近年、インターンシップを行う企業が増えています。インターンに参加する学生から見ると、実際に就職をする前に企業の様子を知ることができたり、自分をPRしたりすることができたりと説明会とは別のメリットが多く見られます。また企業側から見ても、自社のことを知ってもらうと同時に就活生をより深く知ることができるという絶好の機会と言えます。
しかし、これは民間企業だけの話だから公務員志望の自分には関係ないし……と思っていませんか?実は公務員にもインターンシップはあります。ただし公務員の採用は筆記試験と面接によって決まりますので、民間企業とインターンシップの扱いは同じではありません。
では、公務員のインターンシップに参加する必要はあるのか?こちらの記事では、特にインターンシップの募集が多い地方公務員にスポットを当てて解説します。
- ・公務員のインターンシップに参加するメリット
- ├仕事が自分に合っているか分かる
- ├志望動機が具体的になる
- └人脈を繋ぐことができる
- ・地方公務員のインターンシップの内容
- ・公務員のインターンシップの募集について
- ├インターンの時期
- ├募集人数と選考
- └募集例
- ・注意点・民間のインターンシップとはここが違う
- ├希望する部署に配属されるのは難しい
- └報酬・給与の支払いはない
- ・公務員のインターンシップはどうやって探せばいい?
- ├自治体のホームページ
- ├就職課やキャリアセンター
- └インターンシップ専門のサービスを利用する
- ・まとめ
公務員のインターンシップに参加するメリット
公務員に採用されるためには公務員試験に合格する必要があります。これは絶対的な条件ですので、わざわざインターンに参加する必要はあるのか、と考える方も多いと思います。
特に「公務員も視野に入れているけれど、第一志望の企業は別にある」という方は尚更悩みますよね。
こちらでは公務員のインターンシップに参加した場合のメリットを3つご紹介します。
仕事が自分に合っているか分かる
2週間程度のインターンシップであれば、実践的な内容が多く含まれていますので、「この仕事が自分に合っているか否か」を知ることができます。
また1日体験であっても、職場の様子を直に感じたり、実際に働いている方に直接質問したりすることで、仕事に向いているのかどうかわかります。
志望動機が具体的になる
前述の通り、話を聞くだけでは分からなかった仕事内容を体験することにより、仕事に対する理解が深まります。これからどの様に仕事をしていきたいのか、という具体的な理由付けにもなるでしょう。
人脈を繋ぐことができる
インターンシップ中に知り合った職員の方に質問をしたり、具体的な話を聞いたりすることもできるかもしれません。採用に直結する訳ではありませんし、希望する部署の方ではないかもしれませんが、この先に仕事をしていく中で助け合うこともあるかもしれませんので、積極的にコミュニケーションをとりましょう。
地方公務員のインターンシップの内容
役所や役場の他、県警や消防署など色々な自治体でインターンの募集が行われています。その内容は職場見学やセミナーが中心の1日体験から、2週間程度の職業体験・実習まで様々です。
地方自治体の行うインターンシップはスケジュールやカリキュラムがしっかりと組まれており、単なる職場見学だけでなく配属先ならではの職業体験ができます。話を聞くだけではイメージできなかった仕事内容の理解も深まりますので、本格的な就活が始まった際の志望動機にも繋がるでしょう。
■例:東京都庁のインターンシップ
各部署・課に配属され、実践的なプログラムを行います。グループワークや書類作成など室内業務の他、公共施設の工事現場の視察、水道水質の検査、道路整備の視察などの現場へ赴き、実際の仕事を体験します。
また、それぞれの成果を発表したり、疑問点や不明点を職員に質問したりする場が設けられていることが多いようです。話で聞くだけでは分からない・実感が湧かない業務を肌で体験できますので、仕事に対する理解がより深まります。
公務員のインターンシップの募集について
インターンの時期
民間企業と同じく、夏期、秋期、冬期に多く募集が見られます。しかし必ず時期が決まっているというものでもありませんので、気が付いたら募集が終わっていた、ということにならないように気をつけましょう。
募集人数と選考
公務員のインターンシップは、基本的に受け入れ人数が非常に少ないです。若干名、もしくは時期をずらして1名ずつという場合もあります。
また、個人情報や機密情報を扱う環境でもありますので、誰でも簡単に職業体験ができるという訳にもいきません。その為、希望者が多い場合は書類選考や抽選が行われて参加の可否が決定されます。
募集例
東京都が毎年行うインターンシップの場合、2021年度の募集は以下のように告知されました。
※一部抜粋。詳細はHPをご確認下さい。
都庁の仕事研究セミナー(事務職)
概要
講義・ワーク・若手職員との座談会を通して、行政の仕事・都庁の仕事を深く知ることができる1day仕事体験。
