就活を始めると、「大手病」という言葉を聞くことがあります。「大手病」とはどんな状態を指し、どんな問題があるのでしょうか?ここでは大手病の定義や基準と、その克服法についてお伝えしていきます。
- ・大手病の意味とその弊害
- ├大手病って何?
- ├自分は大手病?
- └大手病の弊害
- ・大手病になりやすい人
- ├高学歴の人
- ├プライドの高い人、周りの目を気にする人
- └企業選びの基準が曖昧な人
- ・大手病を克服するには?
- ├企業選びの基準を明確にする
- ├やりたいことを明確にする
- ├周囲の意見に流されない
- └中小企業に就職するメリットを知る
- ・優良中小企業の特徴
- ├社員の勤続年数が長い
- ├社員を大切にしている
- └女性が活躍している
- ・優良中小企業の見つけ方
- ├BtoB 企業にも注目してみる
- ├視野を広げてみる
- └インターンシップに参加してみる
- ・最後に
大手病の意味とその弊害
大手病って何?
まずは、「大手病」の定義からご説明していきます。大手病とは、就活において、大手企業にしか目が向かない状態のことを指します。
就活生は、知っている企業から選考を受ける傾向にありますから、大手企業に応募が殺到するのは致し方ありません。
自分は大手病?
大手病には明確な定義や基準がないので、自分が大手病かどうか判断するのは難しいかもしれませんが、次のような考え方をしている人は要注意です。
・大手企業なら業績が安定している
・大手企業ならやりがいのある仕事ができる
・大手企業に就職したら周囲の人に自慢できる
金融なら3大メガバンクしか受けないなど、その業界のトップ3の企業しか受けていないという人は、大手病の可能性が高いです。
大手病の弊害
企業によっては倍率が1000倍を超えることもあり、内定をもらうには非常に狭き門であるのが大手企業です。大手企業の選考ばかり受けて、内定をなかなかもらえないのが大手病の弊害です。
大手病は、新卒社員の「早期退職」のリスクを高めることも考えられます。知名度やブランドイメージで志望企業を決めると、入社してから「思っていたのと違った」と後悔することになりかねません。
大手病になりやすい人
では、大手病になりやすい人はどんな人なのでしょう?。下記に当てはまると思った方は要注意ですよ!
高学歴の人
高学歴の人はエントリーシートが通りやすく、また勉強が得意で筆記試験もパスしやすいため、就活の初期は比較的うまくいくことが多いです。しかし、倍率の高い人気企業ばかり受けていると、面接で志望動機やコミュニケーション能力を見られて、挫折をすることになるのです。
志望動機や熱意といった部分は就活生が軽視しがちな部分ですが、大手企業の選考を勝ち抜いてくるのは、しっかりとしたPRポイントを持っている学生ばかり。志望動機が甘ければ、たちまち選考に落ちてしまいます。東大であろうと、早慶であろうと、しっかりと対策をしなければ結果が出ないのが就活なのです。
プライドの高い人、周りの目を気にする人
「知らない名前の企業には行きたくない…」と思っている人はいませんか?それはどうしてなのか、自分に問いかけてみましょう。「そんな名前の会社知らない」と言われるのが嫌だから、人に自慢したいから、という理由で大手企業を選んでいませんか?
周りの目が気になるからという理由で通過できるほど、大手企業の選考は甘くありません。付け焼き刃の志望動機を伝えても、人事は就活生を何万、何十万人と見てきたプロ。その企業でやりたいことがあって入りたいのか、プライドだけで入りたいのかは、面接をすればすぐにお見通しです。他人にどう思われるか、ではなく自分がどうしたいか、を考えましょう。
企業選びの基準が曖昧な人
就活で、みなさんはどういった基準で企業を選びますか?ここで、「とりあえず」というフレーズが出てくる学生は要注意です。「とりあえず知ってるとこなら間違いない」とか、「とりあえず、安定してるし大手かな」といった理由で大手企業を選んでいても、そんな学生を企業がほしいと思うでしょうか?
採用する側の立場になれば、おのずと答えは出てくるものです。大手病になりやすい人すべてに共通しますが、企業選びの基準が希薄なために、志望動機も希薄になってしまうのです。
私は新卒の就活の際に、大手企業のグループ企業だから安心、という安易な気持ちで入社した企業が入社2年で潰れかけ、致し方なく転職をした経験があります。また、金融大手はAIの発達に伴い、現在大幅な人員削減を進めています。もはや大手企業だから安心、という時代ではないのですから、自分なりの基準を持つことが非常に重要です。
大手病を克服するには?
