アパレル業界の業界研究、就職活動対策

洋服が好き、ファッションが好きという気持ちから、アパレル業界を目指す就活生は多いでしょう。アパレル業界は人気が高いうえ、高卒以上であれば学歴を問われないことが多いので入社を希望する学生の数が必然的に増えます。

しかし、花形の総合職に新卒で就くのは超難関の狭き門です。ここではアパレル業界の現状や売り上げランキング上位企業の概要、アパレル業界の仕事内容、就職対策のためにできることなどを紹介します。

アパレル業界の業界研究、就職活動対策
目次

アパレル業界について

アパレル業界の現状

アパレル業界とは衣料品の製造や販売を行う業界です。近年はファストファッションと呼ばれる「ユニクロ」「GU」「H&M」「ZARA」など低価格帯のブランドが台頭しており、ファッションに使われる金額は減少傾向にあります。

一方で、「メルカリ」や「ラクマ」などのフリマアプリで洋服を購入する人が増えたり、ファッションのサブスクリプションサービスなど新しいサービスも登場しており、アパレル業界の市場規模は安定しています。

環境問題への注目が高まり「サステイナブル」というキーワードがアパレル業界でも注目されるようになっています。

新型コロナの影響は?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響で、アパレルの店舗を訪れる人が減り売り上げも前年同期と比べて減少している企業がほとんどです。

多くの企業が苦戦を強いられる中、「ユニクロ」や「GU」を運営するファーストリテイリングはECサイトやアプリへの誘導に成功し、オンラインでの売り上げを向上させています。

もともとEC販売がメインのアパレル企業はコロナの自粛中でも着実に売り上げを伸ばしており、今後もアパレル業界ではECの活用がカギとなりそうです。

アパレル業界の企業売り上げランキングTOP5

業界サーチ.comに掲載されている「アパレル業界 売上高ランキング トップ10(2018 - 2019年)」を参照し、ベスト5の企業について特徴を簡単にをご紹介します。

1位 ファーストリテイリング
2位 しまむら
3位  青山商事
4位 ワールド
5位 オンワードHD

1位 ファーストリテイリング
代表ブランドである「ユニクロ」や「GU」以外にも、「PLST」「Theory」「J Brand」などさまざまなブランドを傘下に持つアパレル企業です。

アジア・ヨーロッパ・北米にも進出して世界的なブランドに。アパレル製造小売業の時価総額ランキングでは、ZARAを運営するインディテックスについで世界2位となりました。

2位 しまむら
衣料品チェーン店「しまむら」を運営している企業です。「アベイル」や「ディバロ」など、しまむらの他にも衣料品や靴を扱う店を運営しています。

しまむらだけでも全国に1400店舗以上あり、低価格と多様な品揃えで幅広い年代の女性から指示を得ています。

3位 青山商事
紳士服の製造・販売を手がけており、「洋服の青山」「ザ・スーツカンパニー」などを全国展開している企業です。スーツ・フォーマル以外にも、カジュアルブランドやレディス商品なども幅広く扱っています。

世界的なジーンズブランドである「LEVI‘S」の日本法人であるリーバイ・ストラウスジャパンと契約し、「リーバイスストア」をフランチャイズ展開しています。

4位 ワールド
「OZOC」「UNTITLED」「LAURA ASHLEY」「THE SHOP TK」などを運営するアパレル企業で、本社は兵庫県神戸市にあります。

新型コロナの影響で業績が悪化し、「HUSHUSH」「3can4on」「aquagirl」「OZOC」「anatelier」の5つのブランドを廃止することを2020年8月に発表しました。

5位 オンワードHD
「23区」「組曲」「iCB」「KASHIYAMA」などを運営するアパレル企業です。法人向けのユニフォーム事業・サンススタジオ運営・レストラン運営・リゾート関連事業なども行っています。

