ものづくり業界の志望動機はこう書こう!

ものづくりというと、その道を目指す、あるいは極めた職人が活躍する狭い業界と考える人も少なくありません。しかし、昨今の世の中のデジタル化推進によって、ものづくり業界は今や大きく進化を遂げています。新しいものや、これまでの既存のものにかけ合わせて新しいものを作り出すなど、ものづくり業界とはとても奥が深い業界です。

ここでは、ものづくり業界の業種や特徴、向いている人や、有利な志望動機の書き方などについて触れていきます。

目次

志望動機を書く前に、ものづくり業界の仕事を知ろう

製品を作って消費者に届ける仕事へのやりがいや、日本のものづくりへの貢献を希望する学生は文系理系を問わず多く、ものづくり業界は幅広い人気を誇っている業界です。その中でも、ソニー株式会社やトヨタ自動車株式会社などの、いわゆるメーカー系の企業は、今年度の就活においても非常に人気の企業でした。

一言でものづくり業界と言っても、インテリアや伝統工芸、食品など、ものづくり業界は非常に幅広い分野です。そこでここでは、ものづくり業界の特徴や職種を見ていきましょう。

ものづくり業界の特徴

一般的に「ものづくり」と聞いて思い浮かべる仕事は、工場での製造にかかわる作業や、職人の作業ではないでしょうか。しかしものづくりの仕事は非常に多岐にわたり、業種も100を超えると言われています。

こうした高い需要がある一方で、それに見合った労働力が確保できない、いわゆる人材不足の業種です。その理由には、昔の「きつい」「きたない」「危険」と言われる「3K」のイメージが挙げられます。加えて、来る高齢化社会によって生産年齢人口が減少することも追い打ちをかけ、さらなる人材不足の一途をたどると言われている業界です。

しかし、こうした人材不足の解消に向け、中小企業庁による「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の交付で、一定の条件を満たした企業は補助金を受け取ることもできるようになりました。厚生労働省でも、平成25年度から「ものづくりマイスター制度(若年技能者人材育成支援等事業)」を開始し、地域や学校などと連携した技術の継承・後継者育成を支援する制度があります。
そのほか、職業訓練の実施をするなど、ものづくり業界での仕事は、国をあげて支援する将来性のある職種なのです。

ものづくり業界の職種

ものづくり業界は非常に広く、仕事も多岐にわたります。機械製造や組み立てなどの「製造系」、パティシエ、陶芸職人や家具職人などの「職人系」や、画家・イラストレーターなどの「芸術系」、エンジニア、プログラマー、CADオペレーターなどの「IT系」、電気技術者や品質管理技術者などの「技術系」など、思いつくだけでも様々です。

また、同一の業種内でもいろいろな職種が存在するため、業務内容は非常に多様です。広い意味では、研究職ですらものづくりの仕事に分類されています。このように、ものを作ることに携わる仕事の全てを「ものづくり」と定義するならば、その種類は100を超えるでしょう。

ものづくりはこつこつと頑張れる人に向いている

ものづくりの業界は、職場でおしゃべりをしながらできるタイプの仕事とは異なり、目の前の細かい作業を長時間黙々とこなしていく業務が少なくありません。高い集中力や動作の無駄のなさ、ミスの少なさなどが要求される、職人性の高い職種です。

地道にこつこつと作業と向かい合える人が、ものづくり業界に向いています。だからと言って、エントリーシートの短所の欄に「人づきあいが苦手」などとは決して書かないようにしましょう。

印象の良いモノづくり業界の志望動機の書き方

それでは実際に、ものづくり業界を目指す人が書くと良いとされる志望動機について説明します。志望動機では、なぜその仕事に興味を持ったかのエピソードや、自分がその会社に就職した後何ができるか、どんな熱意を持っているかなどを書くのが良いでしょう。
そこでここからは、採用担当者の目に留まりやすい志望動機の書き方や内容について解説していきます。
志望動機に何を書けばいいか迷っている人は、この記事を是非お役立てください。

興味を持ったエピソード

志望動機を書くうえで、自分がなぜものづくり業界に興味を持ったかのエピソードは必須です。例えば、

「父親がバイクを趣味にしているので、小さいころから整備の様子を見ていました。その頃からバイクや車の整備に興味があり、そのため大学の専攻も機械に関わるところにしました。今は自分でもバイクに乗るようになり、簡単な点検は自分でもできるようになりました。」

などは立派な動機となるエピソードでしょう。

なぜその仕事をしたいと思ったのか、企業の事業と明確につながるエピソードがあることが理想的です。

この会社で自分が何をできるか

志望動機では、「自分ができる誰にも負けないこと」をアピールするのが一番大切です。ものづくりの業界でも、多くの業務がありますので、その中で自分に何ができるかを明確に表現しましょう。

