素材メーカーの業界研究、就職活動対策

製品の原材料となる素材を作り出す素材メーカーは、私たちが生活するうえでなくてはならない存在です。しかし、実際に手にする製品そのものを作っているわけではないため、具体的にどんな事業を行っているのかイメージしにくいと思います。

そこで、代表的な素材メーカー6社を例にあげ、事業内容や特徴について紹介します。また、営業職、研究開発職の仕事内容や就活対策についても解説するので参考にしてください。

素材メーカーの業界研究、就職活動対策
目次

素材メーカーについて

素材メーカーとは?

製品の原材料となる素材を開発・加工し、製造メーカーや消費財メーカーなどに販売することで利益を得る素材メーカー。

素材メーカーが取り扱う素材は、繊維、ガラス、鉄鋼製品、紙・パルプなど多岐にわたり、企業によって扱う素材も異なります。

素材メーカーの特徴

素材メーカーのビジネスは消費者相手ではなく、企業と取引をする「BtoB」の取引です。さまざまな商品のベースとなっている「素材」ですが、身近に感じられない就活生も多いと思います。

しかし素材がなければ商品は製造できません。多くの人々の生活を支えている重要な業界と言えます。

素材メーカー業界は、社会の変化の影響を受けやすい業界です。IT化が進めば紙の需要が減少し、パルプなどの紙の原料の需要も低下します。経済や市場動向の変化などの影響をダイレクトに受けるというのも素材メーカーの特徴でしょう。

素材メーカー業界の動向

人口減少により市場規模は縮小傾向にあり、生産拠点の縮小・統合なども進んでいます。しかし、日本の素材メーカーは世界でも高く評価されており、海外進出に積極的な素材メーカーも増えています。

近年は環境問題に配慮した新しい素材の開発に力を入れる企業も多く、社会の変化や動向に合わせて求められる新しい素材を開発できる人材が求められるでしょう。

代表的な素材メーカー

素材メーカーのイメージが湧きやすいように、代表的な6社の特徴を紹介します。

旭化成

総合原料メーカーとして、一つの事業に主軸を置かず多種多様な事業展開をしています。素材では合成ゴム、ポリウレタンや人工皮革、建築材、半導体、バッテリーなどを生産しています。

その他、クレラップのような一般向けの消費財、へーベルハウスのブランドで知られる住宅事業まで、幅広い事業展開です。

採用は分野別に行っており、事業内容によって分社化もされているので自分が興味のある分野の業界について深く掘り下げて調べるとよさそうです。

新日鐵住金

国内売上No.1の鉄鋼メーカーです。売上のおよそ9割を鉄鋼業で賄っていることから、鉄に対する思い入れがある人が向いています。

新素材に負けない鉄の魅力は何か、日本の高品質な鉄を海外にどう広めるかなど、持論を持って面接に臨むとよいでしょう。

社風は、日本の高度成長期を支えてきた企業であることから、古きよき日本企業といった感じです。体育会系で、上下関係や礼儀などが大切にされています。

東レ

世界的に競争の激しい繊維業界。数々の素材メーカーが繊維事業から撤退するなか、残り続ける底力のある企業です。

ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの繊維だけでなく、軽くて強度の高い炭素繊維の分野にも注力しています。炭素繊維は航空機や自動車、スポーツ用品など、さまざまな分野の商品に使われる需要の高い素材です。

近年は事業拡大のために、海外への進出も活発なため、グローバルに活躍できる人材、新しいことに挑戦する力のある人材が求められています。

花王

消費財メーカーのイメージの強い花王ですが、界面活性剤や高級アルコールなど、洗剤や化粧品に欠かせない原料を生産する「ケミカル事業」も展開しており、素材メーカーとしての顔も持っています。

花王の大きな特徴は、ケミカル事業で得られた利益を、自社の消費者向け商品に還元していることです。自社の原材料を質のよい洗剤や化粧品の生産に役立て、そこで得られた利益からさらによい商品をつくって消費者に届けるというシステムは、他社では真似できません。

AGC

世界最大手のガラスメーカーであるAGC。板ガラス、自動車ガラスという、ガラス業界の2大事業において大きなシェアを誇ります。特に自動車ガラスにおいては、トヨタ、ホンダ、日産、マツダがAGCのクライアントであることからも、シェアの大きさがうかがい知れます。

