基本給とは?給料、月給との違い、就活生は基本給をどう見るべきか。

就活で求人情報を調べていると出会う「基本給」という言葉。しかし、「基本給って何?給料とは違うの?」と困惑する人も多いのではないでしょうか。

今回は、基本給と給料・給与・月給との違いを分かりやすく解説します。また、就活生が基本給を見るときに注意すべきポイントもお伝えします。

就活する上で「きちんと労働の対価がもらえるか」は大切。この記事を読めば「もっと貰えると思っていたのに…」という後悔を避けられますので、ぜひご覧ください。

目次

基本給とは?

基本給とは

労働の対価として受け取る報酬は「基本給」と「手当・歩合給・インセンティブ」に分かれています。「基本給」とは、色々な手当・歩合給・インセンティブを一切含まない「基本賃金」のことで、毎月支払われる給料の土台となるものです。

基本給はどうやって決まる?

基本給の決め方は会社により異なり、主に次の3つの決め方があります。

1 仕事給型:仕事内容により決まる
2 属人給型:個人の属性により決まる
3 総合給型:仕事内容や個人の属性を総合的に判断して決まる

仕事給型は、年齢やキャリアなどは考慮されず、純粋に仕事内容で給料が決定される方法です。属人給型は、経歴・勤続年数・年齢など個人の属性に基づいて給料を決める方法です。仕事内容や年齢など様々な要素を考慮して決定されるのが総合給型となります。

「基本給」以外の用語も知っておこう

就活で報酬や給与形態について調べていると、いろいろな用語が登場します。志望する企業の報酬について正しく理解するために、基本的な用語を理解しておきましょう。

手取り:基本的に毎月の給与からは、健康保険料・厚生年金・雇用保険料などが差し引かれます。保険料や税金などの各種控除が差し引かれて実際に手元に入る金額が手取りとなります。

手当:通勤手当や残業手当、住宅手当や役職手当など、基本給以外に企業が支払う報酬のことです。

歩合給:個人の成績に応じて支払われる給与の金額が変動する給与形態のことを歩合給制と呼びます。完全歩合給のこともありますし、給料のベースとして基本給がありそれに歩合給がプラスされるパターンがあります。

インセンティブ:個人の業績に応じて支払われる報奨のことです。目標達成時に一律のお金が上乗せされる場合と、業績の伸びに応じて金額が増える場合とがあります。また、物品や旅行などが支給されることもあります。

職能給:個人の能力を基準にして支払われる報酬です。知識・経験・資格などを総合的に評価し、その職務を遂行する能力が高いと評価されればそれだけ支給される額も高くなるシステムです。

職務給:職能給に対する言葉として使われており、仕事の内容や責任を基準として支払われる報酬です。

給料・給与・月給・固定給との違い

基本給と給料・給与との違い

実は「給料」は基本給と同じ意味を持っていますその一方で、給料によく似た言葉である「給与」は、基本給に手当・歩合給・インセンティブなどを加え、企業から支給される報酬全てまとめたものを指しています。つまり、下に示したように、給与の一部が「給料=基本給」なのです。

・給料=基本給
・給与=給料(基本給)+手当・歩合給・インセンティブなど

給料と給与は、名前は似ているけれども意味は全く異なるため、間違えないように注意しましょう。

基本給と月給との違い

また、「月給」は基本給に役職手当などの固定された手当を上乗せした結果、毎月決められた金額が支給される賃金体系を指します。月によって変動する残業手当などは月給には含まれません。

【月給に含まれる手当】役職手当・資格手当・家族手当・住宅手当など毎月固定で支払われる手当

【月給に含まれない手当】残業手当・休日出勤手当・通勤手当など月によって変動する手当

基本給と固定給との違い

固定給とは、毎月決まって支払われる給与のことです。固定給には基本的には各種手当が含まれていますが、基本給には手当が含まれていません。手当が含まれているかどうかの違いになります。

固定給という言葉は、「固定給制」もしくは「歩合給制」のように、給与形態を説明する場面で使われることが多いです。仕事の成果によって給与が変動することの多い、営業職や外資系企業を志望している人はしっかりと理解しておきましょう。

基本給についてよくある疑問

基本給に交通費は含まれる?

基本給に交通費が含まれるかどうかは、企業により異なります。交通費が年収や時給に含まれていることも多いので、交通費が高くなるなどで気になる方は事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

基本給は勤務日数によって変わる?

月給制の場合、「完全月給制」と「日給月給制」の2種類があります。「完全月給制」の場合は、勤務日数が減っても基本給が減額されることはありません。

しかし「日給月給制」の場合は、有給以外で仕事を休んだり、遅刻早退があった場合にその分が基本給から差し引かれます。多くの企業では「日給月給制」のことが多いです。

基本給を見るときに注意すべきポイント

保障されているのは基本給だけなので注意!

基本給は労働者の同意なしに勝手に減額することが禁じられています。一方、手当やインセンティブは企業の判断で減額や支給の停止が可能です。

例えば、給与として25万円を貰っているAさんとBさんがいるとします。AさんとBさんの給与の内訳は以下の通りです。

Aさんの25万円内訳:基本給24万円+手当1万円
Bさんの25万円内訳:基本給15万円+手当10万円

もし、企業の経営が傾き、急に手当がカットされることになると、Aさんは「24万円」が保障されますが、Bさんは「15万円」しかもらえず、生活が苦しくなってしまいます。「25万円もらえるならどこでもいいや」と思わず、基本給の金額をしっかりチェックしましょう。

基本給が低いと残業代が下がる

残業代は労働基準法によって、算出方法が次のように定められています。

残業代=1時間あたりの基礎賃金×残業時間×割増率

また、この「1時間あたりの基礎賃金」は次の式で算出されます。

1時間あたりの基礎賃金=月給÷1ヶ月の平均所定労働時間

先ほど『基本給と月給との違い』の章でもご説明しましたが、月給は「基本給+毎月固定で支給される手当」となっています。つまり、月給の大部分は基本給で構成されているのです。

そのため、同じ労働時間・残業時間でも、基本給が少ないほど「1時間あたりの基礎賃金」も少なくなりますし、「1時間あたりの基礎賃金」を計算に含めた「残業代」も下がってしまうのです。

基本給が低いとボーナスも下がる傾向が

基本給はボーナスの金額にも影響を及ぼします。ボーナスは「基本給×〇ヶ月分」で計算されることが多いためです。

そのため、給与として25万円貰っており、その内訳が基本給24万円+手当1万円のAさんの場合、ボーナスが基本給2ヶ月分であれば、24(万円)×2(ヶ月分)=48万円となります。

一方、同じように給与として25万円貰っていても、その内訳が基本給15万円+手当10万円のBさんの場合、ボーナスは15(万円)×2(ヶ月分)=30万円となり、Aさんとは18万円もの差がついてしまうのです。

最後に

就活では「福利厚生」や「働きやすさ」などに注意が向きがちですが、労働の目的は何といってもきちんと対価を得ることです。そのため、「自分がいくら貰えるのか」をきちんと把握しておく必要があります。

基本給・給料・給与・月給など、どれも耳慣れない言葉ではありますが、あなたが社会人として安定した生活を築くための「お金」の基本のキです。しっかり理解して、求人情報を正しく読み取れるようになりましょう。


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