一括りに公務員といっても地方公務員や国家公務員などその種類はさまざまです。そのなかでも特別職とは大臣や国会議員、防衛省職員、自衛官などを指します。一般的な公務員とは仕事内容や資格に違いがあります。国家公務員特別職とはどんな仕事があるのでしょうか、仕事内容や特別職のなり方についてみていきましょう。
- ・公務員特別職とは
- ├国家公務員は「特別職」と「一般職」に分類される
- └特別職は三権分立に関わる公務員
- ・特別職の例・仕事内容
- ├総理大臣や国務大臣
- ├国会議員
- └裁判官・裁判所職員
- ・特別職に必要な資格
- ├公務員試験は必要ない
- └職業によって必要な資格は異なる
- ・最後に
公務員特別職とは
国家公務員は「特別職」と「一般職」に分類される
国家公務員は「一般職」と「特別職」に大別されます。一般職とは公務員試験を受けて採用される国家公務員のことです。行政系と技術系の各区分に分けられています。一般職の公務員には国家公務員法(国家公務員について適用すべき各般の根本基準等を定めた日本の法律)が適用されます。特別職は内閣総理大臣や大臣、裁判官などが挙げられます。
人事院によると平成29年度の国家公務員一般職が約28.5万人、特別職が約29.9万人とほぼ同じ割合の人数がいることがわかります。
画像引用元:国家公務員の数と種類(https://www.jinji.go.jp/booklet/booklet_Part5.pdf)
特別職は三権分立に関わる公務員
特別職と一般職の一番大きな違いは「国家公務員法が適用されない」ことです。内閣総理大臣や国務大臣などの政治的な公務員や裁判官や裁判官職員といった司法機関の公務員、防衛省の職員など三権分立の観点や業務の性質から国家公務員法の適用は適当ではないと判断されます。
ちなみに三権分立とは国の権力を、次のようにわけるという仕組みです。
法律を定める「立法権」(国会)
法律に沿って政策を実行する「行政権」(内閣)
法律違反を罰したりする「司法権」(裁判所)
権力が一箇所に集まらないようにして国民の利益を守っているのです。
特別職の例・仕事内容
特別職にはさまざまな職業があります。全く違う業務を行っているのでそれぞれの仕事内容をみていきましょう。
総理大臣や国務大臣
内閣総理大臣は日本のリーダーです。内閣のメンバーを決めること、内閣を率いて重要政策の決定すること、国会で政策や予算案、法律案について説明すること、国際会議に出席して世界に向けて日本の方針を説明したり問題解決に向けて話し合うこと、災害が発生した際や外国から危険が迫ってきている際に最高指揮官として指示をだすことが仕事内容となります。
国務大臣とは内閣を構成するメンバーのことで、総務・法務・文部科学・厚生労働などそれぞれの分野を担当します。国務大臣は総理大臣により任命されます。
それぞれの大臣で職務は変わるため、いくつか抜粋して紹介します。
法務大臣
法務省の行政事務を担当しています。外国人の在留・永住許可、死刑執行命令等を行います。
税務大臣
税制、財政投融資、国有財産の管理を行います。財務省と呼ばれ、国のお金を扱うポストとなっています。
復興大臣
東日本大震災の復興のために設立されました。復興に関する総合調整を行います。
国会議員
国会議員とは国会に属する議員のことです。主な仕事は「法律案の提出・審議・法律の制定」「国の予算を決めること」「外国との条約を審議すること」「政策を立案すること」です。
国会議員は選挙により選出されます。そのため国民に顔と名前を覚えてもらうことも仕事のうちです。
裁判官・裁判所職員
裁判官は、裁判所において判決を決定する仕事です。最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補、簡易裁判所判事の総称を「裁判官」と呼んでいます。
裁判には犯罪を起こした疑いがある人を扱う「刑事裁判」、民間人同士のトラブルについて争う「民事裁判」があります。いずれにしても裁判官は提出された資料を読み込み法律や過去の事例に当てはめることで判決をだします。裁判官になるためには、司法試験に合格して1年間の「司法修習」を受ける必要があります。司法試験に合格した人のなかでも優秀な成績を収めた人が裁判官として任官されるケースが多いようです。
裁判所職員とは、裁判所事務官・家庭裁判所調査官補のことです。裁判所事務官は、裁判の円滑な進行をサポートする業務に従事します。家庭裁判所調査官補は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの専門的な知識や技法を使い、家庭内の問題の解決や非行少年の立ち直りに向けた「調査」や「調整」に従事します。 いずれも裁判所職員(裁判所事務官・家庭裁判所調査官補)試験に合格する必要があります。
特別職に必要な資格
公務員試験は必要ない
公務員試験とは職種それぞれに実施されるもので、筆記試験は「教養試験」「知能分野」の2つに分けられます。筆記試験の合格者は面接試験を受験することになります。公務員一般職は公務員試験に合格して入庁することになりますが、特別職に関しては公務員試験を受験する必要はありません。
職業によって必要な資格は異なる
特別職に就くための共通の資格はありません。裁判官の場合は司法試験に上位で合格する必要がありますし、国会議員になるためには試験ではなく選挙で当選する必要があるように、職業によって必要な資格は異なります。
最後に
公務員特別職とは大臣や国会議員、防衛省職員、自衛官などを指しています。仕事内容や必要な資格も多岐に渡ります。いずれも就職するのが難しい職業ですが、興味があれば調べてみてください。
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