開催日
1回目 令和3年9月6日 14:30~17:00
2回目 令和3年9月21日 14:30~17:00
対象者
東京都の仕事に関心のある大学生、大学院生(高等専門学校4年生以上も可)
開催場所
オンライン
都庁ICT職インターンシップ
概要
都が保有するオープンデータを用いて、現状の把握や分析、課題の発見と仮説立案をグループワークで行い、 ICT職の仕事の一つである「データの利活用」を疑似体験
開催日
令和3年9月14日~15日(2日間)
対象者
東京都のICT職の仕事に関心のある大学生、大学院生(高等専門学校4年生以上も可)
開催場所
オンライン
福祉職・心理職1day仕事体験
概要
子供、障害児(者)や家族のために働く、都庁の福祉職・心理職とは︖仕事内容や魅力をお伝えする1day仕事体験
開催日
令和3年9月13日(月)
対象者
福祉職又は心理職に関心があり、下記に当てはまる大学生、大学院生
・福祉コース
社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、児童指導員又は児童自立支援専門員のうち、
いずれかの資格をお持ちの方、または取得予定の方
・心理コース
臨床心理学など、心理学に関する知識をお持ちの方
開催場所
オンライン
都庁技術職を知る1day仕事体験
概要
計画→設計→ 施工→管理・運営のうち計画の工程に関連する、自然災害(台風・豪雨)への備えを高める施策検討を先輩職員と一緒に行う
開催日
令和3年9月22日(水)
対象者
土木職・建築職・機械職・電気職のいずれかに関心のある大学生・大学院生・高等専門学校生
開催場所
オンライン
インターンシップ以外でも通年でセミナーやWEB説明会が行われています。都庁での募集を紹介しましたが、地方自治体によって募集時期や人数が異なります。自分が行くかもしれない自治体のホームページをこまめにチェックするようにしましょう。
注意点・民間のインターンシップとはここが違う
希望する部署に配属されるのは難しい
上述の通り、公務員のインターンシップは募集人数が少ない上に、希望者も多いため希望する部署に配属されるのはなかなか厳しいでしょう。
とはいえ、今まで知らなかった・興味のなかった仕事内容でも、実際に触れることで得られるものも多いはずです。イメージが変わることもあるかもしれません。折角の機会ですので、ぜひ挑戦してみましょう。
報酬・給与の支払いはない
民間企業の場合、通常のアルバイトのように報酬や給与が支払われる場合もありますが、公務員のインターンシップはほぼ無給です。あくまでも「職業体験」「研修」という位置づけですので、期間中に発生する費用は予め試算しておきましょう。
公務員のインターンシップはどうやって探せばいい?
民間企業の場合、インターン専門募集サイトや求人サイトなど、インターネット上でも幅広く募集がかけられています。しかし公務員のインターンシップの募集は、民間企業のように注目されているものではありません。
だからこそしっかり自分で見つけ出す必要があります。ここでは、公務員のインターンシップ募集の探し方を紹介します。
自治体のホームページ
公務員のインターンシップを探すなら、まずは自治体のホームページをチェックしてみましょう。各自治体が、直接募集をしていることが多いです。
ホームページにインターンシップの募集要項が出ているので、募集時期や応募方法、申し込みの締切などは事前にチェックしておきましょう。
不明点がある場合は、早めに解消しておく必要があります。自治体に電話で直接問い合わせてもいいです。
就職課やキャリアセンター
公務員のインターンシップを探している場合、大学の就職課やキャリアセンターなどで相談してみましょう。
公務員のインターンシップは、大学でまとめて募集している場合があります。大学での募集は、自治体の募集よりも締め切りが早い場合が多いので気をつけてください。
官公庁などのインターンシップは、大学経由でないと応募できない場合もあります。また、大学の推薦状が必要な場合もありますので、必ず事前に募集要項を確認しておきましょう。
インターンシップ専門のサービスを利用する
インターンシップ参加を考えているなら、インターンシップ専門のサービスを活用するのもおすすめです。
希望の勤務地や業種などで絞ってインターン募集を検索できるので、インターンシップ情報を効率的に調べることができます。サイトに登録すれば、そのまま応募できることもあるので、応募も手軽です。
まずはこうしたサイトに登録して、情報収集から始めるといいでしょう。
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まとめ
公務員志望の場合でもインターンシップに参加することにより、得られるものは多くあります。参加必須ではありませんが、スケジュールと募集要項を確認し、できるだけ参加することをお勧めします。
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