国家公務員の総合職と一般職はどう違う?

国家公務員は政策の企画立案を行う総合職と、主に事務作業で企画の実行を行う一般職にわけられます。この記事ではそれぞれの仕事内容と待遇の違いを解説します。

目次

国家公務員とは

公務員は国や地方自治体に勤務して社会の土台作りを仕事とする人のことで、国家公務員と地方公務員にわけられます。国家公務員は国の機関で働く公務員を指し、総合職と一般職があります。

総合職・一般職の違い

総合職と一般職の一番の違いは政策を企画するか実行するかです。総合職は「政策の企画立案等の高度の知識、技術または経験等を必要とする業務に従事する職員」と定義されており、政策の企画立案を行います。一般職は「主として事務処理等の定型的な業務に従事する職員」と定義されており、政策の実行を行います。

総合職・一般職の仕事内容

総合職と一般職の違いがわかったところでそれぞれの具体的な仕事内容を見ていきましょう。

総合職の仕事内容

総合職は将来の幹部候補生です。そのため中央省庁や出先機関で異動を繰り返しながら政策立案や法案作成、予算編成を行います。中央省庁勤務の場合は霞ヶ関での勤務になりますが、2~3年の感覚で地方げの転勤があります。

一般職の仕事内容

一般職は主に事務処理を通して政策の実行を行います。中央省庁と出先機関のどちらかでの採用され、中央省庁で働く場合は総合職と一緒に働くことになります。府省をまたいだ異動はなく、ずっと同じ府省で働くことになります。

総合職・一般職の年収

国家公務員の給与は法律で決まっており、「俸給表」の通りに支給されます。またこの公務員の給与は人事院により公開されています。「令和2年度国家公務員給与等実態調査結果」によると国家公務員全体の平均給与月額は416,203円となっています。

総合職の年収

総合職の年収は特別職として別の基準で給与が定められます。「俸給表」によると常勤の委員は約91万円、検査官や人事官は約119万円となっており、それに地域手当などが加算されます。年収で計算すると1500万円を超える場合が多くなっています。

一般職の年収

「俸給表」によると一般職の年収は600~700万円となっています。一般的には高い水準ですが、総合職と比べると大幅に低くなっています。

国家公務員になるためには

国家公務員になるためには国家公務員採用試験を受験して採用される必要があります。総合職と一般職では別の試験となっており、総合職は国家公務員採用総合職試験、一般職は国家公務員採用一般職試験(高卒・大卒)を受験します。

総合職になるためには

国家公務員採用総合職試験は「院卒者試験」と「大卒程度試験」に分かれます。一般職と比較して試験が極端に難しいことはないですが、総合職のほうがひねりがある問題が多くなっています。

第一次試験は基礎能力試験(多肢選択式)と専門試験(多肢選択式)、一般論文試験、専門試験(記述式)があります。第二次試験は人物試験となっており、個別面接が行われます。生まれ年や大卒または同等の資格があるなど受験資格を満たしていれば受験できます。

一般職になるためには

国家公務員採用一般職試験には「大卒程度試験」と「高卒者試験」、そして「社会人試験」があります。総合職と比較して科目や学習量はほとんど変わりません。

総合職試験と同じく、第一次試験は基礎能力試験(多肢選択式)と専門試験(多肢選択式)、一般論文試験、専門試験(記述式)があります。第二次試験は人物試験となっており、個別面接が行われます。

総合職と一般職の求められるスキル

採用試験を受けるにあたって特別な資格は必要ありません。しかし試験は科目が多くバランス良く勉強する必要があります。ある程度勉強時間を確保しなければならないため興味のある場合は大学1,2年生のうちから準備をはじめましょう。特に就活と並行して勉強する場合、手当たり次第に企業に応募してしまうとESや面接、その準備で勉強時間が取れなくなってしまうので注意が必要です。

実際に働きはじめてからは総合職の場合、転勤が多くなり多用な業務を行うことになります。新しい環境に順応する力も求められます。一般的な企業と違い仕事の出来で給与に変化はないため給与は安定しているものの、派手さはありません。堅実に責任感を持って仕事が出来る人に向いているでしょう。

最後に

国家公務員の仕事内容と総合職、一般職の違いについて解説しました。総合職は企画立案、一般職はその実行と業務内容も大きく異なります。どちらも倍率が高く難関です。早めに情報収集をして試験対策を行うようにしましょう。


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