【企業研究】三井住友海上に就職するには？企業情報・評判・就活対策まとめ

三井住友海上は就活生からの人気も高く、常に人気企業ランキングの上位にランクインしています。もちろん就活の倍率も高く、内定獲得の難易度は高いです。

倍率の高い三井住友海上の選考を突破して内定を獲得するには、徹底した企業研究が必須です。三井住友海上の企業情報・採用情報・就職活動対策についてまとめているのでぜひ参考にしてください。

三井住友海上とは

基本情報

三井住友海上の概要

三井住友海上火災保険株式会社は2001年10月に三井海上火災保険と住友海上火災保険が合併したことで誕生した会社です。設立は三井海上火災保険の前身となる大正海上火災保険が設立された1918年になっています。

2008年に三井住友海上グループホールディングスを設立し、持株会社体制に移行、2010年には三井住友海上グループ、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合し、「MS＆ADインシュアランスグループ」が発足しました。MS&ADインシュアランスグループで三井住友海上は主に損害保険業に関する事業を行っています。

三井住友海上火災保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社の3社を合わせて「3メガ損保」と呼ばれています。

三井住友海上のIR情報から読み取れること

IR情報とは、企業がホームページで投資家の方向けに公開している情報で有価証券報告書などのことです。IR情報には企業の売上・利益、平均年収や平均勤続年数などが記載されており、企業が安定して成長しているのか、どこが強みなのかについて分析することができます。

三井住友海上の安定性について

保険会社の安定性は、財務の健全性を表す指標のソルベンシー・マージン比率から判断できます。ソルベンシー・マージン比率は災害などの予想外のリスクが発生した状況においても保険金などを支払う余力を有しているかを示す指標です。

一般的に数値が200％より高ければ高いほど財務状態が健全といえます。 三井住友海上の2019年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は736.3%なので、ソルベンシー・マージン比率の観点からは三井住友海上は健全な経営ができていると捉えることができます。

三井住友海上の事業について

損保業界全体の課題として人口減少による国内市場の縮小が懸念されています。そのため、今後も会社を成長させていくには海外事業の成長が必須になってきます。三井住友海上の2020年3月期の有価証券報告書でも海外事業は成長の原動力、成長ドライバーと位置づけていて、経営資源を積極的に投入する旨を記載しています。

自動車保険では昨今のカーシェアリングサービスや自動運転技術の発達による新たなモビリティ事業への対応だけでなく、キャッシュレス決済やSNSを活用したロードサービスなどのように顧客を取り巻く環境に適応した商品やサービスの開発が求められています。

三井住友海上の就活で知っておくべきポイント

社員区分

三井住友海上の社員区分は全域社員、地域社員(エリア)、地域社員(ワイドエリア)の3つの区分に分かれています。全域社員は海外を含む全国転勤のある社員で、地域社員(エリア)は転居が必要な転勤のない社員、地域社員(ワイドエリア)は国内の一定地域内で転勤のある社員となります。全域社員と地域社員(ワイドエリア)は転勤がありますが、その分給料は地域社員(エリア)より高くなっています。

三井住友海上の魅力・評判は？

就職系サイトで三井住友海上社員による職場や働き方についての口コミを見てみると、次のようなものが目立ちます。

【良い口コミ】
・ボーナスが良い
・福利厚生が充実している
・産休や育休が取得しやすい
・安定している
・優秀な人が多い

【悪い口コミ】
・古い体質が残っている
・年功序列
・体育会系

複雑な保険のしくみについて詳しくなることにメリットを感じている人が多く、保険に興味が持てないとモチベーションを保つのが難しいです。優秀な人材が揃っているため、社会人としての基礎を学ぶのに良い環境であるという声も目立ちました。

