就活生に人気の高い事務職ですが、仕事内容や働き方は多様です。大手企業・中小企業、そして都内・地方、一般職・総合職…さまざまな事務職の特色に応じて、働き方は大きく違います。
事務職とはいったい、どんな仕事なのか?今回は、事務職を目指す就活生のために、事務職についての基礎知識や働き方、向いている性格、いかせるスキルなどについて解説します。
- ・事務職ってどんな仕事?
- ├事務職の役割
- ├事務職の仕事内容
- └担当範囲は職場によって異なる
- ・事務職の種類はいろいろ
- ├一般事務
- ├営業事務
- ├人事事務
- ├総務事務
- ├貿易事務
- ├英文事務
- └医療事務
- ・事務職のメリット
- ├オフィスワークの基本を身につけられる
- ├勤務時間をコントロールしやすい
- └安定した職場環境
- ・事務職に向いている性格とは
- ├人を支えサポートするのが好き
- ├細かいことに気がつく
- ├コツコツ作業が苦にならない
- └自己コントロールができる
- ・事務職でいかせる資格・スキル・能力は?
- ├PCスキル
- ├コミュニケーション能力
- └英語力
- ・事務職の働き方はいろいろ
- ├大手企業と中小企業の事務職の違い
- ├都内と地方の事務職の違い
- └一般職と総合職での事務職の違い
- ・事務職で役立つ資格
- ├MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- ├日商PC
- ├ビジネス文書検定
- └TOEIC
- ・最後に
事務職ってどんな仕事?
事務職の役割
事務職はほかの社員のサポートをすることが多く、会社を支える立場であると言えるでしょう。サポートをする対象は個人であることもありますし、部署であることもあります。
事務職の仕事内容
事務職の仕事は、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?
①書類の作成・管理 仕事では、さまざまな書類が必要になります。営業で使われる見積書や請求書をはじめ、契約書なども欠かせません。会社内でも必要経費を申請するための書類や給与明細など、様々な書類があります。
これらの書類の作成を担っているのが事務職です。また、これらの書類をまとめて管理することも、事務職が行う職場が多いです。
②データ入力 売り上げや商品の在庫状況などを扱うデータを入力することも事務職の仕事です。パソコンを使って、スピーディーかつ正確に入力することが求められます。
③来客・電話対応 来客者が訪れたときに会議室や打ち合わせ場所に案内し、担当者に連絡することも事務職の仕事の1つです。また電話がかかってきた際に担当者に繋いだり、担当者が不在であればかわりに用件を聞いておきます。
担当範囲は職場によって異なる
他にも、備品の管理やイベントの運営などを事務職が担っていることもあります。会社や部門が違えば、サポートされる側が必要としていることも変わってくるものです。そのため同じ事務職でも、会社の規模や業界が違えば仕事内容は大きく異なります。
事務職の種類はいろいろ
一般事務
特定の個人や少人数のグループのサポートをするというよりは、部門全体などある程度大きなグループ内で円滑に仕事ができるようにサポートします。書類の作成やデータ入力が主な業務です。
営業事務
見積書・請求書など営業で必要な書類のを作成、取引先からの電話対応、商品の発送から納品までの管理などを行います。外回りが多い営業に変わって、電話やメールでお客様と直接やりとりをすることも多いです。
人事事務
社員の採用、異動・退職などに必要な手続きや給与計算などを行います。具体的な業務内容としては、社会保険の手続き、勤怠管理、給与計算などがあります。
総務事務
総務事務は会社の備品など会社にとって必要なものの調達や管理などが主な仕事となります。具体的には文房具やコピー用紙の発注、社内で必要なパソコンや機器の選定から発注なども行います。
貿易事務
貿易関連の事務を行うため、貿易に関する専門知識が求められます。貿易をするうえで必要な、税関へ申告するための書類作成や運送手配などを行います。
英文事務
国内だけでなく、海外の企業と取引するためには英語の書類が必要になります。その書類を作成するのが英文事務です。
医療事務
