近年は採用方法の中で「コンピテンシー面接」という手法を取り入れる企業が増えてきています。学生のみなさんは聞き慣れない言葉かもしれませんが、「コンピテンシー面接」とは、いったいどのような面接なのでしょうか?
今回は、コンピテンシー面接の意味や一般的な面接との違いについて解説していきます。コンピテンシー面接の対策もご紹介しますので、じっくり見ていきましょう。
- ・コンピテンシーってどういう意味?
- ├「コンピテンシー」とは
- ├コンピテンシー面接とは
- ├一般的な面接との違いは
- └圧迫面接のように感じる人も
- ・「コンピテンシー面接」のメリット
- ├採用基準が明確になる
- └即戦力となる人材を採用できる
- ・コンピテンシー面接の対策
- ├自分のアピールしたい実績への過程を整理しておく
- ├「STARフレーム」に沿ったコンピテンシー面接の質問例を参考にする
- └整合性が取れているかを常に意識する
- ・どういう人が有利か
- ├自分の考えで行動し、独自のやり方でPDCAサイクルが回せる人材
- └その企業で活躍している人材と同じタイプ
- ・最後に
コンピテンシーってどういう意味?
まずは「コンピテンシー面接」の意味や内容、一般的な面接との違いについて理解しましょう。
「コンピテンシー」とは
「コンピテンシー(competency)」という言葉は、「ある業務や役割において、優秀な成果や成績を残す人に共通する行動特性」という意味を持ちます。
仕事ができる人はどんな能力があるか?どんな行動をとることが多いのか?高い成果をあげている人の共通点とも言えます。
しかしこれだけではいまいちピンとこないかもしれませんね。解説していきます。
コンピテンシー面接とは
「コンピテンシー面接」とは、「社員の中で特に優秀な成績や実績を残している人と同じようなタイプを採用したい」と考えている企業が、「自社で優秀な社員に共通する特徴を行動特性として洗い出し、似た特徴を持つ学生を採用するための面接」ということになります。
一般的な面接との違いは
コンピテンシー面接と一般的な面接とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
一般的な面接が、あなたの学生時代のことやアルバイト、志望動機や自己PRなど幅広い内容の質問をまんべんなく行い、その人の全体像を知ろうとするのに対し、「コンピテンシー面接」は1つの質問に追加で質問を重ね、どんどん掘り下げていくのが特徴です。
圧迫面接のように感じる人も
答えても答えても掘り下げられるため、就活生によっては「圧迫面接なのでは?」と少し攻められているように感じる人も少なくありません。
しかし、質問をどんどん細かく掘り下げていくのは、「コンピテンシー面接」の特徴です。決して学生を追い詰めるためにやっているわけではありません。
「コンピテンシー面接」のメリット
なぜ企業は「コンピテンシー面接」を導入するのでしょうか?
採用基準が明確になる
一般的な面接では評価基準が曖昧になりやすく、採用担当者や面接官の主観に影響されることが少なくありません。
対してコンピテンシー面接では、「能力」「特徴」「行動特性」として基準が明確になっています。
基準がはっきりとしていることで個人の主観による影響を減らすことができ、より公平で普遍的な評価ができるようになるのです。
即戦力となる人材を採用できる
これまでは、企業が学生を新入社員として採用する際には、できるだけ様々な能力やキャラクターを持った学生をバランスよく採用することが一般的な傾向でした。
しかし「コンピテンシー面接」を取り入れる企業は、「できるだけ即戦力となる社員に育てたい」「少数精鋭で効率よくすぐに結果を出す社員を採用したい」という想いを持っていることが多いです。
「能力」「行動」を基準にして採用するため、「求める人材」にマッチした学生を見極められる可能性が高められるのです。
コンピテンシー面接の対策
そんな「コンピテンシー面接」に備え対策をするとしたらどのような準備をしておくのが良いのでしょうか?
自分のアピールしたい実績への過程を整理しておく
「コンピテンシー面接」では、ひとつの自己PRやエピソードについて、より詳細にディティールまで掘り下げられます。できるだけ自分のアピールしたいことについて、実績やその実績を出すまでの過程などを細かく整理しておきましょう。
「周囲はその様子をどう思っていたのか」「どのような反応があったか」「自分はその過程で何を感じたか」「何を課題だと感じたのか」など、詳細まで整理しておきましょう。
頭の中でまとめるのはどうしても難しいため、ノートなどに書きだしておくと可視化することができて整理しやすいです。
「STARフレーム」に沿ったコンピテンシー面接の質問例を参考にする
コンピテンシー面接の質問は「STARフレーム」というフレームワークがベースになっていることが多いです。
ここでは、コンピテンシー面接でされることが多い質問の例をいくつかご紹介します。「STARフレーム」の項目別に、質問例を確認してみましょう。
【Situation(状況)に関する質問】
・どうしてそうなったのですか?
・アルバイト先にはどんな人がいましたか?
・どんなチームでしたか?
【Task(課題)に関する質問】
・苦労したことはどんなことですか?
・その時はどんな目標がありましたか?
【Action(行動)に関する質問】
・どうやって問題を解決しましたか?
・具体的にはどんな努力や行動をしたのですか?
【Result(結果・成果)行動に関する質問】
・その経験からどんなことを学びましたか?
・どんな反省がありましたか?
用意した自己PRやエピソードに対して、質問例を参考に自分掘り下げて考えてみると、面接でもスムーズに答えることができるでしょう。
整合性が取れているかを常に意識する
さらに、書きだした内容の整合性が取れているかをチェックします。それ以外にも、自己PRの内容と志望動機が流れとしておかしくないか、ロジカルに話すことができるかなどもチェックされています。
普段から話の内容の整合性に自信がないという方は「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」などの本を読んで勉強してみると、面接の話し方にも自信が持てるようになります。
どういう人が有利か
「コンピテンシー面接」で採用されるのに有利な人はどのような人なのでしょうか?そもそもの意味から考えると、各企業ごとにその傾向は異なるといえます。とはいえ、なかなか、自分が選考を受ける企業で活躍している社員の特徴や傾向を知ることは難しいかもしれませんね。
自分の考えで行動し、独自のやり方でPDCAサイクルが回せる人材
しかし、どのような企業であっても「活躍している人材」「良い実績を残している社員の特長」には共通点があると言えます。
それは、「自分の考えで行動する意思と行動力があり、常に勉強する姿勢で、さらに独自のやり方でPDCAサイクルをまわしながらより良い仕事の仕方を模索できる人」です。
各企業ごとに優秀な社員の特徴は異なるとはいえ、大筋としてはこの特徴を意識しておけば激しくブレることはないでしょう。
その企業で活躍している人材と同じタイプ
より詳細にその企業の優秀な社員の特徴が知りたい場合には、その企業に勤める先輩社員に話を聞くのが一番早いかもしれません。
あるいは、インターンシップに参加して自分の目でチェックすることができれば他の学生に差をつけることができ、おおいなる強みとなるでしょう。
最後に
「コンピテンシー面接」と聞くとついつい怖い面接のような気がしてしまいます。しかし、より自分の考えややる気をアピールしやすい面接であるともいえます。事前に告知されることはほとんどありませんが、万が一突然「コンピテンシー面接」を受けることになっても慌てないように準備はしておきたいですね。
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