安定があり待遇面も良い企業が多い生命保険会社(生保)は、男女問わず就職先として人気があります。本格的な就活を始める前に、「生保とはどのような仕組みで成り立っているのか?」「具体的にどんな仕事があるのか?」など、生保業界についてリサーチしておきましょう。
生保業界が直面している現状や将来性なども併せて考えながら、自分が生保業界でどのように活躍できるのかをじっくり考える必要があります。ここでは、生保業界について知っておくべき基本情報と就職活動のヒントをご紹介します。
生保のインターン締切をチェック
- ・生保が就職先として人気の理由
- ├高収入・高待遇が期待できる
- ├頑張り次第で収入アップ
- └自由度が高い
- ・生保の仕事や働き方で不安な点
- ├年収が不安定
- ├成績が良くないとプレッシャーに
- └勤務時間が不規則
- ・生命保険会社とは?損害保険との違いは?
- ├生命保険会社(生保)とは?
- └生命保険と損害保険の違い
- ・代表的な生命保険会社について解説
- ├日本を代表する大手生命保険会社
- ├外資系の生命保険会社
- └ネット系の生命保険会社
- ・生命保険会社(生保)の具体的な職種
- ├営業職
- ├個人営業
- ├法人営業
- ├保険外交員
- ├企画・立案
- └資金の運用
- ・生命保険会社の就職対策
- ├資格を取得する
- └インターンシップに参加する
- ・生命保険会社(生保)で必要とされる人材とは?
- ・まとめ
生保が就職先として人気の理由
高収入・高待遇が期待できる
保険会社は年収が高い企業が多いです。給与の高さは、学生に人気の就職先となっている理由の一つでもあります。とくに大手の生保は、福利厚生も充実しています。高待遇であることに魅力を感じ志望する学生も多いです。
頑張り次第で収入アップ
営業や外交員は歩合制のことがほとんどなので、頑張り次第で収入をアップさせることができます。頑張った分だけ給与に反映されるのでやりがいもあります。
成果をあげれば若いうちからでも高収入を得ることができるでしょう。年功序列ではなく実力主義の現場で勝負したい人に向いています。
自由度が高い
営業や外交員は外回りの営業や取引先の訪問が多いため、自分でスケジュールを管理することになります。自分のペースでスケジュールを組んだり行動できるので、自由度は高いと言えるでしょう。
生保の仕事や働き方で不安な点
年収が不安定
入社2〜3年後から給与が完全歩合制になる生保もあります。基本給がない場合で成績が芳しくないと、給与は激減してしまいます。年収が安定しないことは大きな不安要素の一つです。給与システムについては事前に確認しておくのがいいでしょう。
成績が良くないとプレッシャーに
企業や職種によりますが、営業や保険外交員はノルマがある職場も少なくありません。ノルマが達成できなかったり、成績が悪いとプレッシャーに感じたりストレスを感じることも多いです。
実際に生保の営業は離職率が高いことで知られています。体力的にも精神的にもタフでないと難しいかもしれません。
勤務時間が不規則
お客様の都合に合わせて動くことになるので、残業になったり、土日に勤務することもあります。アポイントが立て込んでしまい、休憩がとれないこともあるかもしれません。長時間勤務やハードワークも覚悟しておく必要があります。
生命保険会社とは?損害保険との違いは?
生命保険会社(生保)とは?
