就活の面接では「どんな時にストレスを感じますか?」「ストレス解消法はありますか?」など、ストレス耐性に関して質問される場合があります。
そこで今回は次の3つについて分かりやすく解説します。
・面接でストレス耐性について聞く意図
・面接官がストレス耐性を確かめる際に用いる質問例
・ストレス耐性が低いと不採用になるか
「就活でストレス耐性を質問する目的って何?」「ストレス耐性が低かったら落ちてしまうの?」と不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
- ・ストレス耐性について聞くことで休職・離職しづらい人材かどうか見極めている
- ・ストレス耐性を確かめる質問とは?
- ├ストレスの感知能力に関する質問
- ├ストレスの回避能力に関する質問
- ├ストレスの処理能力に関する質問
- ├ストレスの転換能力に関する質問
- ├ストレスの経験値に関する質問
- └ストレスの容量に関する質問
- ・ストレス耐性が低いと不採用になる?
- ・最後に
ストレス耐性について聞くことで休職・離職しづらい人材かどうか見極めている
面接官がストレス耐性について質問する目的の1つは「休職・離職しづらい人材の確保」です。厚生労働省が発表した「令和2年労働安全衛生調査」によると、メンタルヘルスの不調によって1ヶ月以上休職した労働者の割合は0.4%、退職した労働者の割合は0.1%となっています。1000人いればメンタルヘルスの問題で4人が休職し、1人が辞めてしまう可能性があるのです。
新卒で採用する場合、1人あたり約70万円のコストがかかると言われています。さらに育成にもコストはかかります。それだけ多大なコストをかけて採用・育成した社員がすぐに休業・離職すると、企業が採用するメリットがなくなってしまいます。
少しでもメンタルヘルス不調による休職・離職の可能性を減らすために、就活生の「ストレス耐性」をチェックしているのです。
ストレス耐性を確かめる質問とは?
面接で出会うストレス耐性を確かめる質問例をチェックしてみましょう。
ストレスの感知能力に関する質問
ストレスの感知能力とは、ストレスの原因「ストレッサー」に気づく力です。ストレッサーに気づきにくい人であれば、そもそもストレスをあまり抱えないと考えられています。
【質問例】
・どんなときにプレッシャーを感じますか?
・これまでにストレスを感じたのはどんな場面ですか?
ストレスの回避能力に関する質問
ストレスの回避能力とは、ストレスを受け流す能力です。ストレッサーを感知したとしても「仕方ない」と割り切り、気にせずに済めば、ストレスを抱えることがありません。
【質問例】
・明らかに理不尽な要求をしてくる取引先にどう対応しますか?
・一緒に働くチームのメンバーに苦手な人がいる場合どのように対処しますか?
ストレスの処理能力に関する質問
ストレスの処理能力とは、ストレッサーに直接アプローチして、ストレスを解消したり、弱めたりする能力です。ストレッサーを適切に処理できる人はストレス耐性が高いといえます。
【質問例】
・これまでで最も大きな失敗は何ですか?どのように解決しましたか?
・挫折した時にどのようにして立ち直りましたか?
ストレスの転換能力に関する質問
ストレスの転換能力とは、ストレスを感じてもポジティブに捉え直す能力です。ストレッサーによる影響をネガティブに捉えるとストレスを抱えやすくなりますが、「成長の機会」と前向きに捉えられればストレスへの耐性は高くなります。
【質問例】
・失敗した経験から何か学んだことはありますか?
・どんなことをして気分転換しますか?
ストレスの経験値に関する質問
ストレスの経験値とは、これまでに経験してきたストレッサーの内容や頻度です。企業で受ける頻度の高いストレッサーと似たものを受け、対処してきた経験があれば、入社後もストレスとうまく付き合える可能性があります。
【質問】
・これまでどのようなストレスを抱えてきましたか?どのように対処してきましたか?
・対人関係でうまくいかなかったことはありますか?どう乗り越えましたか?
ストレスの容量に関する質問
ストレスの容量とは、その人のストレスの許容範囲のこと。許容範囲が大きければ、ちょっとやそっとのストレスではへこたれない人だと言えるでしょう。
【質問例】
・どんな時に「眠れない」と感じますか?
・今までで一番苦しかった経験は何ですか?
ストレス耐性が低いと不採用になる?
現時点ではストレス耐性が低くても、ストレスの処理能力や転換能力を伸ばし、「ストレスに対処できる」ということを示せれば、採用される可能性は十分にあります。
まずは自分自身が「どんなストレスに弱いのか」をしっかり分析してみましょう。そして、「そのストレスに対処する方法」や「ストレスを前向きに捉え直す考え方」を検討してみます。
ストレス耐性が低い方は、そもそもストレスの処理や転換をした経験が乏しく、良いアイデアが思いつかないかもしれません。その場合には家族や友人に相談するのがおすすめです。たくさんのアイデアを得た上で、実際に試してみて自分にしっくり来るものを選んでいくと良いでしょう。
最後に
面接でストレス耐性の質問をうまく切り抜けたとしても、ストレス耐性が低いままだと実際に働き出してから苦しい思いをする可能性があります。
「どう答えるか」を考えるだけでなく、学生のうちに実際にストレスと上手に付き合えるよう練習しておくことも大切です。この機会にたくさんのストレス対処法を見つけておきましょう。
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