そのためには、自分がこれまでに取り組んできた経験などと照らし合わせ、自分がやりたいと思う業務を決めておく必要があります。まず、あらかじめ業界研究や企業研究を十分に行う必要があるのは言うまでもありません。その過程で、「企業と自分の接点」を見つけ出しましょう。

集めた情報の中から、職場の雰囲気、仕事内容をイメージし、OB・OG訪問やインターンシップへの参加で自分に合うか合わないかを判断するのも良い方法です。

ものづくりへの熱意が伝わる内容で

ものづくり業界で取り組みたいと思う業務が、自分にとってこれまでに経験のない業務でももちろん構いません。最初は誰にとってもチャレンジです。何もわからないのですから、とにかく頑張って取り組む姿勢をアピールしましょう。

肝心なのは、自分がこの企業で何をどんな風に貢献出来るかを明確に伝えることです。自分の強みを織り交ぜてアピールしましょう。

ものづくり業界での評価が高まる志望動機

前章では、志望動機には、どのような考えのもとにエピソードを書いていくのが良いかを説明しました。業界研究を通してものづくり業界をよく知ることで、企業から望まれる人物像に近づけるのが理想的です。
それでは、採用担当者が目にとめやすい具体的なエピソードとは、実際にどのようなものなのかを見ていきましょう。ここからは、ものづくり業界を志望する場合の志望動機の良い例と、書かない方が良いとされる志望動機を解説します。

これからのものづくり業界を支える志望動機を

ものづくり業界では、新製品開発までのサイクルが短くなってきているため、絶え間なく開発や製造を行う必要性が高くなっています。そのため、業界内では常にアンテナを張り、主体的に感性を磨く人材が求められています。

また、製造業の役割は、社会を豊かにすることでもあります。製造に携わる人は、そうしたことに貢献したい意識、営業に携わる人では製品を世の中に広める意識を持って仕事にあたれることが大切です。ものづくりを通し、社会に影響を与える役割を担う意識を持ち、意欲的に仕事に取り組めることを志望動機に盛り込みましょう。

良いと考えられる志望動機の例

ものづくり業界にも様々な業種がありますが、良い書き方の例をひとつ挙げてみましょう。

「私は中学生当時から、貴社で作られている文房具である●●を愛用し、いつしかその製造に関わる仕事がしたいと思うようになっていました。高校時代に文具店でアルバイトをしていた際、●●が多くのお客様に購入される商品であることを知りました。様々な層に愛され、長く購入されているのを目の当たりにし、将来さらに貴社で働きたいと思うようになったことが志望のきっかけです。貴社へ入社できましたら、アルバイトで習得した積極性を活かし、業務知識を蓄え、責任感を持って業務にあたりたいと考えています。」

この志望動機には過去のエピソードや企業との接点、商品に対しての消費者目線と製造者目線を兼ね備えている点など、アピールポイントがたくさん含まれています。また、入社後も積極性を持って業務にあたるとあることからも、成長意欲を感じさせる良い志望動機です。

書くのを避けた方が良い志望動機

ものづくり業界の志望動機に書かない方がいいこともあります。例えば、その企業の商品が好きであることだけを志望理由にしているのは、動機としてはとても弱いと判断されます。その場合は好きな理由や、それについて研究をしているのかどうかも併せてアピールし、説得力を持たせましょう。

また、同業他社との研究は十分にしておく必要があります。他社の製品と比較することで、自社の商品の品質や機能性のアップに貢献できると考えてもらえるでしょう。具体的なエピソードも志望動機の根拠となるので必ず取り入れましょう。

自己分析は丁寧に深く

どの業界にも同じことが言えますが、自己分析や業界分析が深くまでされていないと、企業と自分の強みの適切な接点を見つけることができず、企業の業務に絡めて志望動機を書くことができません。あらかじめ時間をかけて自己分析を行い、「なぜこの仕事に就きたいと思ったのか」を明確にし、この企業だからできることや自分の情熱を併せて志望動機を伝えましょう。

まとめ

どんなにAIが発展したとしても、ものづくりはなくならないと言われています。それは、機械には「創造」ができないからです。技術や人工知能が発展しても創意工夫を凝らしたものづくりができるのは、「人」なのです。

また、手に職をつけていることは、将来的にも不安のない備えでもあります。そういった意味でも、ものづくり業界は大いに将来性を持った業種です。十分に検討した、ものづくりへの意欲が伝わる志望動機を書き、就活に生かしましょう。


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