病院の受付や会計など、医療関係の現場で活躍する事務職です。一部専門的な知識を求められることもあり、さまざまな資格があります。
事務職のメリット
オフィスワークの基本を身につけられる
事務職では、パソコンのスキル、電話・メール対応、来客対応、社内の人とのコミュニケーション方法など、オフィスでの仕事で必要となるスキルを一通り身につけることができます。
事務職の経験者は資料作成やメールの書き方を知っており、最低限のビジネスマナーが身についているとみなされます。事務職で身につけたスキルは他の職種でもいかせるものが多いので、転職の際に有利になります。
勤務時間をコントロールしやすい
事務職は他の職種に比べて、勤務時間をコントロールしやすいというメリットがあります。事務職はルーティンワークが多く、1日のスケジュールが立てやすいためです。
事務職は残業が少なく定時で帰れる職場も多いため、プライベートの時間を大切にしたい人には嬉しいポイントです。
安定した職場環境
事務職は1日を通して、オフィスでのデスクワークが基本となります。外出や移動はほとんどありません。エアコンの効いたオフィス内で座って作業ができるため、体力に自信のない人でも安心して仕事ができます。
事務職に向いている性格とは
人を支えサポートするのが好き
事務職は縁の下の力持ちです。そのため、目立った成果があげられないことも多いでしょう。「自分が前に出るよりも人を支えるのが好き」「人の役に立ちたい」という人は事務職に向いています。
細かいことに気がつく
事務職は、みんなの気付かないことに真っ先に気付いて、トラブルを未然に防ぐことを求められます。細かなことにまでしっかり配慮ができる人は、事務職でその特性をいかすことができるでしょう。
コツコツ作業が苦にならない
ルーティンワークに飽きることなく取り組める人も、事務職に向いています。華々しい部署に比べて褒められることが少ないので、自己肯定感が強いのも大切な要素です。
自己コントロールができる
プライベートで感情が乱れて遅刻したり細かなミスをしがちになると、周囲に迷惑がかかってしまいます。自己管理がきちんとできる人は、安定して仕事を継続できるでしょう。
事務職でいかせる資格・スキル・能力は?
PCスキル
どんな事務職でも、基本的なパソコンスキルが必要になることがほとんどです。特に資格を求められることはありませんが、ワードやエクセルなど、書類作成に必要な一般的なソフトの使い方はマスターしておきましょう。
コミュニケーション能力
事務職には、高いコミュニケーション能力が求められます。職場にもよりますが、基本的に事務職はチームメンバーや他部署の人など、人と関わることが多い仕事です。社外の人とやりとりする場合は、ビジネスマナーも身につけておく必要があります。
英語力
貿易事務や英文事務の場合、英語力は必須です。一般事務でも、外資系企業や海外展開をしている企業だと、英語の資料を作成したり、外国人の社員と接する機会もあります。英語力が高いと、就活の選考でも有利になるでしょう。
事務職の働き方はいろいろ
大手企業と中小企業の事務職の違い
一番のポイントは、規則に厳密か、それとも自由度が高いか、です。たとえば大手企業の場合、新人研修は長期間にわたり一斉に行います。そこで告げられた原則を遵守することが社員に強く求められます。
就業規則や指示系統が中小企業に比べて明確なため、その原則に合うか合わないかをもとに判断する力が求められます。また、大手企業では多くの社員と関わる機会があるため、どんな人とも当たり障りなく関われる人が向いています。
一方、中小企業の場合は採用人数も少ないため、新人研修の時間をしっかりと持たないまま、現場に入り即戦力として鍛えられる傾向があります。幅広い経験が積めることがメリットとなりますが、上司によって判断が異なる場合も多いので、社員には柔軟性が求められます。
正社員になると、1日の大半が働く時間となります。自分が過ごしやすい環境、付き合いやすい人間関係をふまえて働き方を選択することも忘れないようにしましょう。
都内と地方の事務職の違い
これはとある大手企業の人事の方に聞いたお話ですが、都内と地方では事務職に求められる資質が実は異なるのだそうです。
都内の事務職には、たたずまいや服装などに好印象が持てる洗練された人が選ばれる傾向があり、地方の事務職には、愛嬌のある機転のきく人が選ばれることが多いそうです。この傾向、一理あると思いませんか?
