【具体例あり】関係会社と関連会社はどう違う?違いとメリットを解説!

就活をしていると「関係会社」や「関連会社」といった言葉を聞くことが多いですが、この2つの違いがわかっている就活生はほとんどいません。この記事ではわかりにくい2つの違いと具体的な企業例、関連会社で働くメリットを解説します。

目次

関係会社、関連会社とは?

はじめに金融情報サイトiFinance(https://www.ifinance.ne.jp/glossary/management/man123.html)を参考に関係会社と関連会社の定義を紹介します。

関係会社の定義

関係会社は広義には「事業上において、密接な協力関係にある会社」と定義されています。

また、連結会計上では子会社および持分法適用会社など、財務諸表提出会社と関係のある会社の総称をいい、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の第8条(定義)によると、財務諸表提出会社の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等(その他の関係会社)をいいます。

一方、株式公開審査における関係会社の概念については、財務諸表等規則で定義する範囲よりも広く捉えられ、人的関係会社および資本的関係会社のことと定義されています。

難しく感じますが、つまり親会社や子会社、関連会社などをまとめて関係会社としています

関連会社の定義

関連会社は、資本参加や役員派遣などによって、他の会社から支配を受ける会社のうち、子会社以外の会社をいいます。これは、ある会社が、出資・人事・資金・技術・取引等の関係を通じて、財務・営業・事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる、子会社以外の会社を指します。

なお、子会社とは、財務・営業・事業の方針を決定する機関(意思決定機関)を他の会社(親会社)によって支配されている会社のことです。

株式の50%超を親会社に所有されている会社のことを子会社と定義されている一方、子会社以外の会社の議決権の20%以上を所有していることが「財務諸表等規則」においては、関連会社の定義となっています。

関係会社と関連会社の大きな違い

関連会社は他の会社から支配を受ける会社のうち子会社以外の会社のことですが、関係会社は事業上において密接な協力関係にある会社全般をいいます。つまり、関係会社のなかに関連会社が含まれているのです。

混同しやすい表現

関係会社と関連会社以外にも子会社やグループ会社など違いがよくわからない表現があります。ここでは簡単にそれぞれの違いを解説します。

経理ドリブンのグループ会社と関係会社はどう違う?覚えておきたいグループ経営の関連用語(https://keiridriven.mjs.co.jp/136579/)によると、グループ会社とは親会社、子会社、関連会社を含むすべての会社を指します。しかし、グループ会社は法的に定められた言葉ではなく関係会社とはそこに違いがあります。

つまりまとめると、「グループ会社≓関係会社=親会社+子会社+関連会社+その他、関係性のある会社」という関係性です。

(参考:経理プラス 「子会社」と「関連会社」と「関係会社」って何?違いを理解しよう https://keiriplus.jp/tips/kanren_kankei_ko_chigai/)

いろいろな企業の子会社、関連会社

それでは具体的にどのような会社を子会社や関連会社というのでしょうか。ここではソニーと富士通を例に紹介します。

ソニーの子会社、関連会社

有価証券報告書(2021年4月1日-2022年3月31日)(https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/r3_q4.pdf)によると2022年3月31日時点のソニーの子会社数は1,521社、関連会社数は155社となっています。有価証券報告書からいくつかの子会社を紹介します。

(株)ソニー・インタラクティブエンタテインメント 
完全子会社。主な事業は「プレイステーション」に関するハードウェア、ソフトウェア、 コンテンツ、ネットワークサービスの企画、開発、販売と「toio(トイオ)」およびソフトウェア、コンテンツの企画、開発、販売。

㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント
完全子会社。主な事業は「アーティスト&ミュージック」、「ビジュアル&キャラクター」、「エンタテインメントソリューション」の3つ。

ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱
完全子会社。主な事業はものづくりサービス。

富士通の子会社、関連会社

有価証券報告書(2020年4月1日-2021年3月31日)(https://pr.fujitsu.com/jp/ir/secreports/2021/pdf/all.pdf)によると2021年3月31日時点の富士通の子会社数は371社、関連会社は56社となっています。有価証券報告書からいくつかの子会社を紹介します。

子会社
富士通フロンテック
完全子会社。主な事業はATM、店舗システム等の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

㈱PFU 完全子会社。主な事業は情報システム及びICT関連機器の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

㈱富士通ITプロダクツ
完全子会社。主な事業は各種サーバ、ストレージシステムの開発及び製造。

関連会社
㈱富士通ゼネラル
議決権に対する所有割合44.09%。主な事業は空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

富士通リース㈱
議決権に対する所有割合20%。主な事業は情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売。

子会社、関連会社で働くメリット

人気企業である親会社より就職難易度が下がる

子会社や関連会社で働くメリットの1つ目は入社しやすいという点です。親会社である大手企業は就活生に名前が知られており人気も高くなるためそのぶん難易度が高くなりますが、子会社や関連会社となるとそれほど応募数は多くありません。

親会社の福利厚生を使えることも

メリット2つ目は福利厚生です。企業によるため確認が必要ですが、子会社や関連会社は親会社の福利厚生が使えることがあります。大手企業は福利厚生が充実していることが多く、働きやすい環境が揃っているので大きなメリットになるでしょう。

最後に

関連会社は他の会社から支配を受ける会社のうち子会社以外の会社のことで、関係会社は事業上において密接な協力関係にある会社全般のことでした。似た表現ですが定義は全然異なります。就活の際には子会社や関係会社、グループ会社など似ている表現に気をつけましょう。


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