企業の雰囲気や文化については、「古い体質」「トップダウン」など、金融系の大企業らしい雰囲気であると感じている人が多いです。

忙しさや休みのとりやすさは部署により異なります。口コミではワークライフバランスがとりやすいという声と、残業が多く休日出勤もあるなどの両方の声がありました。

2親等以内の親族が社員だと応募できないので注意！

三井住友海上に応募する時に注意しておきたいのは、2021年卒の募集要項によると2親等以内の親族が社員にいる人は応募できないことです。2親等以内の親族は一般的な大学生の場合、両親、従妹、祖父母、兄弟姉妹とその配偶者たちのことを指します。

学生結婚をしている場合は上記に加えて配偶者、配偶者の両親、配偶者の兄弟姉妹が含まれます。上記の親族で三井住友海上の社員の方がいる場合は選考の応募要件を満たしていないので、しっかり確認しておきましょう。

三井住友海上の募集コース

三井住友海上の募集は次の3つのコースに分かれています。

①総合コース
②スペシャリストコース
③外国人留学生コース

総合コース

総合コースはいわゆる総合職と呼ばれる募集職種のコースで、多くの就活生が応募するコースです。

主な仕事内容としてはリスクコンサルティング、各種損害保険の引受、事故サービス・保険金の支払、営業事務、新保険の開発、再保険、資産運用、経理、一般管理、情報システム、海外業務(一部社員区分)などがあります。

スペシャリストコース

スペシャリストコースはジョブ型採用の一種で次の5つのコースに分かれています。5つのコースすべて全域社員の区分です。特定の職を志望している方はスペシャリストコースに応募するのがいいでしょう。

①アクチュアリー
②自然災害リスク分析関連職
③金融工学、資産運用、財務、経理
④IT、システム
⑤テックビジネス

各5コース大学時代の専攻について言及されており、アクチュアリーは確率統計、数理科学、数値解析、金融工学、その他理工学系分野、自然災害リスク分析関連職は土木、建築構造、地質・地盤工学、気象、防災、その他理工学系分野、計量経済、金融工学・資産運用・財務・経理は金融工学、その他の理工学系分野、財務会計、管理会計など、IT・システムは文理不問、テックビジネスは文理不問ですがデータサイエンス、ビジネス創造等に関心の高いことが募集要項に記載されています。

外国人留学生コース

外国人留学生コースは総合コース、スペシャリストコースが複合されたコースで総合コースは全域社員の募集のみとなっています。21卒の募集要項の場合、募集資格にビザ取得などの事情も考慮して、2021年4月1日に入社可能なことが応募の条件となっています。

三井住友海上の採用情報

採用人数

採用人数は大手ナビサイトの企業データによると下記の通りになります。

【採用人数】
2019年　全域社員：159名　地域社員：289名
2018年　全域社員：157名　地域社員：365名
2017年　全域社員：188名　地域社員：455名

【男女別新卒採用者数】
女性 男性 合計
2019年 288名 138名 426名
2018年 310名 138名 448名
2017年 368名 154名 522名

上記のデータから女性の多くは地域社員として採用されていることがうかがえます。

初任給

初任給は21卒の募集要項によると次のようになっています。

全域社員（2021年4月初任給予定）
月給24万1000円　　
修士了：25万7000円

地域社員（エリア）（2021年4月初任給予定）
月給18万0480円～19万2000円　　
修士了：19万1760円～20万4000円
※勤務地によって異なる

地域社員（ワイドエリア）（2021年4月初任給予定）
(1)本拠地から通勤できる拠点に勤務
月給：19万0080円～20万1600円
修士了：20万1960円～21万4200円
※勤務地によって異なる

(2)本拠地の通勤圏外の拠点に勤務（転居転勤が必要な場合）
月給：21万8880円～23万0400円
修士了：23万2560円～24万4800円
※勤務地によって異なる

令和元年賃金構造基本統計調査結果（初任給）の概況によると大学卒の初任給は男女平均21万200円となっており、全域社員と転居転勤が必要な地域社員(ワイドエリア)は大学卒の平均よりも高い初任給となっています。大学院修士課程修了は男女平均23万8900円のため、全域社員と一部転居転勤が必要な地域社員(ワイドエリア)で平均より高くなっています。

