼかした言い方をすると、内定を辞退したいことがきちんと伝わらず、後々でトラブルになる可能性があるので勇気を出してしっかり伝えましょう。
もし企業から内定辞退の理由を聞かれた場合は、できるだけ誠実に答えるようにします。その際には「御社では給与が低いですが…」など、辞退する企業の悪いところを挙げるのは避けましょう。「自分の能力を試すことのできる環境に身を置きたいと考えました」など、自分にとって内定辞退した方がプラスになると考えた理由を挙げるのが理想的です。
学校の後輩のためにも丁寧に謝罪する
内定辞退について話したら謝罪の言葉を伝えましょう。
あなたを採用したいといってくれた企業です。自分を必要としてくれたことに対する感謝の気持ちと、それに応えられない事実をしっかり見つめて、誠実に丁寧に謝罪します。
また、あなたがいい加減な態度で内定辞退をすると、同じ学校の後輩も「あの大学の学生は内定をあげても蹴る可能性がある」という目で見られるかもしれません。
不安や緊張でたどたどしい言葉になっても構いません。素直に気持ちを伝えることが一番大切です。「きちんと伝えよう」という気持ちは声の調子や言葉遣いなどから、電話越しにも伝わるものです。
内定辞退を伝えた後にトラブルが起きたら抱え込まずに就職課に相談する
内定辞退を伝えた時に、すんなりと受け入れてくれる企業ばかりではありません。電話口で罵倒されたり、損害賠償の請求をされたりと、不当な対応を要求してくることもあります。
このような要求に応える必要はありませんが、一人で抱え込むと不安になってしまいますよね。そういったトラブルに巻き込まれた場合には、大学の就職課に相談してください。現実的な対応を教えてくれるだけでなく、相談できる人がいるということ自体が、あなたの心を支えてくれるはずです。
最後に
長い就職活動の先には長い社会人生活が待っています。その社会人としての生活を少しでも満足いくものにするために、入社する企業を選ぶ権利は「職業選択の自由」として憲法で保障されています。
それでも企業側には当然のこととして「内定辞退をしてほしくない」という気持ちがありますし、内定辞退を伝えるためには心のエネルギーをたくさん使います。内定後の辞退はしない方が、あなたも企業もお互いに余計なエネルギーを使わずに済みます。
「本当にこの企業で働いていけるか」ということを改めて考える時間を取った上で、内定承諾書を提出するようにしてくださいね。
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