長期インターンの雇用形態と注意すべきポイントを解説!

長期インターンはお金をもらいながら、就業経験を積める貴重な機会です。「アルバイトではなく長期インターンに取り組もう!」と考えている方も多いかもしれません。しかし、「長期インターンでアルバイトとは違うの?」「長期インターンの雇用形態ってどうなっているの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は長期インターンの雇用形態について詳しく解説するとともに、雇用形態別の注意すべきポイントをご紹介します。

目次

長期インターンの雇用形態とは?

多くの場合、長期インターンではアルバイトと同じように企業に「雇用」されます。雇用とは、労働者が企業に労働力を提供する代わりに企業は労働者に報酬を与えると契約することです。この契約を「雇用契約」といいます。

雇用契約では、「労働者が企業でどんな働き方をするか」を明確にします。この働き方が「雇用形態」です。長期インターンでは雇用契約を結ばず「業務委託契約」で働く可能性もあります。

「雇用契約」と「業務委託契約」それぞれについて基本的な知識を押さえていきましょう。

基本的には雇用契約上の非正規社員として働く

長期インターンでは基本的に雇用契約を結び、「非正規社員」と呼ばれる雇用形態で働きます。非正規社員とは何かを理解するために、正規社員と比較してみましょう。

正規社員は一般的には「正社員」と呼ばれています。正社員は決められた労働時間をフルタイムで働くことが求められます。その分、雇用期間は決められておらず、安定した働き方ができます。

非正規社員は一般的には「アルバイト」や「パートタイマー」などと呼ばれています。「決まった曜日」や「決まった時間」だけ働くのが特徴です。「年度末まで」など雇用期間が定められる場合もあります。大学生はフルタイムで働くことは難しいため、非正規社員(アルバイト)として雇用契約を結ぶことが多いです。

業務委託契約を結ぶインターンもある

長期インターンの中には「業務委託契約」を結ぶケースも見られます。業務委託契約では企業と雇用契約を結ばず、対等な取引相手として企業から任された仕事に取り組みます。業務委託契約には「委任契約」と「請負契約」の2種類があります。それぞれの内容は次のとおりです。

委任契約:仕事の成果に関わらず報酬が支払われる契約
請負契約:仕事が完了してはじめて報酬が支払われる契約

例えば、webライターの長期インターンでは「1記事につき〇〇円」といった請負契約を結ぶことがあります。

雇用契約による長期インターンの注意点

ここからは雇用契約による長期インターンの注意点を分かりやすく解説します。

最低賃金が定められている

雇用契約を結んだときの最低賃金は「最低賃金法」という法律で定められています。もちろん、インターンであっても最低賃金未満の時給で働かせることは許されていません。

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特別(産業別)最低賃金」の2種類があります。地域別最低賃金はその名の通り、地域(都道府県)ごとに定められた最低賃金です。例えば、2022年8月時点の東京都の最低賃金は1041円となっています。東京都では1041円を下回る時給で働かせることはできないのです。

特別(産業別)最低賃金は特定の産業に定められた最低賃金です。特定の産業について地域別最低賃金を上回る最低賃金を設定することが求められています。長期インターンで雇用契約を結ぶときには「最低賃金を下回っていないか」をよく確認しておきましょう。

社会保険への加入義務が発生する可能性がある

「長期インターンでバリバリ働くぞ!」という方は、社会保険への加入義務が発生するかもしれません。ここでの社会保険とは「健康保険」や「厚生年金」を指します。

社会保険への加入義務が発生するのは、年収130万円以上の場合です。年収130万円以上になると、親の社会保険に加入していた方も、自分自身で社会保険に加入し、保険料を納めなければならなくなります。

労災保険が適用される

長期インターンで雇用保険を結ぶと「労災保険」が適用されます。労災保険とは業務や通勤によるケガや病気などを補償する保険です。ケガや病気に対する治療費や入院費、働けなくなった場合には賃金の80%の収入を保障してもらえるなど、万が一のときに頼りになる制度です。

雇用保険は基本的に適用外

雇用保険は労働者が安定して働けるように失業時や休業時のサポートをするのが目的の保険です。そのため、労働よりも学業が本分である大学生は基本的に雇用保険の対象外となります。

ただし、次の条件を満たす場合は大学生でも雇用保険の対象となります。

・卒業後もインターン先の企業で雇用予定
・休学中
・夜間学部の学生

上記の条件に自分が該当していないか確認しておきましょう。

業務委託契約による長期インターンの注意点

業務委託契約による長期インターンにも2つ注意点があります。

インターンなのにあまり教育を受けられない

業務委託契約で注意したいことの1つ目は、せっかくインターンに参加したのに仕事について教育を受けられない可能性がある点です。

業務委託契約では任された仕事を各自のペースでこなしていきます。企業に十分なチェック体制や教育体制がないと、ただ仕事をこなすだけの時間になってしまうこともあります。

長時間働いたのに報酬が最低賃金以下になるケースも

業務委託契約の注意点2つ目は、報酬が最低賃金以下になるリスクがあることです。例えば、報酬1万円の仕事を請負契約で引き受けたとしましょう。もし、仕事完了までに20時間かかった場合、時給換算すると500円になってしまいます。

時給1000円の雇用契約なら20時間働くと2万円もらえる一方で、業務委託契約ではどれだけ長時間働いても結果が出ない限り、報酬には全く影響しません。報われない結果になってしまうこともあるのです。

終わりに

「雇用契約」や「雇用形態」、「業務委託契約」について理解している学生は多くありません。しかし、知らないままだと損をしてしまいます。長期インターンはもちろん、社会人として働くときにも役立つ知識ばかりなので、ぜひ一度確認してみてください。

長期インターンでトラブルが発生したときには、1人で抱え込まずに大学のキャリアセンターや労働基準監督署に相談しましょう。


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