都内の企業は社員の入れ替わりも激しく、社員の士気を上げるためには、ぱりっとした新入社員が求められます。ときにはライバルとして身をひきしめ、あるときはプライベートでもお近づきになりたくなるような洗練された輝きを持った人が自然と求められるようです。
一方、地方の事務職の場合、社員数が少ない傾向があり、一人あたりの仕事の割合が大きくなります。与えられた仕事だけでなく機転をきかせて仕事をすることが求められるため、何事にも熱心に取り組もうとする姿勢が大切です。
また、社員は一度働き出すと自分の役割が明確になり、会社に定着する人が多くなります。そのため、雇用主も仕事を頼みやすい愛嬌のある性格を重要視するようです。
一般職と総合職での事務職の違い
銀行や保険会社はとくに、一般職と総合職の違いを明示しています。企業によって枠組みが異なるので、自分が志望する会社については、事前に違いをしっかりと確認しましょう。
一般的に、一般職と総合職の大きな違いは、転勤の範囲と業務内容の2つです。一般職は転勤先が自宅から通える範囲の数カ所に限られる場合が多く、総合職は全国転勤、そして海外転勤の可能性もあります。
結婚などにより途中から一般職に変更したい、という方もいると思います。しかし、会社の都合で働き方を途中から変えることができない場合もあるので、気になる方は事前に確認をしておくことをおすすめします。会社の人事の方ではなく、OB・OGに率直な感想を聞くことで、現実味のあるアドバイスがもらえます。
一般職の業務は窓口対応や屋内での事務が多いのに対し、総合職は営業の仕事も含みます。総合職は将来昇進していくことも期待されるので、プライベートと仕事の比重について、自分の大切にしたいものを見つめた上で選択することをおすすめします。
事務職で役立つ資格
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSは、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。「ワード」「エクセル」「パワーポイント」などの、マイクロソフトオフィスが一通り使用できるという証明になります。
マイクロソフトオフィスはどの企業でも、事務職の仕事では非常に使用頻度の高いツールです。取得しておくと就活でパソコンスキルのアピールとして使えるでしょう。日商PC
パソコンスキルを証明する資格として、「日商PC」という資格もあります。日本商工会議所が主催するパソコンの試験で、パソコンスキルの検定試験の中でもかなり難易度は高いです。
験は「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野に分かれており、ベーシック、3級、2級、1級と階級に応じて難易度が上がっていきます。知識試験と実技試験があり1級となると難易度は非常に高いですが、受験資格は特にないので大学生でも受験可能です。
ビジネス文書検定
ビジネス文書検定は、報告書や取引先とのメールなど、ビジネス文書の作成に必要となる知識や技能を認定する試験です。
文章作成は事務職の基本となる業務の一つなので、一定のスキルが身についていることを証明できれば就活でも有効なアピールになります。
TOEIC
外資系企業での一般事務や営業事務、貿易事務などの場合は英語力が求められます。海外とのやりとりが多い商社での事務職でも、英語力が必要になるシーンは多いです。
外資系企業でなくても海外進出している企業は増えていますし、海外企業との取引をする企業は今後さらに増えていくでしょう。英語力を身につけておくと、就活の企業選びの際に選択の幅が広がります。
就活で英語力をわかりやすくアピールするには、TOEIC公開テストを受験しておくのがおすすめです。履歴書にTOEICスコアを書くなら、最低でも600点以上は取得しておきたいところです。
最後に
事務職といっても、企業の規模や特色に応じて働き方は様々。まずはあなたの性格、人生設計をもう一度見つめ直すことが大切です。自分に合った働き方が明確になれば、企業探しの軸もぶれないでしょう。
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