試用期間中にクビになることはある?有給やボーナスなどについても解説

新卒社員は「入社したから安泰」という訳ではありません。実は入社してしばらくは、あなたの働きを見定める「試用期間」となっているのです。

今回は、新卒入社の試用期間で企業が何をチェックしているのか、そして試用期間中にクビになることはあるのかを解説します。

また、有給やボーナスなど試用期間中についてのよくある疑問や新卒入社の試用期間にクビにならないための注意すべきポイントについても合わせてご紹介しています。この記事を読めば、新社会人になる方が働く上での不安が1つ軽減できるはずです。

目次

新卒の試用期間にクビになることはある?

試用期間の目的は「しっかり働いてくれるか」を見ること

企業が試用期間を設けている目的は、次のような点からあなたが「しっかり働いてくれるか」をチェックすることです。

・遅刻や欠勤がないか
・勤務態度が良いか
・周りの社員と協力しながら働けているか
・上司や先輩からの注意を素直に受け入れられるか

これから一緒に働く上で必要なスキルを身に着けているかを確認しています。試用期間の長さに明確な決まりはなく、企業によって異なります。試用期間は1~6ヶ月の期間で設定されていることが多いです。

試用期間開始後14日以内なら急にクビになることもある

労働基準法第20条では、労働者を解雇する30日前に予告をするか、予告の代わりに30日分以上の平均賃金を支払わななければならないことが定められています。しかし、試用期間が開始されてから14日以内の労働者には、この法律は適用されません。

これは、労働基準法第21条で「解雇予告、解雇予告手当に関しては試みの使用期間中の労働者には適用しない。ただし、試用期間が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない」と定められているからです。

つまり、試用期間開始後14日以内であれば、急にクビを宣告されてしまうこともあるのです。

正当な理由なくクビにすることはできない

試用期間だからと言って、どんな場合でもクビにできる訳ではありません。 クビになってしまう条件としては、次のようなものがあります。

・遅刻が多い
・無断欠勤を繰り返す
・仕事に必要なスキルが明らかに不足している
・採用面接で言っていた内容と実際のあなたに違いがある
・入社後に病気やケガになり、業務に支障が出ている

以上のように、誰から見ても「クビにすることに合理性がある」という場合に限られます。

試用期間は延長されることもある

企業によっては「もう少し様子を見たい」と思い、試用期間を延長することがあります。ただし、企業が一方的に試用期間を延長することはできません。

試用期間を延長する場合には、次のという2点を満た必要があります。

・就業規則に「試用期間を延長する可能性があること」「延長する理由」「延長する期間」などが記載されている
・企業と労働者とで「試用期間をいつまで延長するのか」などの文書を交わして合意する

試用期間についてよくある疑問

試用期間中の給料や残業代は?

試用期間中であっても、企業は従業員に給料や残業代を支払わなければなりません。試用期間中は給与が少なめに設定されていることもありますが、最低賃金以下の給料になっていたり、残業代が支払われない場合は明らかに企業に問題があります。

雇用契約書には、試用期間中の給与や福利厚生などについて記載されているはずなので、しっかりと確認しておきましょう。

試用期間中に有給は発生する?

企業は雇用から6ヵ月を経過した場合、従業員に有給休暇を付与することが法律で義務付けられています。雇用から6ヵ月を経過していて8割以上出勤していれば、試用期間中でも有給は付与されなければなりません。

法律では雇用から6ヵ月とされていますが、有給付与のタイミングは企業により異なります。試用期間は6ヵ月程度のことが多いので、実際には試用期間中に有給休暇が付与されることは少ないです。

有給が付与される条件については雇用契約書に記載されているはずなので、気になる方は契約書や就業規則を確認してみてください。

試用期間中でもボーナスはもらえるの?

試用期間中にボーナスがもらえるかどうかは、企業により異なります。入社から間もない初年度の夏のボーナスはもらえないか、もらえたとしてもかなり額が少ないケースが多いです。数ヶ月分のボーナスがもらえるのは冬のボーナスからと考えておくといいでしょう。

試用期間中に退職したら給料はもらえない?

試用期間中に退職した場合でも、働いた分の給料は受け取ることができます。しかし、試用期間中に退職する場合でも、いつでも辞めていいというわけではありません。「退職の何日前までに退職を申し出ること」と決められているはずですので、就業規則に従いましょう。

新卒の試用期間にクビにならないために注意すべきポイント

経歴詐称は絶対NG

就職活動で自分を良く見せたい気持ちは誰にでもあります。しかし、エントリーシートや履歴書などに嘘を書いたり、面接で嘘をついたりすると「経歴詐称」になり、入社後に嘘をついていたのが発覚すると、正当な解雇理由になります。

もちろん、試用期間が終わったとしても、発覚時に問題になることは変わりません。入社前からクビになるリスクを背負うことになりますので、経歴詐称は絶対にやめましょう。

良い勤務態度を心掛ける

試用期間に良い勤務態度を心掛けることも、クビにならないために重要です。周りの社員を不快にさせない言葉遣い・ふるまい・身だしなみなども、勤務態度としてチェックされるポイントとなるので注意してください。

新卒入社の場合、社会人としてのスキルが不足しているのは仕方ありません。それでも、新しいスキルを学ぼうとする意欲や、指導や注意を真摯に受け止める姿勢、昨日よりも成長しようと前向きに取り組む態度が求められます。。

もし試用期間中に解雇されたら

会社と話し合いの場を持つ

まずは会社の上司や人事担当者と話し合いの場を持ちましょう。冷静になり話し合ってみることで、自分にも非があったことに気づけるかもしれませんし、解決策が明らかになることもあります。

話し合いの場で、まずは解雇の理由をしっかり聞くことが重要です。納得できない理由の場合、不当解雇である可能性もあります。身近な同僚や信頼できる職場の先輩などに相談してみるのもいいでしょう。

理不尽に解雇されたら労働基準監督署や弁護士に相談

「試用期間中、真面目に働いてきたつもりなのに、突然解雇を告げられた…」そんな時には、労働基準監督署に相談してみましょう。

労働基準監督署とは、企業が労働基準法を守っているかを監督する機関で、労働基準法に違反した理不尽な解雇については企業に指導を行います。

しかし、理不尽な解雇そのものの撤回などには対応してくれませんので、その場合は弁護士への相談がおすすめです。厚生労働省が設置した「総合労働相談コーナー」でも、相談に乗ってくれるでしょう。

まとめ

この記事では、新卒入社の試用期間にクビになるかどうか、そしてクビにならないために注意すべきポイントをご紹介しました。

新卒入社の試用期間は「しっかり働いてくれるか」をチェックする期間で、もし問題があれば、試用期間開始後14日以内なら急にクビを宣告されることもあります。

新卒入社の試用期間でクビにならないためには、エントリーシート・履歴書・面接で嘘をつかないこと、そして日頃から良い勤務態度を心掛けることが大切です。

万が一、理不尽に解雇されたら労働基準監督署や弁護士に相談するようにしてくださいね。


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