アパレル業界の仕事は大きく2つ

アパレルの仕事は大きく、販売職、総合職に分かれます。それぞれの主な職種を紹介します。

販売職

マネージャー、ショップスタッフ:店舗で商品の販売をします。ただ商品を売るだけでなく、消費者の動向や商品知識を学べる大事な機会でもあるため、アパレル業界においては原点ともなる仕事です。

スーパーバイザー:複数の店舗の運営管理をするコーディネーターです。店舗と本社をつなぐパイプ役となり、ショップスタッフの教育や在庫管理なども行います。

ショップスタッフ、マネージャーを経て、スーパーバイザーに昇格します。さらに、スーパーバイザーを経て、マーチャンダイザーやバイヤーなどの総合職に転身することもあります。

総合職

マーチャンダイザー:商品開発から販売計画、予算管理のほか、店舗を中心としたブランド戦略を立案するプロデューサーです。営業成績に対する責任も持ちます。

バイヤー:セレクトショップや百貨店などで販売する商品を、国内外のブランドから買い付ける仕事です。トレンド、ブランドや店舗のコンセプトなどに基づいて、半年ほど前から仕入れ計画を考えます。

デザイナー:市場のニーズに応えた既製服や小物のデザインをする企業デザイナーと、オリジナルブランドのデザインを担当するブランドデザイナーがあります。専門学校で学んでいることが必須となります。

パタンナー:デザイナーが描いたデザイン画を形にするための型紙(パターン)を製図ソフトを使って作ります。専門学校で学んだ経験が必須となります。

生産管理:デザインが決定してから商品になるまでの生産工程を、経営と販売の計画に沿って管理します。工場とブランドのパイプ役となり、商品が問題なく生産されるように管理します。

営業:自社製品を百貨店や量販店に売り込みます。販売促進や店舗の売上管理なども行います。

広報:ブランドの情報を媒体などに発信したり、PR活動を行う仕事です。

事務職:一般企業と同じく総務や経理などの仕事もあります。

学歴よりも実力重視のアパレル業界

アパレル業界で大切なのは経験と実力

アパレル業界では、学歴よりも経験が問われる傾向にあります。花形である総合職も新卒で入るのは少数派です。

販売員として経験を積み、ブランドのことや仕事のことをよく理解し、経験を積んだ人が総合職に就くというパターンが多いです。アパレル業界では学歴ではなく、実力と経験値が重視されるということを覚えておきましょう。

アパレルで学歴が評価されることは少ない

アパレル以外の多くの企業では、大卒と高卒では応募できる職種が違ったり、大卒のほうが初任給が高く設定されていたりすることが多いです。ところがアパレル業界では、高卒・大卒などの学歴を問わず、同じ条件で募集することが一般的です。

その後も、現場での成績によって、高卒の社員のほうが高給になったり、先に出世したりということもあります。偏差値の高い大学を出たという肩書があっても、それは評価の対象になりませんので、自分の学歴にプライドやこだわりのある人には向いていない業界かもしれません。

新卒でアパレル業界の総合職に就くには?

アパレルの総合職に新卒で採用されるための対策について解説します。

専門性が問われない職種を選ぶ

デザイナーやパタンナーなど、専門学校で学べばアシスタントからではありますが、総合職に採用されやすい職種もありますが、アパレルの総合職に新卒で就くのは至難の業です。

特に、マーチャンダイザーやバイヤー、広報など、業界やファッションへの深い理解がないと勤まらないような職種は超難関です。

営業職、事務職は、アパレル業界の中では新卒の募集が比較的多い職種です。生産管理も、経験のない新卒でもアシスタントとして採用してもらえることがあります。

採用担当者に深い業界理解や仕事へのビジョンをアピールする

超難関でありながら、それでも新卒でバイヤーや広報などに採用される学生もいます。そういった学生たちは、ファッションやブランド、業界に対する深い理解、仕事に対する明確なビジョンを持っています。