挑戦心の強い社風で、ガラス事業で十分な売上を得ているにも関わらず新事業を立ち上げるなど現状に甘んじません。

「易きになじまず難しきにつく」を基本精神にかかげている企業です。「ガラス業界トップだから志望した」などという発言は避け、新しいことに挑戦したい気持ちや、現状に満足しない向上心があることをアピールしましょう。

帝人

繊維メーカーとしてのイメージの強い帝人ですが、近年はヘルスケア事業にも主軸を置き、医薬や在宅医療などの分野にも着手しています。

売上も、素材系事業よりもヘルスケア事業のほうが高いほか、新卒採用でもヘルスケア事業に就く学生のほうを多く募集するなど、ヘルスケア事業を展開する企業としての色合いが濃くなりつつあります。

帝人の採用選考では、素材系への関心だけでなく、ヘルスケアへの興味もアピールしたほうがよさそうです。

素材メーカーの主な2職種と対策

素材メーカーの主な仕事である、研究開発職と営業職の仕事内容や就活対策を紹介します。その他にも、製造工程の管理・運営などを行う工場の仕事や、バックグラウンド系の事務職などがあります。

研究開発職

仕事内容
既存製品の改良、新素材の開発・研究などを行う仕事です。

就活対策
理系学部を卒業していることが前提となります。研究分野を活かせるのであればそれだけでアピールになります。改良であれ新素材の開発であれ、プレッシャーや先の見えない不安がつきものなので、その分野への研究にかける熱意や思いをアピールできるとよさそうです。

また、海外企業へのプレゼンなどの機会もありますので、英語力も問われます。素材メーカーを志望するなら、在学中に英語力を磨いておきましょう。

営業職

仕事内容
開発された商品を、製造メーカーや消費財メーカーに紹介し、使用してもらうために営業する仕事です。素材メーカーは受注生産なので、いくらよい素材があっても使ってくれる企業がないと始まりません。他の業界の営業以上に、手腕が問われる職種と言えます。

就活対策
自社製品に対する愛がないと売り込もうという気持ちが生まれないので、志望企業の商品に対する思いをアピールしましょう。また、営業には必須のコミュニケーション能力、海外展開をしている企業なら英語力や挑戦心があることをアピールできるとよさそうです。

素材メーカーの種類

化学

総合化学メーカー、誘導品メーカー、電子材料メーカーの3つに分けることができます。BtoB領域のビジネスがほとんどのため知名度は高くありませんが、世界でもトップクラスのシェアを持つ大企業が多いです。

化学系素材メーカーの企業が扱っているのは、ガラス、セメント、塩化ビニル樹脂、シリコーン、半導体シリコン、レア・アースマグネットなど非常に幅広いです。

【化学系素材メーカーの代表的な企業】
三菱ケミカルホールディングス、富士フイルムホールディングス、東レ、住友化学、旭化成、信越化学工業、花王、AGC、三井化学など

繊維

衣料用の繊維、工業製品用の繊維などを扱っています。化学と繊維両方扱っているメーカーが多いため、「化学メーカー」に分類されることも多いです。最近は新型コロナウイルスの影響で、マスクや医療用製品の需要が増加しています。

【繊維系素材メーカーの代表的な企業】
東レ、帝人、旭化成、富士紡ホールディングス、ダイワボウホールディングス、日清紡ホールディングス、東洋紡、クラボウ、ニッケ、セーレンなど

鉄鋼

高炉を持ち鉄鉱石とコークスから剛鉄を製造する「高炉メーカー」と、鉄クズを電炉で溶解する「電炉メーカー」に大別されます。マンガン、ニッケル、クロムなどのレアメタルを添加して特殊な機能を持つ鋼材を製造する特殊鋼メーカーもあります。

【鉄鋼系素材メーカーの代表的な企業】
新日鉄住金、JFEスチール、住友金属、神戸製鋼所、日新製鋼、大阪製鐵、ダイワスチール、日立金属、三菱製鋼など

非鉄金属

非鉄金属のメーカーとは、鉄以外の銅、アルミ、ニッケル、金、銀などの金属を扱う素材メーカーです。様々な原料を扱うメーカーも多いですが、基本的には「銅」と「アルミ」がメインとなっており、自動車・家電・電線などに使われる素材を製造しています。

