就活生に人気の高い食品業界。人気のある業界で書類選考を突破するには、「志望動機」が重要なポイントとなってきます。
ここでは、志望職種別に具体的な例文を使って、「志望動機」の書き方でおさえておきたいポイントについて解説します。志望動機の説得力を高めるためにできることもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- ・食品メーカーの現状を知る
- ├業界は堅調に伸び19兆円規模に
- └食品業界をけん引する企業と商品傾向
- ・食品メーカーの志望動機がすらすら書ける文章構成3パターン
- ├パターン1:食品への熱意をアピールする
- ├パターン2:企業への熱意をアピールする
- └パターン3:食品業界で成し遂げたいことを軸にした志望動機
- ・【例文付き】食品メーカーの志望動機
- ├営業を目指す志望動機
- ├研究・開発職を目指す志望動機
- └マーケティングを目指す志望動機
- ・「志望動機」の説得力をより高めるためには
- ├OB・OG訪問をする
- ├食品を扱うアルバイトをする
- └インターンシップに参加する
- ・最後に
食品メーカーの現状を知る
まずは業界について知る必要があります。
業界は堅調に伸び19兆円規模に
現在、食品業界は19兆円を超える規模となっています。ここしばらく堅調な伸びを見せていますが、食品メーカーは円安に悩まされていることも見逃せません。日本は原材料のほとんどを海外から輸入しているので、円安が定着すると仕入れコストの高騰に繋がるのです。
人口が減り続ける日本ではなく海外へ打って出る企業も増えています。東南アジアはもちろん、日本食ブームの波に乗り、欧米へ進出する企業も少なくありません。全体の売上の中でも、海外での売上が占める割合も少しずつ大きくなっています。
食品業界をけん引する企業と商品傾向
食品業界で1兆円以上の売上をあげているのは、日本ハム、明治HD、味の素、山崎製パン。この4社で業界全体の1/4を占めています。最近では、同業他社と提携する例も増えています。
消費者が美容や健康への意識を向上させたことにより、美容成分の入った食品や、トクホなどの食品を製造するようになりました。環境に配慮した商品が好まれることもあり、こうした付加価値をいかにしてつけていくかが肝要となっています。
食品メーカーの志望動機がすらすら書ける文章構成3パターン
パターン1:食品への熱意をアピールする
食品に対して特別な思い入れがある人は、食品に対する思いや情熱をアピールするのがいいでしょう。
【食品への熱意を軸にする志望動機の構成】
1 食品に興味を持ったきっかけとエピソード
2 その企業を選んだ理由
3 企業にどんな貢献ができるか
まず食品に興味を持つようになったきっかけを述べます。実際のエピソードを用いてできるだけ具体的に語りましょう。次にその企業を選んだ理由を説明し、「自分ならこんな貢献ができる」というアピールで締めくくります。
「食」により多くの人々の健康をサポートすることは社会貢献につながります。やりたいことがまだ明確になっていない場合は、自分の興味や関心があることを通してどんな社会貢献ができるか考えてみてください。
パターン2:企業への熱意をアピールする
どうしても入りたい食品メーカーがある場合は、志望動機で企業への熱意をアピールするのがいいでしょう。
【企業への熱意を軸にする志望動機の構成】
1 志望する食品メーカーに興味を持ったきっかけ
2 具体的なエピソード
3 企業にどんな貢献ができるか
まずメーカーに興味を持ったきっかけを述べ、続けてな具体的エピソードを語りましょう。最後に「自分ならこんな貢献ができる」というアピールで締めくくります。
食品メーカーの志望動機では、そのメーカーが販売している好きな食品についての思い入れやエピソードを語る方法もあります。しかし「好き」だけでは志望動機として弱いため注意が必要です。「この商品が好きだから」「この企業に憧れているから」などの理由では表面的なことしか見ていない印象を与えてしまいます。
「なぜその企業を志望するのか」という志望動機に説得力を持たせるには、企業研究が欠かせません。その企業ならではの強みや、他の企業にはない特徴などを自分なりに見つけ出し志望動機に盛り込むようにしましょう。「業界や企業のことをよく研究している」と思わせることができれば熱意や志望度の高さをアピールすることができます。
企業研究では志望する企業だけでなく、ライバル企業も合わせて調べてみるとそれぞれの違いや特徴が見えてくるはずです。企業を比較するためには、インターンシップなども複数の企業に参加してみるのがおすすめです。
パターン3:食品業界で成し遂げたいことを軸にした志望動機
やりたいことをが明確になっている人は、夢や目標を軸にして志望動機を作成するのがいいでしょう。
【食品業界で成し遂げたいことを軸にする志望動機の構成】
1 成し遂げたいこと
2 その企業を選んだ理由
3 成し遂げたいことを実現するための知識や経験
まず一言で成し遂げたいことを言い切り、次になぜその企業を選んだのかを説明します。企業の特徴や強みを述べて、だからこそ自分がやりたいことが実現できると志望理由につなげましょう。最後に自分の知識や経験を盛り込んで自己PRもできるとさらにいいです。
理系の学生なら栄養や食品についての研究経験があったり専門知識があることは大きなアピールになるでしょう。食品に関わるアルバイトなど具体的なエピソードを語り、最終的にはどんな貢献ができるかをアピールして締めくくる書き方もあります。
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【例文付き】食品メーカーの志望動機