面接で採用担当者に、「この人なら新卒からでも総合職の仕事をこなせる」と思わせるようなアピールをできるかどうかがポイントとなります。

やっぱり販売職から総合職へステップアップが王道

新卒で総合職を目指したものの採用されなかった場合は、やはり販売職からステップアップしていくのが王道です。というのも総合職になるために必要な、消費者の動向を捉える力や、ブランドに対する理解を深めることが、販売職として働くなかで培われるからです。

もちろん、販売職がやりたくて、ずっと販売職を続ける人もいますし、ハイブランドの販売職に転職することでステップアップしていく人もいます。

アパレル業界で働くメリットとデメリット

ここではアパレル業界で働く多くの人が経験することになる、「販売職」のメリットとデメリットを紹介します。

アパレル業界で働くメリット

①商品が安く購入できる
ほとんどのアパレル業界の企業では、社員割引の制度があります。割引率は企業によって異なりますが、だいたい4〜6割引きで購入することができます。

②好きなものに関わる仕事ができる
「好きなものに囲まれて仕事ができる」というのは大きなメリットです。おしゃれが好きな人は、毎日コーディネートやディスプレイを工夫するのも楽しめるでしょう。

③お客さんに喜んでもらえる
「探していた商品が見つかった」「自分に合うスタイルをコーディネートしてもらえた」と喜ぶお客様の姿を直接見られるので、達成感があり、やりがいも感じられるでしょう。

アパレル業界で働くデメリット

①休みが少ない
アパレル業界は、他の業界と比べて年間の休日が少ない企業が多いです。とくに販売職の場合は、土日も出勤することが多いので、家族や友人と休みを合わせづらいという問題があります。

ゴールデンウィークや年末年始も休めない職場もあります。連休やまとまった休みが取りづらいのもデメリットのひとつと言えるでしょう。

②体力的につらい
アパレル業界の販売の仕事は、一日中立ちっぱなしのことがほとんどです。マネキンの着せ替えや商品の移動、品出しなど力仕事もあります。体力に自信がない人には負担に感じることも多いでしょう。

③売上目標がストレスに
ノルマがない職場でも商品が売れないと気分的に焦ってしまったり、ストレスを感じることもあります。売上という目標がダイレクトに目に見える職場なだけにやりがいや達成感はあるのですが、ストレスが多いことも覚悟しておきましょう。

アパレル業界就職のために学生のうちにできることは?

アパレル業界で希望の職種に就くために、学生時代にどんなことができるでしょうか?ここでは、アパレル業界を目指すならやっておくべき就職対策をご紹介します。

販売員のバイトをする

上述の通り、アパレル業界では経験が重視されますので、アルバイトとはいえ販売員としての経験を積むことはかなりプラスになります。

その際、お客の年齢層や売れ筋、価格帯などから、自分なりに市場調査するなどしてブランドに対する理解を深めたり、トレンドを調査したりすると勉強になるかもしれません。

インターンに参加して業界理解を深める

アパレル業界のことをよく知りたいのなら、実際にアパレル業界で働いてみるのが一番です。アルバイトでは経験できないような仕事も体験できるでしょう。

インターンとして実際の仕事を目の当たりにすることで、自分がどんな仕事をしたいのか、就職したらどんなことを成し遂げたいのか、自分が貢献できることは何か、といった就職後のビジョンも明確にすることができます。

面接対策をしっかりする

アパレル業界の面接では、用意してきた回答からさらに掘り下げた質問をされることが多いようです。そのため、自己分析をしっかりして、志望動機もよく練りましょう。

面接を通じて、自分の仕事に対する考えや思いを採用担当者にしっかり伝え、この学生にうちのブランドで活躍してほしいと思わせるようにしましょう。

アパレル業界の面接の特徴として「私服面接」があります。コーディネートやスタイリングのセンスを見られるので、普段からおしゃれのセンスを磨いておく必要があります。

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まとめ

アパレル業界に限らず、人気の業界で採用されるのは大変です。そのために、自分の仕事に対する考えや、仕事を通して達成したいことなど、入社後のイメージも伝えれられるように準備しておきましょう。


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