【業界研究】プラント業界の現状・仕事内容・就活対策を解説!

プラントというのは英語で工場を意味する言葉で、プラント業界は大型の生産・設備工場の建設をする業界です。生活に欠かせない業界でありながら、内情を知っている方は少ないと思います。この記事ではプラント業界の現状や仕事の内容、またプラント業界に就職するにはどんな対策が必要かについてまとめています。

目次
  • プラント業界の現状
  • ├国内の市場拡大を望むのは現状難しい」
  • ├海外の市場は増加傾向
  • └コロナ禍やデジタル化の影響がある可能性も
  • プラント業界の仕事は業種によって様々
  • ├EPCは建設工事の手配を担う
  • ├サブコンは一部の設備やメンテナンスを担当
  • ├実際の建設作業をする作業員
  • ├工事の過程をサポートする商社
  • └プラント建設に必要な機器を作るメーカー
  • プラント業界の就活対策
  • ├新聞やニュースを利用した業界研究
  • ├志望理由を明確にする
  • └インターンに参加する
  • 最後に

プラント業界の現状

近年は短いスパンで社会の在り方が大きく変わっていくため、就職先を探すにあたって業界の現状を知るのはとても大事な事です。この項目ではプラント業界の現状について国内外の市場、コロナ禍やデジタル化から受ける影響について解説しています。

国内の市場拡大を望むのは現状難しい」

国内のプラント建設需要は、電力関連、ごみ処理設備、医薬品製造工場、特殊化学系設備などに限定されており、これらの建設は全国的にほぼ完了している状態です。実際にプラント業界の受注額も近年は横ばいで、既存の設備をメンテナンスしたり改築したりといった受注が国内市場のメインになるだろうと言われています。

プラントの寿命は20~40年であり、定期的なメンテナンスも必要なので、すぐに国内の市場がなくなってしまう可能性は低いです。エネルギー関連のプラント以外の開拓も国内プラント市場の課題とされているので、そこが解決されれば市場が広がる見込みもあります。しかし国外市場が主力になる可能性が高い業界だということはしっかり覚えておきましょう。

海外の市場は増加傾向

国内市場が横ばいなのに対し、国外からの受注は増加傾向にあります。特に開発途上国ではまだプラントの建設が完了していない国が多く、暫くの間は高い需要が見込めます。石油やガスのエネルギー需要も増えていく兆しがあるため、エネルギー関連設備の建設も数多く注文が入ると予想されます。

アジア地域には中東や韓国、中国といった安い金額で注文を受けるライバルも多いため、品質重視の顧客から確実に注文を受けることが日本のプラント業界の目標です。石油業界では日本のプラントエンジニアリングが高く評価されているため、業界全体としてもこのような顧客を大切にしようという流れがあります。

コロナ禍やデジタル化の影響がある可能性も

幅広い業界に痛手を与えているコロナ禍ですが、プラント業界もそのあおりを受けています。世界的に経済が停滞したため、海外からの受注が多いプラント業界はかなり新規案件数や投資額を減らしてしまいました。

業界全体にデジタル化の動きが見られるのも注目ポイントです。設備の状況管理などの基礎的な部分には既にデジタル技術が用いられている場合も多く、建設プロジェクトの管理などの複雑な業務もデジタル化されていくでしょう。デジタル化の流れを受けて、これからのプラント業界はIT技術を持った人材の需要が増えるだろうという予測もあります。

プラント業界の仕事は業種によって様々

一言でプラント業界と言っても、建設には多くの過程があるので、様々な業種が含まれています。EPC、サブコン、作業員、商社、メーカーのそれぞれについて解説しているのでぜひ参考にしてください。

EPCは建設工事の手配を担う

EPCとは設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)をそれぞれ差す言葉です。EPC従事者はプラントの所有者からどんなプラントを建設したいのかを聞き、プラントの仕様に予算や期日を加味し、建設計画を立てます。

プラント業界の仕事はこのEPCから始まります。この後全ての過程の基礎になる計画を立てる仕事なので、マネジメント能力やプランニング能力が大切な業種です。

サブコンは一部の設備やメンテナンスを担当

サブコンはプラント全体の建設ではなく、空調や排水設備など一部の設備を担当します。竣工後の保全やメンテナンスを行うこともあり、名前の通り建築過程のサブになる部分を仕事としています。

サブコン企業の多くはプラントだけでなく病院や商業施設などの設備も扱っています。プラント業界の一部でもあり、建設業界でもある業種です。

実際の建設作業をする作業員

作業員はEPCやサブコンから依頼を受け、建築現場で作業をします。依頼元の提示した予算や期日にしたがって作業を進めていくためハードな計画をこなす力が必要です。建設工事にも様々な過程があるため、作業員の中にも土木系、電気系、配管系などの区分があります

工事の過程をサポートする商社

プラント関連機器を専門としている商社も、プラント業界の業種の一つです。建設用の機器のみを扱う商社もあれば、建設自体の受注まで行う総合商社もあります。

仕事は幅広く、プラント所有者の希望に合わせた機器を選んだり、建設に携わるメーカーの間を取り持って工期通りに工事が完了するサポートを行います。プラント建設には多数の企業が関わるため、その橋渡しを行う商社の役割は非常に重要です。

プラント建設に必要な機器を作るメーカー

メーカーは、プラント建設に必要なボイラーやタービンなどの製造を行っている会社です。一般的な建設現場では使われない機器が多くあるため、それぞれの機器に特化した老舗が成熟した市場を持っており、数社による寡占が多く見られる業種です。高まっている海外需要に対して、既存の製品で応えられるという強みも持っています。

プラント業界の就活対策

プラント業界は近年の社会的な変容の影響を多く受けており、内情が目まぐるしく変わっています。そんなプラント業界を志望する場合、どのような対策を取るべきなのでしょうか。この項目ではプラント業界の就活対策を3つとり上げているので興味があるという方は参考にしてみてください。

新聞やニュースを利用した業界研究

どんな業界の就活でも、新聞やニュースで内情を調べておくのは大事なことです。特にプラント業界は近年の変化が目覚ましいため、しっかり研究しておくことをおすすめします。

海外需要が高まる兆しがあるので、国内だけでなく国外のニュースにも気を配ると良いでしょう。国内市場では石油業界からの受注が特に大きいので、石油を取り巻く状況も確認しておくとより業界への理解が深まります。

志望理由を明確にする

プラント業界の特徴は、一つの建設プロジェクトに多数の企業が関わり、それぞれの役割が細分化されていることにあります。どの業種も専門性が高い業務を行うため、志望の際はどの業種に就きたいのか、なぜその業種なのかを明確にしておくことが必須です。

自分のスキルや、どんな人物を目指すのかを踏まえて希望する業種を決めましょう。志望する業務が限定的であるほど意思の強さのアピールに繋がるので、業界の中でどんな役割を担当したいのかというのはしっかり突き詰めておくのが大切です。

インターンに参加する

プラント業界に関わる企業のインターンに参加するのも就活の対策になります。現役の社員からの業務についての説明、職場見学、業務体験は効率的な業界研究の方法です。

プラント建設の過程は、なかなか知る機会が得られないものです。参加を通して業界への適性を確認することも可能なので、プラント業界に興味がある方はぜひインターンの参加を検討してみてください。

最後に

近年のプラント業界は、社会に合わせて大きく変化しているので、研究がなかなか難しい業界です。将来性もあり、様々な業種が協力しあって生活に欠かせない設備を建設している魅力ある業界なので、この記事を読んだ方が関心を持ってくれれば幸いです。


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