就活をしていると「ベンチャー」や「スタートアップ」という言葉を耳にすることがあるでしょう。学生の中には、「ベンチャーやスタートアップに就職したい」「そういった会社を起業したい」、と考えている方もいると思います。
ほとんど同じ意味だと思っている人も多いようですが、実際に「ベンチャー」と「スタートアップ」には、どんな違いがあるのでしょうか?ここではベンチャーとスタートアップそれぞれの特徴、相違点や共通点などについて詳しく解説します。
- ・スタートアップってどんな企業?
- ├スタートアップの意味
- └日本の有名なスタートアップ企業
- ・ベンチャーってどんな企業?
- ├ベンチャーの意味
- └日本の有名なベンチャー企業
- ・スタートアップとベンチャーの違いは?
- ├ビジネスモデル
- ├収益モデル
- ├存在意義
- └成長スピード
- ・ベンチャーとスタートアップの共通点は?
- ├設立間もない企業
- └経営者や従業員が若い
- ・ベンチャーやスタートアップはどんな人に向いてる?
- ├変化や刺激を求める人
- └早く成長したい人
- ・最後に
スタートアップってどんな企業?
スタートアップの意味
スタートアップ(Startup)とは、元々はIT企業が集まるアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉で、企業形態を示すものではありません。
「これまで市場になかった新しいビジネスモデルを短期間で成長させて、利益を得ることを目的に集まった一時的な集合体」という意味で使われます。法人設立していない場合もあります。
安定した収益モデルを作り企業として定着するのではなく、短期間で急成長し、可能な限り利益をあげるためにピーク時に株式上場したり、買収されたりすることを目的にしています。GoogleやFacebookも、当初は小さなスタートアップでした。
日本の有名なスタートアップ企業
リバーフィールド株式会社
東京工業大学の研究をもとに、医療ロボットを開発しているスタートアップ企業です。東レエンジニアリングなどから8億円の投資を受け、内視鏡操作システムや、次世代手術支援ロボットシステムを開発しています。
株式会社メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を行っています。2018年6月に東証マザーズに上場しました。
ベンチャーってどんな企業?
ベンチャーの意味
ベンチャー企業にも明確な定義はありませんが、一般的には、以下のような特徴がある企業のことを指します。
・成長過程にある若い会社
・ベンチャーキャピタルなどの投資機関から資金援助を受けている
ベンチャー企業では、市場においてある程度受け入れられると確信の得られたビジネスを、既存のビジネスモデルをベースに展開します。
安定した収益と長期的な成長を見込み、企業として定着していくことを目的としています。大企業では実践しにくい実験的なビジネスに挑戦したり、小回りの効く経営を行っているのも特徴です。
日本の有名なベンチャー企業
株式会社クラウドワークス
日本最大級のクラウドソーシングのためのマッチングサイト「クラウドワークス」を運営。2014年には東証マザーズへの上場を果たしています。
グリー株式会社
ゲーム事業をはじめ、メディア事業、広告事業など、インターネットを用いた様々な事業を展開しています。2008年12月には東証1部に上場しています。
スタートアップとベンチャーの違いは?
混同して使われることの多い「スタートアップ」と「ベンチャー」ですが、具体的な違いをポイントごとに見てみましょう。
ビジネスモデル
スタートアップ
これまで市場になかった全く新しいビジネスモデルを創出します。
ベンチャー企業
既存のビジネスモデルを参考にしたうえで、新しい技術や高度な知識を活かしたビジネスやサービスを生み出します。
収益モデル
スタートアップ
収益モデルを確立しないまま起業をスタートさせる場合も多いです。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などのサポートを受けながら、事業を進める中で徐々に収益モデルを確立していきます。最終的に株式公開や買収などで大きな収益を得ることを目的としているため、それまで収益ゼロというケースも少なくありません。
ベンチャー企業
中長期的な成長を見越して、ある程度の収益モデルを確立してから起業します。日本では、収益が見込まれないと投資が受けられないためです。
存在意義
スタートアップ
世の中に新しい価値を与え、社会貢献できるサービスや商品を提供することを存在意義としています。
ベンチャー企業
新しい価値や社会貢献という意義は必ずしも持たず、既存のビジネスモデルを扱うこともあります。企業として成長するために、中長期的な目線で安定したビジネスを展開します。
成長スピード
スタートアップ
短期的に急成長させることを目的にしています。急激な成長をさせるためには資金が欠かせず、アメリカではエンジェル投資家などがスタートアップの資金援助を行っています。
日本でもベンチャーキャピタルのスタートアップに対する資金援助は増えていますが、アメリカのように早い段階(起業前や起業直後)に多額の資金援助されるケースが少ないため、日本ではスタートアップが生まれにくいと言われています。
ベンチャー企業
将来的に株式公開するために、会社を長期的に成長・存続させようと考えている企業が多いです。そのため成長スピードは必ずしも早くはありません。
ベンチャーとスタートアップの共通点は?
設立間もない企業
ベンチャーもスタートアップも、設立から数年以内の企業を指します。一般的には設立からだいたい5年以内の企業が、「ベンチャー」や「スタートアップ」と認識されることが多いです。
経営者や従業員が若い
どちらも経営者が若いことが多いです。従業員も若い世代が多く、20代から30代の野心を持った人材が集まる傾向があります。
ベンチャーやスタートアップはどんな人に向いてる?
変化や刺激を求める人
どちらも大企業に比べて実験的なビジネスを行えるうえ、スピード感もあることから、仕事において刺激的な経験をすることができます。
「これまで社会になかった新しいものをつくりたい」「新しいやり方を試したい」という気持ちがある人には向いているでしょう。
早く成長したい人
ベンチャーやスタートアップは、「少数精鋭」という特徴があります。大企業のように人員に余裕がないため、一人が抱える仕事も多様になります。
覚えることもたくさんありますが、若いうちから多くの仕事を経験し、責任を持って働くことができます。それだけ多くの知識や経験を得ることができ、早いスピードで成長することができます。
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最後に
スタートアップとベンチャーの違いは理解できましたか?スタートアップやベンチャーへの就職、起業を考えている方は、2つの違いをよく理解して、自分の望む仕事や働き方が実現できるのはどちらの企業なのか見極めてください。
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