生命保険とは、不慮の事故や病気などで怪我や死亡などの災難に見舞われた際に、残された家族や当人の経済的な補償をするものです。また、通院や入院が必要となった際にも、生命保険が医療費の一部を負担することになります。これらの生命保険を扱っているのが生命保険会社となります。
国内大手の企業や外資系企業など生保業界には様々な企業があり、最近ではインターネットを使用したネット生保も少なくありません。一見安定した業績を出しているかのように見えている生保業界ですが、全く懸念事項がないわけではありません。マイナス金利政策の導入や少子高齢化による人口減少など、時代の流れとともに様々な問題も浮上しています。
生命保険と損害保険の違い
生命保険は人の生死に関する領域を担っている保険ですが、損害保険は火災や自動車事故などの偶然の事故についての領域を担っている保険になります。
生命保険と損害保険には大きく2つ違いがあります。 1つ目は支払われる金額の決まり方です。生命保険が死亡などの際に事前に定められていた額だけ支払われる「定額給付」保険であるのに対して、損害保険は事故や災害の被害に応じて支払額の変わる「実損填補」保険になります。
2つ目は契約期間の違いです。生命保険の多くが長期間加入する積立型であるのに対して、損害補償は1年単位や数週間単位での契約になります。例えば自動車保険では普段運転しない人が運転するときにだけ新たに契約したり、海外保険などは旅行中だけ加入したりします。
代表的な生命保険会社について解説
生命保険会社を評価する指標は、「保険契約数」「業界シェア」「売り上げ」「働きやすさ」などいろいろあります。ここでは、保険会社の格付けランキングや売り上げランキングなどで上位になることが多い保険会社を、「大手保険会社」「外資保険会社」「ネット系保険会社」の3つに分けてご紹介します。
日本を代表する大手生命保険会社
かんぽ生命(株式会社かんぽ生命保険)
かんぽ生命は日本郵政グループの生命保険会社です。現在は完全に民営化されていますが、元々の官僚文化が残っている社風だとも言われています。年功序列や縦社会、派閥の風潮があります。
日本生命(日本生命保険相互会社)
日本生命は明治22年に創業され、120年以上の歴史を持っています。生命保険会社の中でも、経常利益で1位2位を争うようなリーディングカンパニーです。ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど10カ国に15現地法人・4事業所を置き、海外でも幅広く事業展開しています。
第一生命(第一生命保険株式会社)
第一生命は、「国内生命保険事業」「海外生命保険事業」「資産運用・アセットマネジメント事業」を3つ軸としており、海外での事業にも積極的です。「アクチュアリー」「クオンツ」「データサイエンティスト」など、高度な専門性を活かしながらキャリアアップできるコースも選択できるようになっています。
明治安田生命(明治安田生命保険相互会社)
明治安田生命は、旧明治生命と旧安田生命が2004年1月に合併してできた生命保険会社です。他の大手保険外者が海外進出に熱心なのと対照的に国内事業を中心に事業を展開しているのが特徴的です。
住友生命(住友生命保険相互会社)
住友生命は、住友グループの保険会社で、2015年にはアメリカの生命保険会社「シメトラ(Symetra)」を買収しています。健康増進型保険「Vitality」を発売するなど、新たな保険の開発にも積極的です。
外資系の生命保険会社
生命保険会社は大手の4大生保やかんぽがよく知られていますが、外資系の生命保険会社にも注目してみましょう。
プルデンシャル生命保険(プルデンシャル生命保険株式会社)
プルデンシャル生命保険は、アメリカの金融グループ「プルデンシャル・ファイナンシャル」の生命保険会社です。2005年には、あおば生命保険を吸収合併しています。「ライフプランナー」と呼ばれる営業職は完全歩合制で、年収が1000万円以上と高収入なことで知られています。
ジブラルタ生命保険(ジブラルタ生命保険株式会社)
ジブラルタ生命保険は、アメリカの「プルデンシャル・ファイナンシャルグループ」傘下の生命保険会社です。2000年に経営破綻した協栄生命保険をアメリカ本社が買収する形で設立されました。東京と長崎に本社オフィスがあります。
ネット系の生命保険会社
近年はネットで申し込みできる生命保険も人気が高まっています。ここではネット系保険の代表的な企業をご紹介します。
ライフネット生命(ライフネット生命保険株式会社)
ライフネット生命は、戦後初の独立系生命保険会社です。創業当時、インターネットを主な取引チャネルとした新しい生命保険業として大きな注目を集めました。保険外交員が在籍しておらず、保険の販売ではインターネットが活用されています。
