食品商社がどのような商社か、よく分からない学生は多いのではないでしょうか。商社は大きく「総合商社」と「専門商社」に分けることができますが、食品商社はその後者にあたります。
ここでは、食品商社の概要や特徴、商社との違い、食品商社を目指す就活生がすべき就活対策などについて解説していきます!
- ・食品商社とは
- ├食品商社とは食品を専門に扱う商社
- └食品商社の役割
- ・食品商社の代表的な企業
- ├三菱食品株式会社
- ├加藤産業株式会社
- └伊藤忠食品株式会社
- ・食品商社の特徴や仕事内容
- ├営業仕事が中心になる
- └担当した商品を日常的に目にできる
- ・食品商社と総合商社の違い
- ├扱う分野の幅
- ├業界での人脈に強くなる
- └内需が柱となる
- ・食品商社を目指す就活生がすべき就活対策
- ├食品商社の志望動機作成のポイントを知っておく
- ├食品業界のアルバイトをしてみる
- └食品商社のインターンシップに参加する
- ・最後に
食品商社とは
食品商社とは食品を専門に扱う商社
食品商社は、主に食品を取り扱う商社です。商社は「総合商社」と「専門商社」に分けられ、食品商社は食品分野に特化した専門商社に分類されます。
一方で、食品業界の視点で見ると、メーカー、卸売・小売、商社と業態を分類したときの商社にあたります。
食品商社の役割
食品商社は基本的に、メーカーと小売店の仲介役を担います。国内外のメーカーから原料や商品を仕入れ、国内の小売業者に卸すというのが一連の流れです。
この流通の過程で、独自の加工、価格調整、品質管理の徹底など、どのように付加価値をつけられるかが各商社の力の見せどころとなるでしょう。
ただ、近年ではこれまでの括りにとらわれず、メーカーと同じように製品を開発・製造する企業も増えてきました。インターネットの普及に伴い、小売店を介さず、自社サイトを通じて販売まで行うケースも見られます。
食品商社の代表的な企業
三菱食品株式会社
現在、食品商社で最大手と言われているのが三菱食品株式会社です。約2兆4千億円の売り上げを誇っており、2位以下を大きく引き離します。右肩上がりの業績からもわかるように安定感があります。
加藤産業株式会社
続いて、売上高2位は加藤産業株式会社です。学生にとっては聞き慣れない企業ながらも、自社製品の製造を行なっていたり、海外へ着々と事業展開していたりと今後の発展に期待ができます。
伊藤忠食品株式会社
売上高3位は伊藤忠食品株式会社です。1886年創業という歴史の長さもさることながら、既存のやり方に縛られないWEB事業が特徴的です。FoodliveやTabemart+といったECサイトの運営にも力を入れています。
食品商社の特徴や仕事内容
ここからは食品商社の特徴や仕事内容について解説します。
営業仕事が中心になる
食品商社に限りませんが、商社では営業の仕事が中心になります。商社の仕入先メーカーは海外ばかりのように思われがちですが、国内メーカーとのやり取りもあります。
国内でも海外でも、取次役に自社を選んでもらえるかどうかは、営業の腕にかかっていると言えるでしょう。
消費者に受け入れられにくい海外商品を、陳列の仕方を工夫してもらうなど、小売店に提案する企画力が問われる仕事でもあります。
担当した商品を日常的に目にできる
専門商社の中でも、食品商社の商材は私生活で目にすることができます。鉄鋼や電子・半導体、化学系の商材は、そのままの形で店頭に並ぶことは少ないでしょう。
その点、自分が携わった商品を消費者が購入していたり、その商品について話したりしている場面に直接出くわす可能性が高いです。食品商社はやりがいを感じやすい仕事かもしれませんね。
食品商社と総合商社の違い
食品専門商社と総合商社では異なる点が見られます。
扱う分野の幅
食品商社は総合商社と比べて、扱う分野の幅が狭いです。総合商社は医療、建設、情報通信、石炭・石油など、枠にとらわれずビジネスチャンスを広げられる利点があります。
他方で、食品商社が食品や酒にのみ注力していることは欠点に見えますが、長所だと考えることもできます。事業領域が「食」に絞られていることにより、プロジェクトが違っていても企業内で連携が上手く取れたりするからです。
業界での人脈に強くなる
専門性が高いため、ネットワークは強靭なものとなります。メーカーと小売の両方向で、長く、そして密に人脈を築く必要があるからです。特に、独立系、例えば加藤産業はその特色が見られます。
三菱商事系列にある三菱食品や、伊藤忠商事系列の伊藤忠食品/日本アクセスなどと比べ、仕入先や取引先との関係が重要になるのです。また総合商社より市場が小さいため、縦のつながりだけでなく、競合である横のつながりも比較的に強いようです。
内需が柱となる
専門商社でも、とりわけ食品/医薬/燃料/日用品の業界は、国内での商売が主軸になっています。国内の需要に左右され易いと言い換えられるように、少子高齢化の進む日本において業績は伸びにくいようです。
半導体/鉄鋼/機械/化学関連の専門商社や、広領域の総合商社のように、海外需要を拡大できるかが課題になるでしょう。
食品商社を目指す就活生がすべき就活対策
食品商社の志望動機作成のポイントを知っておく
食品商社を目指すなら、食品商社ならではの志望動機作成のポイントを理解しておく必要があります。
「なぜ総合商社でなく食品商社なのか」は面接でもよく聞かれるポイントですので、この質問にしっかりと答えられるようにしておきましょう。
食品を扱う仕事がしたいという理由の場合、「なぜメーカーでなく商社なのか」ということも問われる可能性が高いので、しっかりと答えられるようにしておく必要があります。
食品業界のアルバイトをしてみる
大学生が食品商社でのアルバイトを探すのは難しいかもしれませんが、食品商社と関わりのある場所でアルバイトをすることはできます。
スーパーや百貨店の食料品売り場などのアルバイトを経験すると、食品の販売や流通について知ることができます。食品を扱うアルバイトをすれば、仕事を通じて食品を扱う業界や食品商社の仕事への理解も深まるでしょう。
業界の課題を発見したり、自分がやりたいことが明確になることもあります。就活のESや面接で聞かれる、志望動機や自己PRの作成に役立つはずです。
食品商社のインターンシップに参加する
ESや面接では「なぜ食品商社なのか」「なぜその企業を志望するのか」などを聞かれますが、食品商社の仕事内容や企業の雰囲気がイメージできない就活生も多いと思います。
食品商社それぞれの企業の特徴や仕事内容への理解を深めるには、食品商社のインターンシップに参加するのがおすすめです。
インターンシップでは実際に働いている社員さんの話が聞けたり、仕事体験ができるインターンプログラムもあります。
1Dayインターンなど1日で完結するインターンも多いので、気になる企業があれば積極的にインターンシップに参加してみてください。
最後に
食品商社が総合商社と大きく異なることがわかったのではないでしょうか。専門商社は内需の変動に影響を受けやすいという特徴があることから、食品商社間での合併や事業統合が今後も起こり得ます。
業界の動向を時折確認してみることをお勧めします。また食品業界についてもっと詳しく知りたい方は、インターンシップに参加して業界研究をするのも良いかもしれませんね。
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