お茶の水女子大学理学部に通う清水沙織さんは、現在3年生。2017年度徽音祭(きいんさい)水コンで準グランプリに輝きました。華やかさとともに、話し方から知性を感じる才色兼備な女性です。帰国子女で英語が堪能な清水さんは、将来について、「どこの国でも通用する人材」になるという目標を持っています。その目標のために、自分の苦手なものや知らなかったことに挑戦するなど自分の幅を広げる努力をしています。どんな考えをもって挑戦し続けているのか、インターンシップガイド編集部が清水さんにお話を伺いました。
自分からは遠いと思っていた、ミスコンの世界
―ミスコンに出場したきっかけを教えてください。
もともと私は「自分の幅を広げる」ということを意識して過ごしています。例えば、私は帰国子女で中学高校も国際色豊かな生徒がいる学校で過ごしていて、日本について勉強したいと思いお茶大を志望しました。自分がいる場所から遠いところ、つまりは知らなかった世界を意識的に知ろうしてきたんです。ミスコンに対して単純に憧れもあったのですが、どこか遠い世界だと思っていたところもあって、ミスコンの募集を見たときに出場してみたらきっと何か変われるのではないか、と思ったのがきっかけの一つですね。ほかにも、友人など周囲の人たちから絶対出たら面白いよとか後押ししてくれたのもあって、出場させていただくことにしました。
―実際にミスコンに出てみて、どうでしたか?
本当に出場して良かったなと思っています。自分の経験の幅が広がるだけではなく、いろんな人と会うことで交友関係も広げることができました。ミスコンに出場する方たちは、将来に対して志の高い方が多く、その中で戦っていくというのはとても刺激になりました。自分とは違う、出場者のいろいろな考えを知るきっかけになったんです。それに、自分の人生の中で「これを頑張ったんだ」というユニークな経験ができたというのは、すごく良かったなと思います。ミスコンの活動ではテレビ出演をさせてもらったり、ウェディングドレスを着ることができたり、普通はあまり経験できないことができて嬉しかったですね。
―ミスコンでは、「自分らしさ」をどのようにアピールされたんでしょうか?
ミスコンを見てくださる方に、どうやって自分のアピールができるか考えた時に、私はゲームやアニメが好きであることがアピールできることかなと思ったんです。ミスコンに出場するから考えた趣味ではなく、前からゲームとか好きでオタク気質なところがあって(笑)だから、これをアピールするのが自分らしさだと思ってゲームやアニメ好きを伝えるようにしました。ミスコンの過程で、SNS上では同じ趣味のフォロワーさんと出会って意見交換とかもできたんですよ。輪を沢山広げることができて、私自身すごく楽しんでいました。
―準グランプリを獲得できた要因は、どこにあると思いますか?
Web投票と当日票というのがあって、Web投票に関してはきちんと自分の趣味をアピールできたことが良かったと思っています。ゲーム好きと言っても普通なレベルだと、かえって中途半端に見られてしまうと思ったので、ミスコンの時に好きでやっていた「シャドウバース」っていうゲームで、試合に出たりイベントに行ったりしたんです。そうして、私のやっていることに共感して頂けたことが、結果に繋がったのかなと思います。グランプリ決定当日は、所属しているジャズダンスサークルのメンバーが応援に来てくれたのが心強かったですね。大学でも比較的規模の大きなサークルなんですが、サークルでの役割を全うしながらミスコンの活動をやらせていただいていました。サークルも、ミスコンも日々地道に取り組んだことで、仲間との信頼が築けたり、後輩たちがついてきてくれるようになって。サークルのメンバーが私の行動を評価してくれたからこそ、当日票の獲得に大きくつながったと思います。
香港での海外経験と、日本に来てからの変化
―大学ではどんなことを勉強されているのでしょうか?
研究室にはまだ配属されていないんですが、理論物理をやっています。もともと物理に興味があったものの、あまり得意とはいえませんでした。ただ、どちらかというと今の自分から遠いところを経験したいと思って。あえて成績の良くなかった物理を大学4年間で突き詰めたら、自分の中で何か得られるのではないかと思い志望したんです。私は苦手なことなどがあったとき、それを克服することで得られるものがあると考えています。将来のことを考えたときに、私は確かに英語が得意なんですけど、英語だけで食べていけるような甘い社会じゃないと思っていて。だから英語とそこにプラスアルファで何かできるようになっていきたいと考えています。
将来は国際的なバックグラウンドを活かして、どの国へ行っても通用するような人材になりたいですね。そのためにも、苦手を克服した経験というのは、後々何かを身につける必要ができた時に活かせるのではないかと思っているんです。
―大学在学中の留学は考えなかったのですか?
