県庁に就職するためには何をすべき?必要な資格は?

「県庁に就職したい」と考える学生は少なくありません。しかし、県庁への就職で受ける試験の内容や受験に必要な資格を1から調べるのは大変です。

今回は県庁に就職するための試験の内容や難易度、受験資格を分かりやすく解説します。また、県庁での就職を考え始めた方がまずやるべきことも紹介するので参考にしてください。

目次

県庁に就職するには?

まずは県庁に就職する方法を確認していきましょう。

新卒は地方上級試験を受けるのが一般的

地方公務員である県庁職員になるには、地方公務員試験を受験する必要があります。地方公務員試験は求められる学力と年齢要件によって次の3種類に分かれています。

・初級:高校卒業程度レベル(18~21歳程度)
・中級:短大や専門学校卒業程度レベル(19~25歳程度)
・上級:大学卒業程度レベル(21~35歳程度)

地方公務員試験は基本的に学歴による制限はありません。例えば、上級を受験する場合「大学卒業程度」の学力があれば、高卒でも受験できます。しかし、県庁によっては「大卒(見込み)者」など学歴制限を設けている場合もあります。なお、年齢要件は県庁によって異なります。事前にホームページなどを確認しておきましょう。

新卒の場合、「中級」か「上級」を受験することになります。ただし、一部の自治体では大卒(見込み)の人が中級で受験することを禁じている場合がありますし、そもそも中級の募集がないケースも見られます。上級は民間企業でいう「総合職」の扱いなので、「出世して幹部を目指すぞ!」「本庁で責任ある仕事がしたい!」という人は上級を受験するのがおすすめです。

試験内容

地方上級試験では多くの場合、「教養試験」「専門試験」「面接」「グループワーク」が実施されます。

■教養試験
教養試験では、文章読解力や論理的思考力などの基礎的な知識や能力が確認されます。多くの場合、日本人事試験研究センターによる多肢選択式の試験が行われますが、大阪府や京都府などはリクルート社の「SPI3」を採用するなど、試験の多様化が進んでいます。

■専門試験
専門試験では大学卒業レベルの専門知識を問う試験が課されます。択一式による試験を実施する自治体が多いですが、記述・論文形式の試験を実施するところもあります。

■論文試験
専門分野や時事問題についての記述が求められる試験です。与えられたテーマに関する知識や論理的思考力、表現力などが見られます。

■面接
面接では集団面接や個別面接を通して公務員としての適性(性格や能力など)がチェックされます。

■グループワーク
グループワークでは与えられた課題にグループで取り組みます。

一次試験で教養試験と専門試験、二次試験で面接もしくはグループワークを実施する自治体が多いですが、一次試験で論文試験や面接を実施するところもあります。

試験の難易度

令和3年度に実施された地方上級試験の倍率を見ると、低くても3倍、高ければ15倍ほどになっています。ただし、同じ自治体でも年によって採用予定者数も変動するため、倍率や難易度は変わります。

申し込み状況などは各自治体のホームページで公表されているので、事前にチェックしておきましょう。

必要な資格は特になし

県庁の採用試験を受けるときに必要な資格はありません。ただし、福祉職や心理職、薬剤師や獣医師といった「資格免許職」の区分で受験する場合は、資格や免許をすでに取得しているか、取得する見込みがなければ、受験することができません。自分の希望する試験区分の受験資格はしっかり確認しておきましょう。

県庁に就職するためにやるべきこと

ここからは県庁に就職するためにやるべきことをご紹介します。

出願する県庁を決める

「県庁ならどこでもいい」という方もいるかもしれませんが、県庁の試験日は「6月第3日曜」にほぼ統一されており、併願することができません。これは多くの県庁が日本人事試験研究センターの試験を教養試験として使っているため、試験日を分けると不正が起きてしまうからです。まずは出願する県庁を絞りましょう。

ただし、日程が被らなければ県庁以外の公務員試験を併願することは可能です。万が一県庁がダメだった場合にそなえて、都庁・国家公務員(総合職・一般職)・市役所試験なども併願しておくと安心です。

出願した県庁の傾向を調べた上で対策

試験科目や出題数などは県庁によって実にさまざまです。同じような形式で試験を実施しても配点が異なるケースもあります。

例えば、同じように教養試験と専門試験を課している京都府と奈良県の行政職を比較してみると、京都府は「教養試験:75点・専門試験:150点」と専門試験の結果が重視されているのに対し、奈良県では「教養試験100点・専門試験:100点」と平等に配点されています。

各都道府県のホームページから職員採用試験の案内を確認し、出願する試験区分の試験方法や配点を確認しておきましょう。

終わりに

県庁の試験内容は多様化しているため、早めに出願する県庁を決めて対策に取り掛かる必要があります。

県庁への就職の倍率は、採用予定者数に大きく左右されます。例年であれば合格できるレベルでも、たまたまその年の競争倍率が高くなれば、落ちてしまう可能性もあるので気が抜けません。

万が一に備えて都庁や国家公務員も併願しておくとともに、民間就職も視野に入れておくようにしましょう。


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