「上場企業」と聞くと「安定してそう」「なんとなく安心」というイメージが浮かぶかもしれません。しかし、上場企業のイメージだけで志望すると、就活中や入社後にミスマッチを起こす危険性があります。
そこで今回は、上場企業の概要と就活生にとっての上場企業のメリット・デメリットを解説します。
- ・上場企業とは
- ・就活で上場企業を選ぶメリットとは
- ├企業の情報が公開されている
- ├社会的信用が高い
- └給与や待遇が安定している
- ・就活で上場企業を選ぶデメリットとは
- ├就活も入社後も競争が激しい
- ├コンプライアンスが厳しく雑務が多い
- └チャレンジしづらい
- ・まとめ
上場企業とは
上場企業は証券取引所に株式を公開することで資金調達を行う企業です。「株式を公開する」というのは誰でも企業の株を売買できるようにすることを指します。厳しい審査基準を満たさなければ上場は認められず、2022年3月4日時点での上場企業数は3827社で、日本にある企業のうちわずか0.1%に過ぎません。
また、同じ証券取引所に上場していても審査基準の厳しさは区分によって異なります。例えば、東京証券取引所では「東証一部」がもっとも審査が厳しく、「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」の順に基準が緩和されます。
ただし、4月4日からは東京証券取引所の市場区分は「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」に再編されることが発表されています。上場企業を志望する方は動向に注意しておきましょう。
就活で上場企業を選ぶメリットとは
ここからは就活で上場企業を選ぶメリットについて解説していきます。
企業の情報が公開されている
株主が正しい情報に基づいて投資できるように、上場企業には以下の2つの情報開示が義務づけられています。
■法定開示
金融商品取引法や会社法などの法律に基づいて開示が義務づけられているのが「法定開示」です。上場企業は事業状況や財務諸表などが記載された「有価証券報告書」を内閣総理大臣に提出しなければなりません。提出された有価証券報告書は「EDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)」を通じて誰でも閲覧できます。なお、株主にいち早く情報を伝える決算内容を報告する「決算短信」や「四半期報告書」なども法定開示が義務づけられています。
■適時開示
株価に影響する出来事が発生したときに株主が適切に判断できるように迅速に知らせる必要があります。そこで正確性・公平性に配慮しながらも、タイムリーに情報を公表するように証券取引所が義務づけているのが「適時開示」です。適時開示では主に「決定事実」「発生事実」「決算情報」が求められます。それぞれ次のような内容です。
・決定事実:企業による意思決定の結果
・発生事実:企業の意思決定と関わりなく発生した事柄
・決算情報:企業の業績や決算内容など
企業を調べる上で情報を得やすいのは就活生にとってメリットといえます。
社会的信用が高い
ここまでお話してきた通り、上場企業の経営状況は開示された情報によって第三者もチェックできます。そのため、社会的信用を得やすくなります。また、上場企業は子会社の数やCMなど多くの人に名前が知られており、そのような面でも信用されやすいといえます。
社会的信用がある企業に勤めていると、クレジットカードや住宅ローンの審査にも通りやすくなるのが大きなメリットです。
給与や待遇が安定している
上場企業に出資する株主は、安定した利益を得るために企業に対して健全な経営を求めます。例えば、有価証券報告書では「離職率」も記載されています。離職率が高いと株主が「この企業の経営は不安定なのかもしれない」と判断し、出資を辞めてしまうかもしれません。そのため、上場企業は社員の給与や福利厚生、働きやすさにも配慮する傾向があります。
安定や働きやすさを求める就活生にとって上場企業はメリットがあるといえます。
就活で上場企業を選ぶデメリットとは
上場企業にはメリットだけでなく、デメリットもあります。後悔しないようにデメリットもしっかり確認しておきましょう。
就活も入社後も競争が激しい
先ほど上場企業のメリットとしてお話した「社会的信用が高い」「給与や待遇が安定しやすい」という点は、就活生には魅力的に映ります。その結果、多くの応募者が集まり、内定獲得までの倍率が非常に高くなります。また、入社した後も、昇給や昇進を目指す際には周りの社員と競い合うことになります。
常に競争を意識しなければならない生活に疲れてしまう可能性もあります。
コンプライアンスが厳しく雑務が多い
上場企業は常に社会や株主の目を意識して適正な経営を心掛けなければなりません。そのため、コンプライアンスや社内ルールなどが厳しくなり、コンプライアンスに関する研修が増えたり、報告書や始末書など書類作成といった雑務が多くなったりする傾向があります。
本来の業務に取り組みたいのに、細々とした雑務にわずらわされるのはデメリットといえるかもしれません。
チャレンジしづらい
株主は安定した収益を得るために出資しているため、リスクのある行動をあまり望みません。その結果、経営陣や社員が「新規事業にチャレンジしたい!」「これまでのやり方を変えたい!」と思っても、株主が納得しない場合もあります。
そのため、新しいことにどんどん挑戦したい人や変革を求める人には不満が募りやすい環境かもしれません。
まとめ
上場企業とは証券取引所での株式公開によって資金調達を行う企業です。
就活で上場企業を選ぶメリットとしては、次の3つがあります。
・企業の情報が公開されている
・社会的信用が高い
・給与や待遇が安定している
一方、就活で上場企業を選ぶデメリットとしては次の3つが挙げられます。
・就活も入社後も競争が激しい
・コンプライアンスが厳しく雑務が多い
・チャレンジしづらい
上場企業のイメージに捉われず、自分がどんな働き方を望んでいるかをよく考えた上で志望業界・志望企業を選ぶようにしましょう。
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