就職活動でよくある悩みとして、「志望業界が絞れない」「志望業界の選び方がわからない」といったものを耳にします。
業界を決めた方が良いと言われたけどいろんな業界に興味があって絞れない、という学生もいれば、特に興味のある業界がなくて選ぶのに困っている、という学生もいるでしょう。
志望業界はいつまでにいくつに絞るべきなのか?そもそも志望業界は絞るべきなのか?今回は、大学生の就活での志望業界の選び方について解説していきます。
- ・そもそも志望業界は絞るべきなの?
- ├志望業界は無理に絞らなくてもいい
- └早く絞ってしまうと後悔することも
- ・業界を絞ることのメリット・デメリット
- ├業界を絞ることのメリット
- └業界を絞ることのデメリット
- ・志望業界がなかなか決められない理由
- ├業界についての知識が不足している
- └就職の軸が定まっていない
- ・いつまでにいくつに絞るべき?
- ├志望業界は徐々に絞るのがベスト
- └志望業界はいつから絞り始めるべき?
- ・志望業界の選び方
- ├まずは自己分析から
- └興味のある業界の会社説明会に行ってみる
- ・なかなか志望業界が絞れないときは
- ├少しでも興味のある業界のことは調べてみよう
- ├興味のない業界の説明会に行ってみるのもアリ
- └「インターンシップ」に参加してみる
- ・業界を志望した理由が思いつかないときは
- ・最後に
そもそも志望業界は絞るべきなの?
志望業界は無理に絞らなくてもいい
そもそも志望業界は絞ったほうがよいのでしょうか?結論から言うと、志望業界を絞らなくても就活を成功させることは可能です。
自分がもしかしたら一生涯働くかもしれない会社を、限られた時間の中で見つけ出すのは非常に難しいことです。決められない場合は無理に絞ることはありません。
志望業界を絞ると、自分の可能性を狭めてしまう可能性があります。自分が「少しでも」興味のある業界、会社を片っ端から受けまくる戦法でも、就職活動を成功させられる人もいます。
早く絞ってしまうと後悔することも
「複数の業界研究をするのが面倒だから」と安易に志望業界を絞ってしまうと、後で後悔することもあります。就活をしながら、志望業界を徐々に絞り込んでいく方法をとるのも一つの手でしょう。
その方が可能性を狭めることもないですし、よりたくさんの業界や企業を知ることができるので、就活の後半になって「本当にこの業界で良かったのか?」と迷うことも少ないでしょう。
業界を絞ることのメリット・デメリット
業界を絞ることのメリット
就活のES(エントリーシート)や面接では、「なぜこの業界を選んだのか」と聞かれることが多いので、そのために答えを準備しておく必要があります。
志望動機作成や面接の対策のためにも業界研究はかかせません。志望業界が絞れていないと、選考を受けるたびに「業界を選んだ理由」や「業界研究」をする必要があり、準備にかかる時間もそれだけ増えることになります。
業界を絞れば就活の準備にかかる時間や手間を削減できるので、効率的に就活を進めることができます。企業研究をしっかりして志望理由の質を高められれば、それだけ説得力も高まり選考を突破できる可能性が高くなります。
業界を絞ることのデメリット
業界を絞ってしまうと、就活の選考を受ける企業の選択肢が少なくなります。少しでも可能性を広げたいなら、業界を絞らないで就活を進めていくという方法があることを覚えておいてください。
就活の途中で「この業界はやっぱり自分に合わないかも」「他の業界の方が良かったかも」と思った時に、方向転換がしずらいというデメリットもあります。
志望業界がなかなか決められない理由
業界についての知識が不足している
世の中にはどんな業界があるのでしょう?みなさんは、どのくらいの業界を知っているでしょうか。ざっとあげてみるだけでも、次のような業界があります。
メーカー
小売
サービス
商社
金融
IT
マスコミ
建設
まずはたくさんの業界があると知り、それぞれの業界について少しずつ知ることから始めましょう。「なんとなく楽しそう」「仕事が面白そう」など、勝手なイメージで志望業界を決めてしまうのは危険です。業界の雰囲気や仕事内容がイメージと違うことは多いので、必ずよく調べてから決めるようにしましょう。
就職の軸が定まっていない
「自分がどんな仕事がしたいのか」「どんな職場でどんな働き方がしたいか」などが明確になっているでしょうか?こうした企業選びの基準となる「就活の軸」が定まっていないと志望業界を決めるのも難しいです。
まずは就活の軸を決めることが大切です。自己分析をして、「譲れない条件」「就職先に求めるもの」を明確にしてから、業界選びに取り組んでみてください。
いつまでにいくつに絞るべき?
ここでは業界をある程度絞って就活を行う就活生向けに、業界をいつまでにどのくらいに絞るといいかを解説していきます。
志望業界は徐々に絞るのがベスト
業界をあまり早い段階で絞りすぎると可能性を狭めてしまうことになりますが、全く絞らずに就活を進めるのも大変でしょう。
できればなるべく早い段階で5つから6つの業界に絞っておくのがおすすめです。就活が始まる前から業界研究を始めて、どんな業界があるのか、ざっと頭に入れておきます。そしてその中から自分が興味のある業界を、5つから6つピックアップしてみましょう。
志望業界はいつから絞り始めるべき?