アクサダイレクト生命保険(アクサダイレクト生命保険株式会社)
アクサダイレクトは、「アクサグループ」のインターネット専業生命保険会社です。グループ会社としてアクサ損害保険もあります。
生命保険会社(生保)の具体的な職種
生保には様々な職種があり、職種によって必要な知識やスキルも異なります。ここに挙げた職種は、ほんの一例です。これ以外にも様々な職種があるので、気になることがあれば積極的に情報収集していきましょう。どのような職種があるのかを知ることが、生保業界への就職活動の第一歩ともいえます。
営業職
生保のお仕事として真っ先に思い浮かぶのは、営業ではないでしょうか。実際に顧客とコミュニケーションを取りながら信頼関係を築き上げる重要な仕事です。営業職の中でも応対する顧客によってさらに細かく分けることができます。
個人営業
個人の顧客を対象に営業活動を行う仕事です。お客様個人個人に合った保険プランの提案が不可欠で、コミュニケーションを図りながらヒアリングをしていくことが必要になります。お客様が話しやすいような雰囲気づくりや、信頼関係を築き上げることが大切です。
法人営業
個人ではなく、法人を対象に営業活動を行う仕事です。その法人に在籍する従業員を対象に、コンサルティングも併せて営業していきます。
保険外交員
個人や法人を対象に、新たな保険契約を目的とした営業活動を行います。パンフレットなどで保険商品を紹介したり、お客様のニーズに合ったプランを提案します。
契約後もアフターフォローをしながら時間を掛けて信頼関係を築いていきます。保険外交員の場合、正社員ではなく個人事業主として保険会社と契約を結ぶのが一般的です。
企画・立案
時代の流れを読み取り、人々のニーズに合った保険商品を企画・立案するお仕事です。会社全体の業績を上げるためにも、需要のある商品を作る重要なお仕事です。
資金の運用
利益を確保していくために、保険料を資金運用する業務です。株式や債券、不動産投資など様々な投資を行い、リスクを分散させながら資金運用をしています。
生命保険会社の就職対策
資格を取得する
生保に就職するために必須の資格はありませんが、ファイナンシャルプランナーや簿記などを取得しておくといいかもしれません。
外回りなど移動が多い場合は、運転免許が必要なこともあるので学生のうちに取得しておくといいでしょう。
数学や統計学を使ってデータ分析やリスク解析などを行うアクチュアリーは、高度な知識を持つ専門職として、就活生のも人気がある職種です。しかしアクチュアリーになるにはアクチュアリー試験に合格する必要があります。
アクチュアリー試験は難易度が高いことで知られ、1次試験・2次試験とも合格率は1割程度となっています。合格するまで数年かかる人も多いので、学生のうちから資格取得に向けて勉強を始めておくと就活でも効果的なアピールになるでしょう。
インターンシップに参加する
多くの生命保険会社がインターンシップを実施しています。「総合職体験コース」「アクチュアリーの仕事を体験できるコース」など、文系と理系によってコースが分かれていることがほとんどです。
事業内容や社風を知ることができる、企業説明会のようなプログラムも多いです。ES(エントリーシート)や面接では企業を選んだ理由を必ず聞かれます。企業の特色や社風を理解するために、できるだけ多くの生命保険会社のインターンに参加するのがいいでしょう。
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生命保険会社(生保)で必要とされる人材とは?
保険会社で働くためには、様々なスキルが求められます。コミュニケーションスキルはもちろん、的確なプラン作りをする判断力、コツコツと業務をこなす継続力や持続力、新たな開拓をしていく行動力などが必要とされています。
また、職種によっては会計やプログラミングなどの専門的な知識が必要となります。実務経験を通して身に付くスキルもあるので、まずはどの職種で自分の長所が生かせるかも併せて検討してみると良いでしょう。
まとめ
いつの時代も就職先として安定した人気を誇る生保ですが、「安定」や「待遇面」などの表面的な理由で希望するのはあまりおすすめできません。仕事の大変な部分や現在の生保業界の傾向と今後の見通しなどを考慮し、どの企業が良いか、職種は何が良いかを具体的に検討しましょう。
生保業界の現場の雰囲気を体感するためにも、インターンやセミナーへ積極的に参加することをおすすめします。実際に生保で働く人の話を直に聞くことができるのは貴重な体験です。自分がなぜ生保への就職を希望するのかを明確にし、志望動機や自己PRの説得力を高めましょう。
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