社会人基礎力の一つである「柔軟性」は、意見の違いや立場の違いを理解する力のことです。社会人に求められる要素であり、就活でも高く評価されるポイントとなっています。
柔軟性を身に付けて面接官にアピールするためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは柔軟性を高める方法や効果的なアピールのコツを解説します。
- ・社会人基礎力の一つ「柔軟性」とは
- ├社会人基礎力とは
- ├柔軟性とは
- └企業で評価される柔軟性
- ・柔軟性を身に付けるためには
- ├失敗を恐れずに挑戦する
- ├様々なケースを想定しておく
- └他者の意見を受け止める
- ・柔軟性を効果的にアピールするには
- ├どんな柔軟性なのかを明確に
- ├具体的なエピソードを盛り込む
- └受け身・流されやすいと捉えられないように注意
- ・【例文】就活で「柔軟性」をアピールする時に使えるエピソード
- ├臨機応変に対応したエピソード例文
- └環境の変化に対処したエピソード例文
- ・最後に
社会人基礎力の一つ「柔軟性」とは
社会人基礎力とは
社会人基礎力とは、2006年に経済産業省が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱したものです。社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されており、柔軟性は「チームで働く力」に位置づけられています。
「チームで働く力」とは多様な人々とともに目標に向けて協力する力と定義されています。個人の仕事に囚われず様々な人々とつながりを持って協力していこうという姿勢が求められており、社会でよく言われる「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」もチームで働く力の一部です。
柔軟性とは
柔軟性とは、日々変化する環境や意見の異なる人に対して柔軟に臨機応変に対応する力です。社会人基礎力の中では、「意見の違いや立場の違いを理解する力」と定義されています。
自分の考えやルールに固執するのは、柔軟性がない人の特徴です。柔軟性がある人は、相手の意見や立場を尊重でき、自分とは違った意見を積極的に理解しようとする姿勢が見られます。
企業で評価される柔軟性
多くの人と協力しながら仕事をするには、周囲の人の立場や考えに理解を示せるかどうかが重要なポイントとなります。次のような職場では、柔軟性がある人がとくに評価される傾向があります。
・チームワークが重視されている
・自由な発想やアイデアが求められる
・多様性のある職場づくりに力を入れている
・サービス業界やコンサルティング業界
自分と違う考えを理解し認めることは、視野を広げて自己を成長させることにもつながるため、社会人には必須の要素と言えるでしょう。
柔軟性を身に付けるためには
簡単に他者の意見に同意するのは柔軟性とは違います。柔軟性を身に着けるための具体的な3つの方法を紹介していきます。
失敗を恐れずに挑戦する
柔軟性を養うためにはマニュアル通りに動いているだけではいけません。接客業であればもっとお客様に快適に過ごしてもらうためにはどうすればよいのか、サークル活動であればもっと効率の良い練習方法はないのかと現状に満足せずに工夫することが必要です。失敗を恐れずに様々なやり方を試して経験を積みましょう。
様々なケースを想定しておく
臨機応変に行動できる人の特徴として、目の前の出来事だけでなく数手先まで考えて行動しているという点があります。突発的に思い付きで行動してしまっていては予期せぬアクシデントが起きた時に困ってしまいます。今何をしたらどうなるのか、様々なケースを予測する習慣をつけるようにしましょう。
他者の意見を受け止める
環境やアクシデントが起きたときに臨機応変に行動できる力に加えて、意見や立場の違う相手と上手くコミュニケーションをとる力も柔軟性です。自分と違う意見に対して全否定して聞く耳を持たないとその相手との関係が険悪になってしまいます。
それは違う!と否定から入るのではなく、そういう意見もあるのかと冷静に受け止めましょう。1つの考えにこだわりすぎず、他者の意見を尊重することを意識してみてください。
柔軟性を効果的にアピールするには
どんな柔軟性なのかを明確に
ただ「柔軟性があります」というだけでは具体性にかけるので、どんな柔軟性なのかを明確にして補足説明する必要があります。例えば次のような説明ができるでしょう。
・好奇心があり自分とは違う意見や考えを興味深く聞くことができる
・状況の変化に応じて臨機応変に考え動くことができる
・自分とは違う意見を聞くことを自己成長につなげている
柔軟性をアピールする学生は多いので、ありきたりな内容や言葉では採用担当者に印象付けることは難しいです。他の学生の自己PRと差別化をするためにも、自分の柔軟性をうまく表現できるよう具体化してみてください。
具体的なエピソードを盛り込む
柔軟性があることに説得力を持たせるためには、具体的なエピソードを交えてアピールするのがいいでしょう。体験を元にした理由付けがあることで、柔軟性があることをより強くアピールすることができます。
素晴らしい成果をあげたエピソードである必要はありません。些細なことでも構わないので、あなたらしい「柔軟さ」がよく伝わるような、オリジナリティのあるエピソードがなかったか思い返してみてください。
受け身・流されやすいと捉えられないように注意
場面に合わせて臨機応変に適応できる柔軟性をアピールする際には、主体性がなく流されやすい人だと思われないように注意が必要です。「周囲に流されてしまう」「自分の意見を飲み込んでしまう」、というマイナスの印象を与えないよう注意しましょう。
柔軟性が高い人とは自分の意見を飲み込んで相手の意見をそのまま受け入れる人のことではありません。自分の意見を持った上での共感や尊重が大切です。
【例文】就活で「柔軟性」をアピールする時に使えるエピソード
就活で柔軟性をアピールするためには根拠となるエピソードが必要不可欠です。柔軟性を発揮した自分の経験を探していきましょう。ここでは柔軟性をアピールする際に使えるエピソード例を紹介します。
臨機応変に対応したエピソード例文
イベントスタッフのアルバイトをした際に子どもが迷子になってしまったり、舞台イベントの開始時間が遅れてしまったりとたくさんのアクシデントがありました。はじめのうちは焦ってしまい、お客様に質問されても十分に答えることができず先輩に助けてもらっていましたが経験を重ねるとお客様は自分に怒っているというよりも不安で質問しているのだということに気づいて、落ち着いて話ができるようになりました。またアクシデントを減らせるように困っていそうなお客様には自分から話しかけるようにしました。
このような臨機応変に対応した経験は柔軟性を伝えるエピソード例となります。
環境の変化に対処したエピソード例文
居酒屋のバイトをで他店のヘルプを頼まれた際、いつもと席の番号が違ったりはじめて会う人ばかりで慣れない環境でしたが注文を通す際はいつもより丁寧に目を合わせてから伝えたり、注文を繰り返してお客様に確認を取ることでミスを無くして対処することができました。
こういったいつもと違う環境で対応した経験は柔軟性を示す良い例になります。
最後に
柔軟性は社会人基礎力のなかの1つで、意見の違いや立場の違いを理解する力のことでした。柔軟性はただ他者の意見に流されることではありません。自分の意見を持った上で他者を尊重することを意識しましょう。
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