福利厚生

休日は完全週休2日制（ 土・日）、祝日、年末年始（12月31日～1月3日）となっています。休暇は年次有給休暇（初年度4月入社18日、2年目以降20日 ※夏期休暇・フレッシュアップ休暇、アニバーサリー休暇を含む）、プラス休暇（12日）、年末年始休暇、慶弔休暇、出産・介護休暇、クリエイティブ休暇、自己啓発休職制度、ボランティア休職制度などとワークライフバランスを維持しやすい制度が整っています。

福利厚生に関しては独身寮・社宅（全域社員、地域社員（ワイドエリアが転居転勤する場合））、厚生施設、クラブ活動、社員持株会制度、財形貯蓄制度、企業年金基金、通勤費、時間外勤務手当、外出手当、住宅費用補助制度（一定の支給要件を満たす地域社員）、自己学習補助となっており、社宅のような一部社員区分のみの適用の制度もありますが、各種制度や手当は十分整っています。

選考フロー

総合コースは3月から5月にかけて4回の提出締切があり、スペシャリストコースは3月中に2回の提出締切があります。おおまかな流れとしては次のようになります。

ES(3月) → SPI → 面接(複数回)(3月~) → 内定

総合コース
総合コースでは面接が4回実施され、一般的な企業と同様に選考が進むにつれて面接官の年次も上がっていきます。一部の面接では成績表を持参する必要があり、なぜその教科がその成績だったか聞かれるそうです。成績が悪い場合はなぜ成績が悪いのか、学業以外に注力していたことを論理的に説明できるようにしましょう。

スペシャリストコース
スペシャリストコースでは大学での専攻も考慮されるため、ESで応募したコースで活かせることについて回答を求める設問が設定されています。また、スペシャリストコースは総合コースと異なり、面接が2回などと選考ステップが少ない場合が多いです。スペシャリストコースはジョブ型採用のため事前に、インターンシップに参加するなどして職務の理解を深めてから選考に臨むといいでしょう。

ES設問

ESは総合コースとスペシャリストコースで設問がまるっきり違うことはないです。総合コースの設問をベースにスペシャリストコース独自の設問が付け加えられているといった具合です。

【設問の具体例】
①学生時代に最も力を入れたこと(400字以内)
②現状をよりよくするために自ら考え、行動した経験(400字以内)
③将来なりたい社会人像と、それを三井住友海上でどのように実現したいか(300字以内)
(スペシャリストコース)スペシャリストコースで活かせる専門性(200字以内）

自己分析や業界・企業研究を入念に行ってからES作成をするようにしましょう。

三井住友海上の就活対策

インターンシップに参加

三井住友海上のインターンシップに参加すると、後日開催されるビジネスコンテストへ参加する権利が与えられます。そこで優秀な成績を収めた学生は内定をもらえる場合があるそうです。早い段階から三井住友海上への就職を考えている方は積極的にインターンシップに参加するといいでしょう。

企業の特徴や強みを知るには、ライバル企業についてもしっかりリサーチしておく必要があります。多くの企業を知ることで志望企業の良いところや課題なども明確になってくるからです。

三井住友海上が第一志望でも、保険業界の他の企業についても企業研究を行い、できるだけ多くの企業のインターンシップに参加することをおすすめします。

「なぜ三井住友海上なのか」を明確に

損保業界はメジャーな会社が複数あり、併願をする就活生も多いです。そのため、選考では「なぜ三井住友海上なのか」が問われます。面接でも聞かれることが多いポイントとなっているので、志望理由をしっかりと練りましょう。

損保業界は同じような商品が多く、企業の独自性やオンリーワンの強みなどを見つけるのが難しいのも事実です。OBOG訪問やインターンシップなどを活用して、企業研究を重ねていくのがいいでしょう。

最後に

以上が三井住友海上の就活情報のまとめとなります。三井住友海上志望の就活生のみなさまの就職活動が成功することを祈っています。