就活生はSDGsに関心を持つべき?注目の企業ランキングやメリットを紹介

「SDGsと就活と何の関連があるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、近年は志望企業を選ぶ際に、企業のSDGsへの取り組みに注目する就活生が増えています。そこで今回は、そもそもSDGsとは何かを分かりやすく解説します。注目の企業ランキング、就活で企業のSDGsへの取り組みをチェックするメリット、就活で注目すべきSDGsの項目についてもご紹介します。

目次

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。地球上の誰一人取り残さないことを誓い、2030年までに達成すべき目標として、2015年9月の国連サミットで採択されました。

SDGsは次の17の目標から構成されています。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

これら17の目標は先進国と発展途上国がともに取り組むべき普遍的な課題とされており、日本でも積極的な取り組みが行われています。

就活とSDGsって関係あるの?

就活生のSDGsへの関心が高まっている

株式会社IDEATECHが運営する「リサピー®️」が、2023年春に就職予定の就活生547名を対象にして行った「23卒就活生の選社軸とSDGsの関係性」に関する調査からも、就活生のSDGsへの関心が高まっていることがわかります。

「就職先企業を選ぶ上で重視する点はなんですか?」という問いに対して、「SDGsに対する姿勢や取り組み」と答えた人は24.5%でした。前回の同調査では17.3%だったので、7.2ポイントアップしています。

「企業のSDGsへの取り組みは企業選びに影響しますか?」に対する回答では、「とても影響する」が24.6%、「少し影響する」が64.2%でした。少なからず影響すると考えている人が88.8%いるという結果から、就活生のSDGsへの関心の高さがうかがえます。

就活生がSDGsに注目する理由

「企業のSDGsへの取り組みが企業選びに影響する」と答えた人の理由としては、「社会貢献ができるのかは働くうえでの誇りに繋がる」「社会貢献度が高い企業に就職したいから」「今後より一層SDGsが注目されていくと思うから」などが見られます。

仕事をする上で「社会貢献性」「仕事に対する誇り」「やりがい」などを求める人が、企業のSDGsへの取り組みに注目しています。「人や社会の役に立つ仕事がしたい」と考えている方は、企業選びでSDGsへの取り組みをチェックしてみるといいでしょう。

志望企業選びの指標にも

各企業のSDGsへの取り組みには、企業の理念やポリシーがあらわれるので、SDGs考え方や活動に共感できる企業を探してみるのもいいでしょう。

同じような考えや価値観を持った、自分に合う企業を見つけられるかもしれません。企業としての考え方や活動に共感できると、志望動機も作成しやすくなります。

参考:【就活解禁間近!】23卒就活生の73.1%が「SDGs」について認知、「企業選びで重視」は22卒より7.2ポイントUP
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000045863.html

SDGsへの意識が高い企業は?

SDGsへの意識が高いイメージのある企業ランキング

キャリスタ就活2023が発表している「2023年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?~就職希望企業ランキング:SDGs編~」によると、SDGsへの意識が高いと就活生が感じている企業のランキングは次のようになっています。

【SDGsへの意識が高いと就活生が感じている企業ランキング】

1位 損害保険ジャパン
2位 トヨタ自動車
3位 三井住友海上火災保険
4位 サントリーグループ
5位 ニトリ
6位 伊藤忠商事
7位 クボタ
8位 三菱UFJ銀行
9位 三菱商事
10位 Sky
10位 東京海上日動火災保険

参考:
https://job.career-tasu.jp/2023/guide/study/ranking/7_01.html

ランキングの11位以降には、住友林業、三井住友銀行、日立製作所、ファーストリテイリンググループ、楽天グループ、味の素、花王などがランクインしています。

企業のSDGsへの取り組み

トヨタ自動車は、水素で走る燃料電池自動車(FCEV)を開発しています。燃料電池自動車は、水素と空気中の酸素を化学反応させその電気でモーターを回して走ります。二酸化炭素(CO2)を排出しない環境に配慮された車です。

参考: https://global.toyota/jp/kids/environmentally-friendly/challenge2050/challenge1/#sec_fcv

1893年に日本国内で初めて水道用鉄管を開発したクボタは、世界の水問題に対する取り組みを行っています。安全な水を利用できていない海外の国で、各国の事情に合わせたソリューションを提供しています。

参考:https://www.kubota.co.jp/sustainability/biz-water/index.html

企業のSDGsへの取り組みを知るメリット

働きやすさのヒントになる

志望企業のSDGsへの取り組みをチェックするメリットの1つ目は「働きやすさのヒントになる」という点です。

SDGsの目標の「ジェンダー平等を実現しよう」や「人や国の不平等をなくそう」に取り組む企業であれば、多様性に配慮した姿勢がうかがえます。

「働きがいも経済成長も」に取り組む企業では、従業員の「やりがい」や「働きがい」に配慮した経営がなされていることが感じ取れます。企業が取り組むSDGsの目標は、従業員をどのように扱っているかを知る手がかりになるのです。

社会のニーズに応えられる企業か分かる

志望企業のSDGsへの取り組みをチェックするメリットの2つ目は「社会のニーズに応えられる企業か分かる」という点です。

2006年に国連は責任投資原則を定めました。これは投資家が企業の財務情報だけでなく、企業の環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の課題に取り組んでいるかを重視した「ESG投資」を行うよう呼び掛けるものです。

投資家は企業の環境や社会の課題への取り組みに関する指標として「いかにSDGsに取り組んでいるか」を重視するようになりつつあります。そういった社会の要請を受けてSDGsに迅速に取り組んでいる企業は投資家から資金を調達して事業を続けることができますし、これらの社会の変化にも対応しながら安定した経営を続けられる可能性が高いといえます。

就活で注目すべきSDGsの項目とは

SDGsが掲げる目標は17個ですが、特に就活に関連する項目が3つありますので詳しく見ていきましょう。

ジェンダー平等を実現しよう

「ジェンダー平等を実現しよう」では、性別による差別の撤廃が目指されています。女性にも仕事に必要な能力強化の機会を提供することのほか、「無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する」ことなども掲げられています。

残念ながら日本ではまだまだ育児や介護は女性の仕事として扱われがちで、育児や介護と仕事を両立できずにキャリアを中断してしまう女性も存在します。「女性だから」と不平等な扱いを受けたり、妊娠・出産等でキャリア形成が不利になったりするのを避けたい女性は、志望企業が「ジェンダー平等を実現しよう」に取り組んでいるかぜひ確認しておきましょう。

働きがいも経済成長も

「働きがいも経済成長も」では、性別や障害などを問わず、すべての人が完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事、そして同一労働同一賃金であることなどが目指されています。

さらに、労働者の権利保護や安心・安全な労働環境の促進なども含まれています。ワークライフバランスを重視する就活生はぜひチェックしておきたい項目です。

つくる責任 つかう責任

「つくる責任 つかう責任」では、持続可能な消費と生産のパターンの確保が目標となっています。天然資源の持続可能な管理および効率的な利用の達成や、廃棄物の発生防止・削減・再生利用などが掲げられています。

このように環境に配慮しながら事業に取り組める企業は、地域社会からポジティブな評価を受けますし、ESG投資を重視する投資家からもサポートを得やすくなります。その結果、安定した経営が期待できます。「1つの企業に腰を据えて長く働き続けたい」という方は、チェックしてみましょう。

まとめ

就活で、企業のSDGsへの取り組みに注目する就活生が増えています。自分に合う企業を見つけるヒントにもなるので、企業研究では各企業のSDGsへの取り組みについて調べてみるのもいいでしょう。


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