IT業界でよく聞くSIerとは?具体的な仕事内容を解説

ITの発展に伴い、IT業界が大きく注目されています。学生の中でも希望の就職先にIT企業を選ぶ方も多いでしょう。そんななか、多くのIT企業が「SIer」という業態をとっているのをご存知でしょうか?

ここではSIerとその具体的な仕事内容、Slerの魅力、Sler企業に就職するための対策などについて解説します。IT業界に注目している大学生には必要な知識となるので、ぜひ参考にしてみてください。

IT業界でよく聞くSIerって?具体的な仕事内容を解説
目次

SIerとは?

SIerが「システム構築」を請け負う

SIerとはSI(システム・インテグレーション)を行う業者を指します。システムとはコンピュータで制御される自動化された仕組みのことです。

例えば、大学なら大学の講義に関して履修登録システムを利用していますよね。他にも、Suicaで改札を通る仕組みやATMからお金を引き出す仕組みもすべてシステムによって実現しているのです。

私達の身の周りの生活の多くはシステムによって支えられています。そのようなシステムを開発・導入する役割を果たす企業をSIerと呼ぶのです。

なぜSIerが必要とされるのか

システムが不可欠な点は身の周りの生活のためです。では、なぜSIerが必要とされるのでしょうか?

最も大きな理由は、システム開発にはシステムに対する高度な専門性が必要な点です。例えば銀行のATMのシステムは日々の入金・出金状況をリアルタイムで寸分の狂いもなく処理しなければなりません。そこにはネットワーク、ハードウェア、ソフトウェア、データベースなどあらゆる技術が求められます。

銀行が新たにATMのシステムを導入したいと考えた場合、行員だけでシステム開発することはほぼ不可能です。そこで、システム開発に詳しい企業(SIer)にやってもらうのです。

銀行に限らず、多くの業界・企業はシステム開発の能力を持ちません。システムの導入を検討する際にはSIerの力が必要になるのです。

SIerは「B to B事業」

したがって、SIerの仕事の多くは B to Bとなります。B to Bとは企業間取引のことで、企業から企業にモノやサービスを販売することです。

B to B の特徴として、社会に及ぼす影響が大きいことが挙げられます。取引先の企業は受け取ったモノやサービスを利用して事業を推進するためです。SIerが導入するシステムは取引先企業の事業を拡大するために使われます。

ちなみに、B to Bと対をなす言葉がB to Cです。これは企業から一般消費者に向けてモノやサービスを販売することで、いわゆる小売業です。

SIerの仕事内容

具体的なSIerの仕事内容について解説していきます。システム開発の工程がそのまま仕事内容に結びつき、上流工程と下流工程に分けることができます。

上流工程

1.要件分析/要件定義
「どんなシステムを作るか?」を決定する工程です。

SIerはお客さん(システムの発注企業)と一緒に要件分析と要件定義を行います。お客さんの業務を分析したり、お客さんからヒアリングを行ったりしながらシステム化する方針を考えます。そうしてできあがったシステム化の方針を「要件」として取りまとめて定義していきます。

最上流の工程であり、ここで作られる「要件定義書」を元に続く工程を進めていきます。プロジェクト全体の流れを決定するので要件定義書には作り込みが求められます。

2.設計
要件定義書を元に、システムの設計書を作成していきます。要件だけだとどのようにシステムを作ればよいかがわからないので、スムーズに開発が進むように一つひとつ細かく設計書に落とし込んでいく工程です。

この辺りからプログラミングの知識やネットワーク・データベースなどの専門的な知識が必要となっていきます。それら専門的な知識を用いて、要件を的確に設計書に落とし込む能力が求められます。

下流工程

1.開発
設計を元にシステムの開発をします。プログラミングもこの開発工程で行われます。もちろん、プログラミングだけではなく設計書通りにネットワークやデータベースを構築する必要があります。技術力が問われる工程となるので、エンジニアとして活躍する方が多いです。

2.テスト
開発したシステムに対して、設計・要件通りに実装が完了しているかテストをします。「作って終わり」ではなく、きちんとお客さんの要望通りのものができているか確認する大切な工程です。

チェックリストを作成し、ひたすらテストを行うので根気のいる工程ですがシステム開発には欠かせません。もしバグを発見した場合はフィードバックを行い、システムを改善することで品質をあげていきます。

どんな職種がある?

