持株会社とはどんな会社?代表的な企業や業務内容などを紹介!

企業について調べていると「持株会社(ホールディング・カンパニー)」と呼ばれる会社形態に出会うことがあります。あまり耳慣れない「持株会社」ですが、実は有名な大企業も持株会社なのです。

今回は「持株会社とはどんな会社か」について、代表的な持株会社の例や持株会社の業務内容をふまえながらご紹介します。

目次

持株会社とはどんな会社?

まずは持株会社とはどんな会社かを確認していきましょう。

持株会社とは

持株会社はほかの株式を保有することで支配する会社形態です。このとき支配する側の持株会社を「親会社」、支配される企業を「子会社(グループ会社)」と呼びます。

一般的には持株会社が親会社として支配する子会社は複数あり、それらの企業で「グループ」を形成します。このグループ全体の経営戦略や事業の方向性を定めていくのが持株会社の役割です。そして子会社は持株会社の定めた戦略に基づき、事業を行っていきます。

持株会社の種類

持株会社には「事業持株会社」「純粋持株会社」の2種類があります。

■事業持株会社
子会社の株式を保有しながら、自社でも事業を行っている会社です。自社の事業で利益を得られるのはメリットですが、自社の事業とグループ経営を両立できずにどちらかが滞る、グループ全体よりも自社の利益を優先してしまうといったリスクがあります。

■純粋持株会社
子会社の株式を保有することを目的とし、自社では事業を行わない会社です。子会社からの配当金で利益を得るため、親会社はグループ全体の利益を追求できます。
実はかつて純粋持株会社は独占禁止法で規制されていました。一方で事業持株会社は認められていたため、子会社をグループとしてまとめたい場合には事業持株会社を運営していたのです。しかし、1997年の独占禁止法改正に伴い、純粋持株会社の設立が解禁されました。

代表的な持株会社

多くの持株会社には「ホールディングス」や「グループ」と名前が付いています。持株会社の例としては、以下のような会社があります。
・株式会社セブン&アイ・ホールディングス
・株式会社大和証券グループ本社
・株式会社みずほフィナンシャルグループ
・株式バンダイナムコホールディングス

ただし、「ホールディングス」や「グループ」が名前に入っていなくても、持株会社である場合があります。
・イオン株式会社
・伊藤忠商事株式会社
・KDDI株式会社
・トヨタ自動車株式会社

持株会社の業務内容

持株会社の主な業務内容としては「会社の意思決定」や「M&Aの促進・防衛」が挙げられます。

会社の意思決定

持株会社の最も重要な業務はグループ全体の意思決定です。持株会社がグループの経営を担うことで、子会社は事業に集中でき、効率的に事業を進めていくことができます。
また、グループ内の子会社の得意不得意を理解し、お互いに協力できるようサポートすることで、グループ全体の売上アップも目指せます。

M&Aの促進や防衛

M&Aとは「Mergers(合併) & Acquisition(買収)」の略称で、複数の企業が1つの会社になる「合併」や、ある企業が別の企業を買う「買収」を行うことを指します。
持株会社が子会社をグループとしてまとめていると、新しく会社を買収したときも子会社とするだけでいいため、M&Aが進めやすくなります。一方、グループが経営の危機に陥った際には、一部の子会社のみ売却してグループを維持できます。また、持株会社が子会社の株式を保有しているため、子会社に敵対的買収を仕掛けられることも防げます。

持株会社のデメリット

持株会社には実は次のようなデメリットもあります。

グループの統率が難しい

持株会社はグループ全体の戦略は指示しますが、子会社の経営はそれぞれの経営者に任せています。そのため、子会社の経営者の力量によっては経営がうまくいかず、グループ全体に不利益をもたらす可能性があります。
また、子会社同士が協力し合うことが理想ですが、支配関係にある持株会社と子会社とは異なり、子会社同士は横並びの関係であるため、時に対立してしまうこともあります。
このような子会社によるトラブルを迅速に解消し、統率しなければならない点は持株会社の難しさといえるでしょう。

コストが増大する

持株会社と子会社は1つ1つが独立した企業です。そのため、1社ごとに「人事部門」「経理部門」などの部門を設けることとなり、グループ全体を維持するためのコストが膨大なものとなります。
重複する部門については別会社を作って任せたり、グループ全体としてバックオフィス機能を担う部門を作ったりと工夫してコストを抑えていく必要があります。

まとめ

持株会社とはほかの会社の株式を保有することで子会社として支配する会社形態です。複数の子会社をまとめてグループを作り上げ、そのグループ全体の経営戦略や事業の方向性を子会社に示します。
持株会社が経営を担うことで子会社は事業に集中できるほか、M&Aを促進したり、買収から子会社を守ったりすることができます。一方、持株会社のデメリットとしてはグループの統率が難しい点とコストが増大しやすい点が挙げられます。
株式会社セブン&アイ・ホールディングスをはじめ、実は多くの大企業が持株会社です。志望企業を選ぶ際にはぜひチェックしてみましょう。


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