旅行会社の業界研究、就職活動対策

毎年、大学生の就職人気ランキングで、上位に何社もランクインするのが「旅行会社」。人気の業種だけに、応募倍率も非常に高いです。就活戦線を勝ち抜くために、業界研究は欠かせません。ここでは、旅行業界の現状と基本的な知識をお伝えしていきます。

旅行業界
目次

旅行業界の概要

東日本大震災の影響で旅行業界はかなりのダメージを負いましたが、ここ数年は回復傾向になっています。2016年には旅行会社の数は1万社を超え、より熾烈な他社との競争が繰り広げられているのが、現在の旅行業界です。他社と異なる魅力的なサービスを、どう提供するかが鍵になっています。

旅行業にも種類がある

旅行会社にも、法律で定められた業種の違いがあるのを知っていますか?実は、いわゆる旅行会社には、「旅行業」と「旅行業者代理業」の2種類があります。
「旅行業」は、旅行商品の企画ができるのに対して、「旅行業者代理業」は、自分たちで旅行商品の企画はできず、旅行業に属する企業と契約をし旅行商品の販売をしています。

また、「旅行業」にも4つの種類(第1種、第2種、第3種、地域限定)があります。法律で定められた「旅行業務」とは、「企画旅行(募集型と受注型がある)」、「手配旅行」があります。簡単に説明すると、募集型の企画旅行というのは、パッケージツアーのような旅行先や日程、移動手段などが決められた旅行のことを指し、受注型企画旅行は顧客の依頼により、旅行内容を作成していくものです。また、手配旅行は航空券やホテル宿泊券の販売などがこれにあたります。

第1種旅行業は、企画旅行と手配旅行の両方を、国内外ともに行えます。第2種旅行業は、国内の企画旅行・手配旅行の業務が可能です。第3種は、国内の受注型企画旅行と手配旅行は業務の範囲内ですが、国内旅行であっても募集型企画旅行は一定の条件下でないと行うことができません。また、地域限定旅行業は、国内の企画旅行と手配旅行を、地域限定で行うことができるものです。

売上高ランキング

数ある旅行会社の中で、売上高上位の企業はどこか、見てみましょう。観光庁が発表している、「平成28年度主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」によると、以下のような売上高ランキングになっています。

1.ジェイティービー(15社計) 1兆4771億円
2.楽天株式会社 5568億円
3.KNT-CTホールディングス(8社計) 4830億円
4.エイチ・アイ・エス(5社計) 4388億円
5.株式会社日本旅行 4267億円
6.阪急交通社(3社計) 3187億円
7.株式会社JTBワールドバケーションズ 2047億円
8.ANAセールス株式会社 1958億円
9.株式会社ジャルパック 1796億円
10.東武トップツアーズ株式会社 1390億円

みなさんも名前を聞いたことがあるような企業名が、ずらっと並んでいますね。

旅行会社の業務内容

旅行会社での基本的な業務内容は、旅行の企画や手配、販売、旅行への添乗などが挙げられます。旅行の企画や手配、販売は、店舗にて行う職種(カウンターセールス、と呼んだりします)と、企業や学校に旅行の提案を行う職種(アウトセールス、と呼んだりします)に分けられます。ツアーコンダクターは、他の職種(アウトセールスなど)と兼任していることや、専門の派遣会社から派遣された方が業務を担っている場合も多く、「ツアーコンダクターが楽しそうだからやりたい!」と言っても、その希望はかなえられない場合も多いので、注意しましょう。

旅行会社で働くときに持っておくと有利な資格

旅行会社で働く上で持っておくと有利な資格はいくつかあります。しかし資格をもっていなければ就職できないというわけではなく、ポテンシャル採用をされたのちに実務に携わりながら資格の習得を目指すことも多いです。

旅行業界に関連する資格についてそれぞれ紹介します。

旅行業務取扱管理者資格

旅行業者は各営業所に、「旅行業務取扱管理者資格」を持っている人をひとり配属しなくてはいけないことになっています。有資格者は職場に必要不可欠な存在だといえます。試験では旅行業法、宿泊、交通についての問題が出題されます。

旅程管理主任者資格

旅行会社が企画するツアーや団体旅行にツアーコンダクターとして参加する場合に必要となるのがこちらの資格です。こちらの資格は試験に受かるだけではなく、添乗実務も求められるため在学中に取得するというより入社後に取得するのが一般的です。

旅行地理検定試験

旅行地理検定試験では、観光地など旅先の知識や地理にまつわる問題が出題されます。1級から4級と幅広く用意されており学生でも取得しやすい資格だといえます。旅行会社で働いている人がスキルアップのために受けることもあり、現場で役に立つ知識を身に着けることができます。

覚えておくべきトピック

では、最近の旅行業界で話題になっていることにはどんなものがあるのでしょうか。覚えておくべきトピックを、3点挙げていきます。

インバウンド

旅行業界を目指すみなさんにとって、「インバウンド」は現在、絶対に知っておくべきワードです。どこかで聞いたことのある方、知っている方がほとんどなのではないでしょうか。
インバウンドとは、訪日外国人旅行客のことです。日本政府は観光を成長戦略のひとつとして掲げており、オリンピックイヤーである2020年までに訪日外国人を、4000万人に増やす、という目標を掲げています。ちなみにインバウンドの方に人気の観光地というのは、日本人に人気の観光地と必ずしも一致しないそうなのです。調べてみるとおもしろいかもしれませんよ。

民泊

訪日外国人の増加によって、ホテル、旅館の不足が課題になっています。そこで注目されているのが「民泊」です。民泊とは、住宅の空き部屋やマンションの1室などを活用して、旅行者に宿泊をさせることを言います。最近のトピックとしては、2017年に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が成立したことです。無許可民泊が横行していた状況の中、今回の法整備で状況の改善が期待されています。

IT化

現在、IT化により旅行会社は店舗を持たずともインターネット上で旅行の募集、販売ができ、これまでの旅行業界からその仕組みが変わってきました。先に述べた主要旅行業者のランキングの2位に、楽天が入ってきているのもうなずけます。今後は旅行代理店よりも、インターネットを活用した旅行販売にシフトしていくのかもしれません。

旅行業界の就活対策

旅行業界の就活に関しては、狭き門をくぐりぬけるために、かなりの企業研究と対策が必要になります。「旅行が好きだから旅行会社で働きたい」というだけでは落とされます。ぜひ、みなさん自身が旅行会社に入って、顧客に、会社にどんな価値を提供できるのか、伝えられるようにしてほしいと思います。

そのための情報収集の方法として、各企業のホームページはもちろんのこと、企業ごとの売上高やその内訳(国内・海外)を比較したいならば、観光庁のホームページを見るのが良いでしょう。前年に比べて売上がどうだったのかもわかるので、経年比較をしたいときも便利です。

また、インターンシップ、OBOG訪問などに行くこともおすすめします。1つは企業理解という点、もう1つは採用担当者やその他社員とのつながりができる可能性があるからです。インターンシップであっても、企業はキラッと光る学生には目を付けます。奇抜なことをする必要はありません。グループワークなどでもしっかりと傾聴し、かつ自分の意見をしっかり伝えるなど、できることをしっかり行って、好印象を残せるといいですね。

さいごに

旅行業界は人気ではありますが、学生にとっても身近な業界であるがゆえに、「楽しそう」といった安易な理由で希望をする就活生が多いのも事実です。業界研究、企業研究をしっかりおこなうことによって、ライバルと差をつけましょう。

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