【具体例あり】関連会社とは？子会社や関係会社との違いも併せて解説！

就活をはじめると子会社やグループ会社、関連会社、関係会社などよく違いがわからない表現に出会います。きちんとこのビジネス用語の使い分けができている就活生は少ないのではないでしょうか。

この記事では「関連会社」について具体例を出しながら、間違えやすい子会社やグループ会社との違いを解説します。

関連会社の定義

金融情報サイトiFinance(https://www.ifinance.ne.jp/glossary/management/man048.html)によると、関連会社とは資本参加や役員派遣などによって他の会社から支配を受ける会社のうち、子会社以外の会社のことです。

また持株基準では「子会社以外の会社の議決権の20％以上を所有していること」、支配力基準では「子会社以外の会社の議決権の15％以上20％未満の場合でも関連会社となることがある（重要な契約の存在などにより、財務・営業・事業の方針決定に重要な影響を継続的に与えられる場合）」とされています。

少し難しく感じるかもしれませんが、ある会社が資金や人事、取引などの関係を通じて、経営方針の決定に対して重要な影響を与えることができる、子会社以外の会社を指します。

混同しやすい表現との違い

より関連会社への理解を深めるために、混同しやすい「子会社」「関係会社」「グループ会社」と「関連会社」の違いをそれぞれ解説します。

子会社と関連会社の違い

まず子会社とは、「財務・営業・事業の方針を決定する機関（意思決定機関）を他の会社（親会社）によって支配されている会社」のことです。株式の50%超を親会社に所有されている会社のことを子会社と定義されている一方、子会社以外の会社の株式の20％以上を所有していることが「財務諸表等規則」においては、関連会社の定義となっています。つまり、子会社と関連会社の違いは以下の通りです。

子会社　：　株式を50％以上所有されている
関連会社：　株式を20～50％所有されている

どちらも経営に大きな影響を与えるものの、株式の保有割合に違いがあります。

（参考：経理COMPASS 関連会社とは｜関係会社との関係は？子会社との違いは？
https://advisors-freee.jp/article/category/cat-big-03/cat-small-10/16161/）

関係会社と関連会社の違い

関係会社は広義には、「事業上において、密接な協力関係にある会社」と定義されています。言い換えると、親会社や子会社、関連会社などをまとめて関係会社とみなします。

関連会社は他の会社から支配を受ける会社のうち子会社以外の会社のことですが、関係会社は事業上において密接な協力関係にある会社全般をいいます。つまり、関係会社のなかに関連会社が含まれているのです。

グループ会社と関連会社の違い

経理ドリブンのグループ会社と関係会社はどう違う？覚えておきたいグループ経営の関連用語（https://keiridriven.mjs.co.jp/136579/）によると、グループ会社とは親会社、子会社、関連会社を含むすべての会社を指します。グループ会社は法的に定められた言葉ではありませんが、関係会社と似た意味で使われています。つまりグループ会社（関係会社）のなかに関連会社が含まれていることになります。

関連会社の具体例

関連会社についてよくわかったところで実際にはどのような会社があるのか、富士通を例にみていきましょう。

富士通の関連会社、子会社

有価証券報告書（2020年4月1日-2021年3月31日）（https://pr.fujitsu.com/jp/ir/secreports/2021/pdf/all.pdf）によると2021年３月31日時点の富士通の子会社数は371社、関連会社は56社となっています。有価証券報告書からいくつかの子会社を紹介します。

子会社<
富士通フロンテック 完全子会社。主な事業はATM、店舗システム等の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

㈱PFU
完全子会社。主な事業は情報システム及びICT関連機器の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

㈱富士通ITプロダクツ
完全子会社。主な事業は各種サーバ、ストレージシステムの開発及び製造。

関連会社
㈱富士通ゼネラル 議決権に対する所有割合は44.09％。主な事業は空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供。

富士通リース㈱
議決権に対する所有割合は20％。主な事業は情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売。

まとめ

関連会社とはどういった企業を指すのか解説してきました。まとめると、「グループ会社≓関係会社＝親会社＋子会社＋関連会社＋その他、関係性のある会社」（子会社は株式を50％以上所有、関連会社は株式を20～50％所有）という関係性になります。言葉の意味を知っていると企業研究の際にも便利です。志望する企業にどのような子会社、関連会社があるのか調べてみましょう。