就職活動を始めたばかりの学生の中には、どんな業界があるのか分らない、そもそも業界と業種の違いも分らないという方がいるのではないでしょうか。
就活では「業界」を知っている前提で話が進んでいきます。既にある程度志望する業界が決まっている場合でも、改めてそれぞれの業種を見ることで、自分が目を当てていなかった分野を知る良い機会にもなります。
さらに業界研究を深める方法についても解説します。どのような業界があるのか理解して、就活の第一歩を踏み出しましょう。
- ・業種と職種の違い
- ・8つの業界
- ├メーカー
- ├商社
- ├小売
- ├金融
- ├ソフトウエア(IT)/通信
- ├マスコミ
- ├サービス
- └官公庁/公社/団体
- ・業界についてもっと詳しく知るには?
- ├業界研究の本を読んでみる
- ├OB・OG訪問をする
- └インターンシップに参加する
- ・最後に
業種と職種の違い
就活で当たり前に使われる言葉に「業種」と「職種」があります。簡単に解釈すると、「業種」は営む事業別に会社を分けたもの、「職種」は各会社内でのそれぞれの役割という風に捉えることができます。つまり、業種の中に職種があるようなイメージです。
就活を進める中で、志望する業界が決まっていて、その中で自分に合う職種を見つける学生がいる一方で、やりたい職種があり業界を絞っていく学生もいます。
8つの業界
世の中には120を超える業界があります。それを分かりやすくするために、就活の場ではいくつかに大別して話されることが多くなっています。ここでは、多くの媒体が分類するように8つに分けてお話します。
8業界は①メーカー、②商社、③小売、④金融、⑤ソフトウエア/通信、⑥マスコミ、⑦サービス、⑧官公庁/公社/団体とされることが多いです。それぞれの業界がどのような仕事・役割をしているか詳しくご紹介していきます。
メーカー
メーカーはモノの製造を行う、いわば製造業界です。私たちが着ている服から、工場の機械、ビルの塗装素材、お菓子まで全ての製造を指します。
服の繊維であるポリエステルやプラスチックなどを作る素材メーカー、ねじや部品を組み合わせて自動車を作るような加工組立メーカー、製薬会社や食品メーカーのように研究・開発・製造まで行う自社生産メーカーという風に大別することもできます。
メーカーは自社製品の営業、生産管理、研究開発、広報など職種が多岐にわたるという特徴があります。
商社
商社はメーカー同士またはメーカーと小売などを仲介する業界です。そのため、企業対企業のビジネスを国内外問わず行います。大きく二つに分類でき、総合商社と専門商社と言われています。
総合商社は「ラーメンからミサイルまで」と言われるほど様々な商材を取り扱い、事業投資も行うためビジネスの規模が大きい仕事をしたい人に向いています。日本に存在するのは7社で伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、双日、豊田通商になっています。
専門商社は事業投資よりも主に企業と企業の仲介を行います。伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワンや伊藤忠エネクスといった総合商社の子会社も多く見られます。他の業界より海外との関わりが深い仕事であるため、海外赴任があるかもしれません。
小売
小売はメーカーや卸売業者から仕入れた商品を、消費者に販売する業界です。百貨店、スーパー、コンビニ、専門店に分類することができます。
私たちが普段買い物をするときに使うお店が小売にあたります。業務としては、仕入れ、店頭での販売、販売促進の企画などがあります。
金融
金融は「お金」を扱う業界です。銀行、証券会社、保険会社、資産運用会社が含まれます。基本的に個人や法人(企業)に対して営業を行います。例えば銀行であれば、法人に融資や預金を頼んだり、個人にはそれに加えて人生プランに合わせた金融商品の提案を行ったりします。
会社によっては、資産運用や資産計画の助言をするフィナンシャルプランナー、企業の将来性や社会の経済動向などを分析する証券アナリスト、統計学を用いて保険料などを算定するアクチュアリーといった職種もあります。
ソフトウエア(IT)/通信
情報の分析・処理技術を利用して、業務の効率化を図るシステムやソフトウェアを開発したり、新規事業を展開したりします。職種としてはそれらの開発を行うシステムエンジニア・プログラマー、ITを用いて顧客の課題解決をするITコンサルタントなどがあり、世に広げるために欠かせない営業職も考えられます。
現在は多くの業界がIT(インターネット上の情報技術等)を利用していることから、今後もよりニーズが高まる業界と言えるでしょう。
マスコミ
マスコミはメディアを通じて多くの人に様々な情報を伝える業界です。新聞社、出版社、テレビ・ラジオなどを運営する放送局、これらメディアを通じて企業や企業の製品を宣伝する広告代理店が含まれます。
新聞/本/雑誌といった紙媒体の制作、テレビ/映画などの映像制作、専門技術者や編集者、ディレクター、脚本家など様々な職種があります。広告代理店でも、広告のアイデアを企画して形にする業務に携わることができます。
サービス
外食、ホテル・旅行、アミューズメント・レジャー、医療・福祉、教育といったサービス産業に加え、不動産、鉄道、航空、物流、電力/ガス会社といったインフラ系産業も含まれます。分野が多岐にわたるように、職種もそれぞれ異なります。
また、人材サービスもこの業界です。人材サービスは企業と求職者を結び付けたり、人材を派遣したり、そのためのツールを運営したりします。人に携わりたい人に向いてる職業です。
官公庁/公社/団体
官公庁/公社/団体は営利を第一目的としない組織を指します。いわゆる公務員と言われる職業です。公社・団体とは地方公共団体や学校、病院などのことで、利益が出にくいために民間企業が触れない事業を行います。
官公庁は、国と地方公共団体の役所の総称で、例えば都庁、県庁、市役所、区役所、町役場などが入ります。また、中央省庁や裁判所、国会、日本銀行などもこの業界に含まれます。
業界についてもっと詳しく知るには?
業界研究の本を読んでみる
より詳しいことが知りたい場合は、本やネットを活用して調べてみましょう。就活生向けに業界研究用の書籍が多数出版されているので、活用してみてください。
まずは多くの業界について書いてある本を読んでみて、どんな業界があるか知ることから始めるのがおすすめです。その中から特に興味がある業界をいくつか絞って、さらに詳しく調べていくのがいいでしょう。
OB・OG訪問をする
興味のある業界が絞れたら、OB・OG訪問をしてみましょう。実際にその業界で働いている先輩に話を聞くことで、業界への理解を深めることができます。
業界についての疑問があれば、どんどん聞いてみましょう。就活でどんなことに力を注げばいいかなど、聞いてみるのもいいですね。経験者ならではの有益なアドバイスが聞けるはずです。
インターンシップに参加する
業界研究をするなら、企業のインターンシップに参加してみるのがおすすめです。本やネットで調べるだけでは、業界について表面的なことしか知ることができません。
インターンシップに参加すると、その業界で働く社員の人と関わりながら業務内容を体験することができます。実際に仕事をしてみてわかることも多いでしょうし、自分に合っている業界かどうかを見極めるいい機会にもなります。
長期のインターンシップだけでなく、1日や数日で完結する短期インターンシップもたくさんあります。興味のある業界が見つかったら、積極的にインターンシップに挑戦してみてください。
最後に
業界のイメージはついたでしょうか?小売やマスコミのように身近な業種がある一方で、商社や金融、IT業界はまだまだ想像がつきにくいかもしれません。今回は業界を8つに分けて解説しましたが、業界の垣根を超えた事業を行う企業も存在します。業界にとらわれすぎず、広い視野で就活を進めていきましょう。
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