SIerにはどのような職種が存在するのか解説します。SEと営業が大半を占めています。

SE

システム・エンジニアです。上流工程〜下流工程に幅広く対応するためSIerの主役とも言える職種です。システム開発に携わる以上、ITに関する知識は不可欠です。基本的なプログラミングやネットワーク、データベースについては知識として知っておくことが求められます。

また、技術的な知識だけではなくコミュニケーション能力も大いに求められます。上流工程では特にお客さんと打ち合わせが多いので、適切に要望を汲み取る能力が必要です。他にもプロジェクトのメンバーと協力して作業を進めていくためコミュニケーションを積極的にとっていく必要があります。

営業

SIerにも営業職は存在します。システムを導入したい企業に対して他のSIerとコンペをしたり、SEと一緒にお客さんの業務分析・ヒアリングを行ったりするなど最上流の仕事を担当します。SEがシステムの開発をするのが仕事ならば営業はシステム開発まで導くのが仕事です。

コミュニケーション能力は当然のこと、システムを売るわけですから技術的な知識も求められます。

SIerの魅力

SIerで仕事をすることの魅力やメリットについてみてみましょう。

多様な経験ができる

SIerは、複数の企業からシステム構築の仕事を請け負います。必要なシステムは企業によって違うため、様々な案件を経験することが可能です。

自社サービスを扱うWeb系企業のエンジニアだと、扱うのは自社サービスだけになってしまいます。多様な経験を積めるというのは、SIerの大きな魅力の一つと言えます。

まだやりたいことや志望業界が定まっていないという就活生は、SIerでシステム構築について学びながら経験を積むのもいいでしょう。

チームワークについて学べる

SIerでは、大規模なシステム構築に関わる機会も多いです。当然プロジェクトには多くの人が関わることになります。

自社だけでなく他社も含めて、多くの人とコミュニケーションをとりながら協力してプロジェクトを進めていかなければなりません。

チームで協力して仕事をする経験を積んでおくと、今後のキャリアアップや転職にも大いにプラスになるでしょう。

SIerに就職するには

SIerを目指すなら、どんなことをしておくべきなのでしょう?大学生のうちからできることをご紹介します。

プログラミングを学ぶ

SIerに就職するなら、プログラミングの知識は必須です。エンジニアはもちろん高度な知識が求められますし、営業でも最低限の知識は必要です。

すべての言語をマスターする必要はありませんが、プログラミングについての基礎知識は大学生のうちから勉強しておきましょう。

資格を取得する

就活で必ず有利になるとは限りませんが、ITに関する資格を取得しておくのも悪くはありません。難易度がそれほど高くないものなら、「ITパスポート」や「基礎情報技術者」などの資格があります。

もう少しレベルをあげられるなら、「応用情報技術者」や「ネットワークスペシャリスト」などがあります。難易度は高くなりますが、これらの資格を取得しておくと就活や転職活動でいかせるでしょう。

インターンシップに参加する

「SIerはブラック企業が多い」「仕事がかなりハード」、という噂を聞いたことがあるかもしれません。SIerの仕事に興味はあっても、不安に思うことも多いと思います。

そんな時は企業のインターンシップに参加してみるのがおすすめです。実際に仕事を経験しながら、会社の雰囲気を知ることができるので、就職後に「こんなはずではなかった」と後悔する可能性も低くなります。

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最後に

SIerについて具体的な仕事内容を解説しました。仕事内容が多様なので、多くのことを学ぶことができる業界です。IT業界に興味のある方はぜひ動向をチェックしてみてください。


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