【非鉄金属系素材メーカーの代表的な企業】
三菱マテリアル、JX金属、住友金属鉱山、三井金属鉱業、本田金属工業、住友電気工業、古川電気工業、フジクラ、昭和電線など

紙・パルプ

印刷用紙・トイレットペーパー・ダンボールなど、一般消費者向け製品や産業用の製品で幅広い需要があります。

インターネットの発達やデジタル化の影響で紙の消費は減少していますが、宅配便の利用増によりダンボールの需要は増加しています。

【紙・パルプ系素材メーカーの代表的な企業】
王子ホールディングス、日本製紙、レンゴー、大王製紙、北越コーポレーション、リンテック、三菱製紙など

素材メーカーの志望動機例

社会貢献性が高い

素材メーカーは、私たちが日常生活で使用する製品をつくる元となる素材を提供しています。我々が不自由のない暮らしをおくる上で欠かせない業界であり、社会や人々の暮らしを支えているとも言えるでしょう。

「社会貢献につながる仕事がしたい」「仕事を通して人の役に立ちたい」と考える人にとっては、やりがいを感じられる仕事です。実際に志望動機として「社会貢献性」をあげる学生は多いです。

そのため「よくある志望動機」と思われしまう可能性が高いので、自分なりにどんな貢献ができるのか具体的に語れるようにしておくといいでしょう。

グローバルな環境で活躍したい

これまで多くの素材メーカーは海外へ進出しており、今後もその流れは加速していくことが予測されます。

留学の経験や外国語などを武器に海外で仕事をしたいと考えている方には魅力的な職場となるでしょう。

チャレンジングな環境で仕事がしたい

素材メーカーの各企業は、製品の改善や新たな素材開発に向けて絶えず研究・開発を行っています。ライバル企業は国内だけでなく、海外にもたくさんあり競争の激しい業界です。

競争が激しいということは、それだけ挑戦できる機会が多い職場だとも考えられます。新たな分野への挑戦やコストの削減など、様々な提案が求められている業界です。新たな挑戦で自分の力を発揮したいと考えている人は大いにやりがいを感じられるでしょう。

素材メーカーを志望するならやっておくべき就職対策

英語力や海外経験を身につけておく

国内需要の低下が続いており、海外進出に積極的なメーカーが増えています。生産拠点を海外に置いている企業も多いです。

高い英語力や留学などの海外経験がある人材は、素材メーカーでも必要とされるでしょう。開発、営業、事務、どの職種でも、英語力があることは高く評価されます。どの企業を志望するにしても、在学中に英語力を身に付けておくと就活でもいかせるでしょう。

業界の課題に対する意識を高く持つ

素材メーカーは、市場規模の縮小や海外メーカーとの競争など多くの課題を抱えています。各分野の素材メーカーが抱える課題に対して、自分なりの考えやアイデアを整理しておくと面接でいいアピールとなります。

会社の理念や扱う素材の特徴を研究して、そのメーカーをしっかりと理解しておくことは必須です。合わせて、今後求められる新しい素材のアイデアなどを考えてみるのもいいでしょう。

インターンシップに参加する

素材メーカーは、メーカーごとに独自の技術や品質へのこだわりがあります。メーカーの特徴やこだわりをよく理解しておくことが、志望動機作成や面接でうまくアピールできるかどうかのポイントとなります。

企業の特徴やこだわりをしっかりと理解するには、インターンに参加するのがおすすめです。インターネットの情報や説明会の情報からではわからないことも多いでしょう。実際に社員の先輩と働くことで企業理解が深まり、志望動機の説得力も高まります。

1日や数日の短期インターンプログラムもあります。志望企業選びで迷っている場合は、複数の素材メーカーのインターンに参加してみるのもいいでしょう。

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最後に

一言に素材メーカーと言っても、扱う素材や素材以外の事業展開、社風など、各社かなり違いがあります。就活では企業ごとの違いをよく理解し、該当企業にマッチした志望動機や自己アピールをしていきましょう。



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