では、大手病を克服するにはどうしたら良いのでしょうか?ここからは、より具体的にその方法をお伝えしていきたいと思います。
企業選びの基準を明確にする
はじめに、働くにあたって自分が何を重視したいか、をしっかり考えましょう。仕事内容、給与、勤務地、休日、研修制度など、企業を選ぶ基準はたくさんあります。
その中で、自分が譲れないこと、あった方がいいこと、どちらでもいいこと、といったグルーピングをして、基準に優先順位をつけていき、その上で企業を見ていくと良いでしょう。
おそらく、勤務地を重視したい人は全国転勤の企業はミスマッチを引き起こしますし、辞めずに長く働きたい人が定着率の悪い企業を選んでしまっても、またミスマッチになります。
こういった基準を明確にしてみると、大手企業だからといって、ただちに自分にとって良い企業とは言い切れないのではないでしょうか?
やりたいことを明確にする
上記では、企業選びの基準についてお伝えしましたが、企業から与えてもらうことばかり考えていても、就活はうまくいきません。「何をやりたいか」や、「自分の力をどう活かしたいか」ということを企業に伝える必要があります。
それに、やりたいことが明確になると、それを実現できる企業を探すことになるので、「大手だから」という理由で安易に企業を選ぶことにはなりません。
今までみなさんはどのような経験をしてきて、どのような喜びを感じ、何を得意としていますか?そういった自己分析をすることによって、やりたいことを明確にしていってください。
周囲の意見に流されない
大手病になる人は、周囲の人の意見に流されやすい傾向が見られます。親に大手企業に就職しろと言われたり、周りの友達が大手への就職にこだわっているのに影響されて大手思考になる人も少なくありません。
周囲の意見や考えを参考にする柔軟性は必要ですが、自分の価値観や考えをしっかりと持つことを忘れないでください。周りの人がどう考えるかどう思うかでなく、自分がどうしたいのかを一番大切にするのが就活で後悔しないコツです。
中小企業に就職するメリットを知る
中小企業やベンチャーへの就職は、大手にはないメリットもあります。大手ほど人材が足りていないことが多いので、入社後すぐから多様な経験ができたり、個人の裁量も高い傾向があるので成長スピードが早いことも多いです。
大手とは違って経営陣との距離が近いため、会社全体のしくみや業務の流れ全体を知ることもできます。
優良中小企業の特徴
そうはいっても、どのように企業を見つければいいのかわからないという方も、中にはいらっしゃると思います。中小企業であったり、知名度の低い会社の中で、どのように優良企業を見つければ良いのでしょうか?
社員の勤続年数が長い
例えば、「安定している会社」を探したければ、社員の平均年齢を見るのはひとつの手です。あまりに平均年齢が低いと、何らかの理由で社員が定着していないと推測できます。
離職率や勤続年数を確認してみるといいでしょう。また、社員数に対して、募集人数が多過ぎる企業も、同じ理由で注意が必要です。
社員を大切にしている
優良企業は社員を大切している企業が多いです。企業の業績や売上ももちろん大切ですが、社員が満足して働ける環境を整えることに力を注いでいる企業は優良企業と言えるでしょう。
福利厚生が充実しているかどうかなどは、求人情報などからもある程度わかることです。働き方に柔軟性があるかどうか、しっかりとした教育体制ができているか、社員のサポートが充実しているかなどにも注目してみてください。
女性が活躍している
さらに、女性が活躍できる企業を探すのも、安心して働ける企業の目安になります。結婚や出産を経て、子育てをしながら働ける環境が整っているかどうかを確認してみてください。
育児休暇の取得実績がどれくらいあるか、また、子育てサポート企業として「くるみんマーク」を取得しているか、などもポイントのひとつになるでしょう。
優良中小企業の見つけ方
BtoB 企業にも注目してみる
知名度が低くても、その業界では高いシェアを獲得していたり、高い実績を上げている企業はたくさんあります。
BtoB 企業はCMをしていないことが多いので、一般消費者ではなく企業を取引先にしている会社の中で優良企業を見つけるのも良いでしょう。
視野を広げてみる
企業を探すときは、できるだけ視野を広げてみてください。大手企業に限定したり、特定の業界・職種しか見ていなかったりすると、本当に自分に合う企業や仕事を見逃してしまう可能性があります。
興味がなかった業界も少しは調べてみたり、時には合同説明会にも参加してみると、今まで注目していなかった魅力的な企業に出会えるかもしれません。
インターンシップに参加してみる
企業の本当の魅力というのは、会社説明会やホームページの情報からだけではわからないことも多いです。インターンシップに参加して実際に仕事を体験したり社風を体感してみるのがいいでしょう。
インターンに参加すると、やりがいのある仕事や魅力的な先輩社員など、実際に会社で働いてみてはじめてわかる発見がたくさんあるはずです。
聞いたことがない企業でも魅力的な職場がたくさんあると気付けば、志望企業の選び方も変わってくるでしょう。
最後に
就活を始めてすぐは、大手に興味を持つのは致し方ありません。しかし、そこから自分なりの基準を持って、企業選びができるかどうかで、大手病から脱却できるかが決まります。みなさん一人ひとりにとって、良い企業が見つかることを願っています。
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