志望業界を「いつまでにどれくらいに絞るのかに関してですが、「絞りきる」のは面接が始まる2〜3ヶ月前、「絞り始める」のは早ければ早いほどがベターです。
面接の準備が必要なので、面接が始まる2〜3ヶ月前には志望業界が2つ〜3つぐらいに絞れているといいですね。
一方で、自分にはどのような業界が向いているのか調べ出す、すなわち「絞り始める」のは早くから行ったほうがいいでしょう。会社説明かなどが始まる前から、業界研究などは自分で始めておくべきです。
志望業界の選び方
まずは自己分析から
就職活動をしていれば、まず間違いなく耳にするキーワード、「自己分析」とは、非常にあいまいな言葉であり、良く意味が分からないと思います。世間一般が意味する「自己分析」とは、自分の過去を振り返り、自分がどのような人間なのか知ることです。
自分がどのようなことに喜び、面白みを見いだし、またどのようなことが苦手なのか自分に聞いてみます。その結果、自分に向いている「○○業界」と「○○業界」を探し当てることを指します。
しかし、これは本当に難しいことです。自分のことを理解するのは意外と難しく、仮に理解できたところで、自分の趣味嗜好が「完全に」合致する業界を絞り込むのは難しいからです。
したがって、自己分析をすれば、「就職活動が成功する」という幻想はくれぐれも抱かないでください。「自己分析は茶番だ」という人事担当者がいるくらい、自己分析は決して就職活動に成功するための「必殺技」ではないのです。
ただそれでも私は「自己分析」をしたほうが良いと思います。「自己分析」をすることにより、「何となく」自分が行きたい業界が分かるからです。
興味のある業界の会社説明会に行ってみる
自己分析をすることで、気になった業界を発見した際に、どうやってその業界を深く知るのか?答は簡単です。とにかく説明会に足を運んでください。1社だけで判断するのはリスクが高いので、2、3社足を運んでください。
あとは市販の「四季報」や「業界地図」なども参考にしてください。私の友人では企業のIR情報(企業のHPに掲載されている投資家向けの情報)を隅々まで調べている人もいました。
なかなか志望業界が絞れないときは
自己分析や業界研究をしてもなかなか志望業界が絞れないときはどうすればいいのでしょう?
少しでも興味のある業界のことは調べてみよう
「何となく」というのは本当に重要なポイントです。「何となく」行きたい業界が明確化されれば、そこの説明会にいき、面白ければさらにその業界について深く調べる。つまらなければ、また同じステップを繰り返せば良いのです。
①自己分析
②業界を選ぶ
③足を運ぶ
④深掘り(「業界地図」などによる業界研究)
「何となく」でもいいので興味のある業界については、以上のステップを繰り返してみるといいでしょう。
興味のない業界の説明会に行ってみるのもアリ
就職活動を始めたばかりなのに、「何となく」という理由で2〜3業界を選び、その業界にしか説明会にいかない就活生が数多くいます。これは本当にもったいないことだと思います。全ての業界を知ることができるのは、就職活動の時期以外ありません。
ぜひ、興味が全くわかない業界ほど説明会に足を運んでください。時間が無い方であれば、一度に様々な業界の説明を受けることができる合同説明会などがおすすめです。「合同説明会は時間の無駄だ」と感じるのは、使い方を間違えているだけであり、無駄にしているのは自分自身なのです。
「インターンシップ」に参加してみる
ホームページの情報や説明会で話を聞くだけでは、わからないことも多いでしょう。そんな場合は、企業のインターンシップに参加してみるのがおすすめです。
実際に企業で先輩社員と一緒に働きながら仕事を経験できるので、業界への理解が深まり、自分のやりたいことや興味と一致しているかどうかも判断しやすくなります。
大学1、2年生から参加できるインターンプログラムもさたくさんあるので、なるべく早い時期からインターンを経験しておくと、志望業界を絞るのにも役立つでしょう。
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業界を志望した理由が思いつかないときは
あくまで参考にしていただきたいのですが、自分でも理由が分からないものの、「何となく」面白そうだから受けてみたい業界または会社があると思います。
そのような場合、その業界または会社の人事担当者が気に入りそうなロジック(志望理由)を過去の自分の経験から「無理やり」ひねくりだし、伝えるということを私はやっていました。
つまり、通常のステップである「自己分析」からの「業界選び」ではなく、「業界」を「選んで」からの、志望理由を作り出すための「自己分析」です。
例えば、何となく給料が高いから銀行に行きたい学生がいたとします。もちろん銀行の人事担当者に「給料が高いから受けにきました」などとは言うことはできません。
そこで、そういえば過去に塾講師のアルバイトをしていたから、この経験は人事に評価されるのではないかと考え、伝えてみることです。大事なのは、「人事が納得する理由」をいかに「過去の経験」と結びつけ、志望理由に一貫性をもたせられるかです。
最後に
以上、志望業界の絞り方につき、自身の経験を踏まえながらご紹介させていただきました。私は就職活動は楽しかったと思っていますが、ストレスを感じることもありました。 特に大企業の場合、説明会に参加した回数もチェックされているとの噂(恐らく紛れもない事実です)があったため、何度も同じ会社の説明会に参加したり、暑い中、スーツを着用して電車にのるのもうんざりでした。
ただ、そのような中でも、就職活動をしていて良かったと思える瞬間は数多くありましたし、皆さんも確実にそのような機会が訪れます。とにかく、最後まで妥協せずに取り組んでください。妥協すると、将来必ず後悔します。ぜひ、最後まで頑張ってください。
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