もともと香港での海外生活の経験があったので、英語に関しては自信があったというのもあり、あえて留学をするという選択肢はなかったですね。それに、私は結構焦るタイプで(笑)留学に行って戻ってきて、同期よりも1年遅れて過ごすよりは、早く社会人になって、国際的な仕事をすることで英語力に磨きをかければ良いと思ったんです。なので、留学自体は楽しそうだなとは思っていたんですが、長期的な視点で考えたときに私は留学は選択しませんでした。
―海外での生活と日本での生活に、違いは感じましたか?
だいぶ、違いは感じましたね。私は、幼稚園から小学校4年生までの約6年間香港にいて、現地のインターナショナルスクールに通っていました。日本に帰ってきてからも、英語を忘れないように国際的な学校に通っていたのですが、日本のカルチャーと海外のカルチャーの違いは幼心にも感じていたんです。小さなことだと例えば、掃除とか。インターナショナルスクールだと掃除は特にしないんですけど、日本の学校では掃除をみんなでしますよね。なんで、掃除しているんだろうみたいな(笑)。ほかにも、香港では給食がなかったので、みんなで同じ給食を食べるのが最初は不思議だったり。どちらの生活も経験したうえで、日本では「気遣いができる」人が多く、すごい居心地がいいです。人が人の気持ちを推しはかりながら生活する、ということが根本的に備わっているのが日本人の良さだと思いますね。
―海外生活していた頃と、日本での生活で性格的に変わった部分はありますか?
昔の方が、気が強いというか自己主張が強かったと思いますね。海外に住んでいた時は、自分から主張していかないとダメな環境だったので、本当にスピークアウトに気を付けていました。日本にいたらちょっと生意気な子供だったかなって(笑)香港から日本に来て、日本の文化に触れることで良い意味で丸くなれたかなと感じます。でも、海外生活で得られた率直さを失いたくないとも思うので、両方を持ち合わせることができたらいいな、というのが今の私の考えです。
考え込みすぎず、挑戦あるのみ
―清水さんにとって、苦手なことに挑戦する原動力はどこにあるのでしょうか?
私は何かを達成していく中で、その「過程」が楽しいなと思えた瞬間があったんです。過程が楽しめると、成果がどうであれ挑戦してみたほうが可能性も広がると気づいて。だから、あえて苦手なことにも挑戦するようになりました。それに、野望みたいなものをみんな少なからず持っていると思うんですけど、それを捨てないっていうのが重要なのかなと思っています。何かに挑戦したけど、成功したとは思えず諦めてしまったり、逆に成功体験がある人でも、さらに上を目指さずに急に諦めてしまったりとかもありますよね。上を目指すことには、何のリスクもないから想いがあるならやってみたらいいのに、って思うんです。自分には無理だからとか思わずに、とにかくやってみたらいんじゃないかと私は思っています。
―何かに挑戦してみたい学生に、メッセージをお願いします!
私は周りと比べて、後先について考え込まず行動するタイプだと思っているんですけど、やってみると意外と良いことが待ってたり、新しい発見があったりするんです。だから失敗を恐れずに、いろいろ気になったことをやってみるのをおすすめします。エントリーシートを出してみるとか、新しい趣味に挑戦するとか、何でも良いと思うんです。絶対無理だと思っていたことでも、挑戦することは決して損ではないと思います。
清水 沙織さん プロフィール
1996.10.25生まれ、東京都出身。お茶の水女子大学理学部物理学科3年。
2017年度徽音祭水コン準グランプリを獲得。幼稚園から小学校4年生まで香港で生活し、中学高校も国際色豊かな学校で過ごし英語が堪能である。大学では「ジャズダンスサークルflow」に所属している。スマートフォンアプリゲームである「シャドウバース」が得意で、大会にも出場経験があるほどゲーム好きな一面も。現在の趣味は、アニメ鑑賞。
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