ここからは、どんな志望動機を書けばよいか、職種別に解説していきます。
営業を目指す志望動機
食品メーカーの中でも、採用人数が多いのが営業職です。営業職は、小売店に行って自社の商品を置いてもらうのが仕事。また、消費者に近い立場でもあるので、しっかり人とコミュニケーションをとりながら、自社の商品を広く伝えたいという気持ちをアピールしましょう。
【例文】
私は大学に入ってすぐ、ひどい風邪をひきました。一人暮らしのうえまだ頼れる友人もおらず、なんとか最寄りのスーパーまで食べ物を買いに行きました。しかしそのスーパーには手軽に食べられるような食品はなく、生鮮食品ばかり並んでいました。なんとか別のスーパーまで移動し、御社の○○という、すぐに温めて食べられるおかゆを買うことができました。その手軽さは本当にありがたく、心細かった気持ちが和らいだことを今でもよく覚えています。
就職活動を始めてから、小売店にどんな商品が並ぶかは食品メーカーの営業職によるものだと知りました。そこで私は、御社の商品を小さなお店にもどんどん広め、過去の私のような「欲しい商品がない」というミスマッチが起きないようにしたいと思っています。
また私は、学生時代にイベントスタッフのアルバイトを続けていた経験から、初対面の方とコミュニケーションをとるスキルを培ってきました。この能力をいかして小売店の方としっかり会話を重ねて、「あなたが担当なら、商品をおくよ」と言ってもらえるような営業を目指します。
研究・開発職を目指す志望動機
研究・開発職は商品を一から作り上げる部署。味や香り、成分を調整しながら売れる商品づくりをするのが仕事です。大学時代の研究分野をアピールしながら、なぜ商品を作りたいかをアピールしてください。
【例文】
私は大学時代、一人暮らしをしていました。初めは自炊をしていましたがだんだんと面倒になり、栄養が偏って体調を崩すことが増えました。そんなとき友人に勧められたのが、御社の○○という商品です。栄養補給がメインの食品に対しては味があまりよくないというイメージでしたが、それを覆すおいしさでした。そして日常的に○○を口にするようになってから、体調を崩すことが明らかに減ったのです。
この経験から私は、自分も一人暮らしでなかなか栄養のことを考えられない方の健康を支える食品を作りたいと思うようになりました。学部では分子栄養学を専攻していたので、ここで培った知識を活かして研究に取り組みたいと考えています。
マーケティングを目指す志望動機
新卒採用において、マーケティング職は狭き門です。だからこそ、学生時代に培ったマーケティング能力があるならそれを積極的にアピールしていきましょう。
【例文】
私は大学一年の文化祭のとき、所属していたサークルでかき氷屋を出店しました。しかし当日は肌寒く、また他にもかき氷屋があったことから売れ行きが悪く、ほとんど利益が出ませんでした。そこで二年目には自ら先陣を切って、「毎年何が売れているのか」「当日の気温はどのくらいになるのか」「他のお店では何を売るのか」などをリサーチしました。
さらに、同級生やサークルの友達にアンケートに協力してもらい、学生たちが何を食べたいと思っているかを調べました。その結果、文化祭当日は比較的気温が低いこと、全体的に出店内容がご飯ものよりスイーツ系に偏っていること、人ごみの中でほっと一息つけるものが求められていることが分かりました。ここから話し合いを重ね、コーンスープを販売。すると前年とは比べ物にならなほど売れ、全出店者の中で第2位の売上を獲得しました。
この経験から私は、ものを売るときのマーケティングの大切さを学びました。御社では昨年から健康食品の販売を始めていらっしゃると思います。この商品は、誰に、どう売れるのか、これをしっかりと見極め、まだまだ売り上げに占める割合が低いこの商品を、トップクラスの人気商品にしたいと考えています。
「志望動機」の説得力をより高めるためには
ここでは、志望動機の説得力を高めるためにできることをご紹介します。ポイントはより具体的な情報や実体験を得るということです。
OB・OG訪問をする
「どんな業界か」「どんな時にやりがいを感じるか」など、実際に食品業界で働いている先輩に話を聞いてみましょう。知り合いに食品業界で働いている人がいないか、親戚や友達に聞いてみてください。
知り合いがいない場合は大学の就職課などで相談すれば、食品業界で働くOB・OGを紹介してくれることもあります。
食品を扱うアルバイトをする
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで、食品を扱うアルバイトをするのもいいでしょう。「どんな商品が売れるているのか」「どんな工夫をすると商品が売れるのか」などが、体感できます。
実際に食品を扱った体験を盛り込むと他の就活生と差別化でき、「志望動機」の説得力もかなり高まるでしょう。
インターンシップに参加する
食品業界の雰囲気や仕事内容について理解を深めるには、食品メーカーのインターンシップに参加するのがいいでしょう。実際に就業体験ができるので、就職後のミスマッチも少なくなります。
インターンの体験を通して、自分の好きな仕事や成し遂げたいことなども自然と明確になってくるはずです。
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最後に
今回は、食品メーカーの志望動機についてご紹介しました。面接で熱意を伝えるためには、まず書類が通らなくてはいけません。面接官に「会ってみたい」と思われるよう、しっかりと練っていきましょう。
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